議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

優良認定制度の普及+ササニシキ売ってます

2012年11月09日 12時00分00秒 | コンサル日誌
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今回は、処理業者の選定基準として、優良認定制度がどう考えられているか
について取り上げてみます。

先日、ある機会で3つの会社の方と同時に情報交換をしたのですが、各社さん
強弱の差はあれ、優良業者を優先的に選ぶという方針はあるようです。処理費や
その他の条件が同じなら優良業者を選ぶという方針はその典型です。

また、既存の取引であっても、切り替えをするという会社や、少なくとも新規に
ついては優良認定を優先するという会社まであります。いずれにせよ、全社的な
方針が出ているようです。

もちろん、そもそも中小企業に不利な制度ですので、しっかりした仕事をしている
中小企業を評価できていないという問題もあります。それに、この認定があれば
万全である、というものでもありません。
また、会社のブランドがあるからか、認定などいらないという会社もありますので、
完全に切り替えるのは現実的ではないでしょう。そこは、原則本社、現実現場で
対処していくことになります。

しかし、大手企業の間では、明らかに前身の優良性評価制度のときとは違う
姿勢で臨んでいる会社が多いようです。多量排出事業者の報告書にも、優良業者
への委託数量を書かせるなど、ジワジワと普及促進が図られているようです。


■業績悪化も背景に??

普及が進みつつある背景には、「仕事の手間が省けるから」という隠れた本音も
あるように感じます。

製造業各社の業績悪化にともなって、廃棄物管理に割くことができる人員が減って
います。それなのに、昔ISOで作った「毎年1回」というルールに縛られて困って
いるという話を、多くのクライアントから聞いてきました。
そんな排出事業者にとって、現地確認の頻度を減らせるという理由が見つかった
のです。

具体的には、優良業者に対しては、実地(現地)確認の代わりに、間接確認をする
という方法が採用され始めています。
優良認定の普及の切り札は、もしかしたら間接確認という新概念になるかも
しれません。はじめた当初は、そんな意図はなかったのかもしれませんが。


■間接確認をどう考えるか

ということで最近、間接確認の方法についても、しっかりした仕組みが必要
ということで、いろいろと相談を頂いています。
間接確認は、いい加減な方法であれば形式だけで意味がなくなりそうですが、
工夫すれば有効な方法になり得ると思うのですが、皆さんはどう思われますか?

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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最近、ササニシキを売っているのを見ませんが、南三陸で有機栽培した
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路上検問

2012年11月07日 09時29分48秒 | ニュースクリッピング
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検問というと、一般には飲酒運転やスピード違反の取締りが目的のように
思えますが、廃棄物についての検問もあります。

実は、多くの自治体で行われているもので、それほど特殊なものではありません。
中でも大規模なのは、首都圏でやっている産廃スクラムです。

産廃スクラムについて

10月24日に実施した東京都の検問の結果

「産廃スクラム30」と言っていますが、30とは参加する自治体の数ですので
年によって変わります。ある一定の期間に一斉に高速道路や国道で実施
しています。首都圏から地方へ流出する広域移動(不法投棄)を取り締まるのが
目的です。

ちなみに、東京都は検問ではなく、路上調査と言っています。路上で検問ができる
のは警察官なので、警察官が過積載調査などの目的で車両を停止し、自治体職員が
さらに廃棄物の立入調査をするという形になるそうです。東京都ではその辺に
気を使って検問という言葉を使っていないのでしょう。

違反があれば、排出事業者へも報告徴収があるそうです。ちゃんと仕事してるようですが、
排出事業者としては「えらいこっちゃ!!」ですね。
(以上について、廃棄物行政に携わっていた方に教えていただきました。)

30自治体での実施結果

違反内容としては、廃棄物関連車両205台について、

 許可証の写し等書類携帯義務違反  24件
 マニフェスト(産業廃棄物管理票)携帯義務違反  12件
 産業廃棄物運搬車両表示義務違反  11件
 マニフェスト記載不備  9件
 その他  4件

あったそうです。

マニフェスト記載不備なんて、じっくり見ればもっと沢山あっただろうと
思いますが、数量や運搬先が書いていないなどの、看過しがたい不備だけを
指摘したのでしょう。

そんなことより、マニフェストの携帯義務違反や記載不備は、排出事業者の
責任ですから他人事ではありません。不法投棄が起こらなくても、こんな
形で違反が発覚する可能性があります。これを遡って排出事業者が捕まった
例は、多分まだないとは思いますが、行政処分を受けた処理業者はあります。

こちらの記事を参照

なお、メンテナンス廃棄物や、建設工事かどうか微妙な工事からの廃棄物は、
量も少なく、見た感じただの営業車両っぽいでしょうし、高速や幹線道路を
通ることも少ないでしょうから、たぶん引っかからないでしょう。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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寒いだろうと思って、娘(7歳)に布団を沢山かぶせておくと、逆に暑くて
布団を蹴飛ばしてしまい、明け方になると寒くなるのか親の布団にもぐり
こんできます。
そうすると、私のほうが寒くなってしまい・・・。

幸いまだ体調は崩していませんが、皆様もお気をつけて。今年もあと2ヶ月です。
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本を出しました

2012年11月02日 15時56分43秒 | 政策提言
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すみません、しばらく更新をサボっていました。

毎年10月は忙しく、今年も22営業日中16日はセミナーやらコンサルやらで
外出していましたが、ようやく一息つけそうです。

■サボっていた間に、お知らせすべきだったことの筆頭はヘキサメチレンの
通知です。

環境省のHPで出てからご紹介したかったのですが、9月11日付けの通知なのに、
待てど暮らせど出てきません。
仕方がないので、東京産業廃棄物協会に掲載されているPDFをリンクします。
他の自治体でも既にHPに掲載されています。

ヘキサメチレンテトラミンを含有する産業廃棄物の処理委託等に係る
 留意事項について

 環廃産発第120911001号 平成24年9月11日
 

うわさどおり、「WDSを利用することが適当」という書きぶりで、WDSを今後も
推奨していくのでしょう。無論、すべての産業廃棄物にWDSのような
重たい資料の添付を義務付けるのはナンセンスですので、一部の産業廃棄物
について限定してくるのだと思いますが。

■エコプロ、今年もやります

エコプロダクツ展に合わせて、今年もセミナーをやります。
廃棄物管理者検定もやりますので、ぜひご参加ください。

検定【応用】合格者などの上級者で、受験の意味がない方については、非公式
ですが会場外で名刺交換会でもやろうかと思っています(未定です)。

【エコプロ2012】廃棄物管理の法と実務セミナー
 ~廃棄物業界の5大トピックと廃棄物管理者検定~



■本を出しました

環境新聞に1年半連載してきた記事を、ブックレット形式で出しました。
廃棄物処理法のあるべき姿を考える


実務に直接役には立たないと思いますが、日ごろ廃棄物処理法に対する不満
を持っている方にとっては、「そうそう、それそれ、よく言ってくれた」という
内容にしたつもりです。

虎の巻と違い、高い本ではありませんので、是非!!

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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すっかり寒くなってきました。
今年もあと2ヶ月。皆さん、風邪を引かないように気をつけましょう。
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