議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

日本の第三世界

2009年01月30日 05時50分38秒 | ベーシックインカム
日本の「第三世界」という記事が京都新聞にあります。厳しい寒さによって野宿で凍死や餓死する人が多発、海外の難民キャンプと比較しても悪いほうの部類に入るんだそうです。これは一体何なんでしょう。

今回のような経済危機は過去に例がないためもあり、国としても対応できていないのだと思います。しかしだからと言って「国境なき医師団」が先進国である日本で活動しているなんてことがあっていいのでしょうか。

今回の件を教訓に、失業者、ホームレス対策ができるような社会を作っていかなければならないと思います。来年もこんな状態が継続しているのであれば、国際的に見てもとんでもない恥さらしです。
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混ぜれば資源??

2009年01月29日 05時41分14秒 | コンサル日誌
 先日のセミナーでは、リサイクルの実例紹介や、リサイクルを実現するためのコツについて取上げました。その中で目から鱗が落ちたと言われたのが「混ぜても資源になることがある」という話でした。

 「分ければ資源」と一般によく言われていますが、実はそう単純な話ではありません。本来は、「リサイクルしやすい状態にすること」が大切なのです。「そりゃ当たり前だよ」と思われるかもしれませんが、普段からこれを意識してリサイクルの検討をしいる方は少ないのではないでしょうか。
 もちろん、闇雲に混ぜるのではなく、リサイクルの受け入れ先としっかりコミュニケーションを取ったうえで、必要に応じて混ぜることになります。混ぜる目的としては以下の通りです。

目的1.ハンドリングを調整する(パサパサのものと含水率の高いものを混ぜるなど)
目的2.量をまとめて、安定供給する(小口で発生したものをまとめる)
目的3.忌避成分を薄める(塩素などが多いものと少ないものを混ぜる)
目的4.有効成分を増やす(有効成分の含有量が少なくて、そのままでは受入れてもらえないものに、有効成分の多いものを混ぜて、受入れてもらうなど)

こんな感じでしょうか。

 あえてこのように目的を分けましたが、すべては表裏一体で、結局のところ受け入れ側の要求どおり(もちろん交渉しますが)のスペックにする、ということです。アミタの姫路や茨城の製造所は正にこの考え方で中間処理業を行っています。もちろん、排出事業者が自社の複数の廃棄物を意図的に混ぜている例もあります。

ご参考ください。
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廃肉骨粉の運搬についての特例

2009年01月28日 05時13分37秒 | 通知等インデックス
===============
一般廃棄物収集運搬業の許可を要しない者に関する廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の特例を定める省令
(平成十三年十月二十二日環境省令第三十四号)
===============

 廃肉骨粉の収集運搬について許可不要とした省令です。廃棄物処理法施行規則第二条では、一般廃棄物の収集運搬業の許可が不要な者が列挙されていますが、それに加えての規定となります。
 具体的には、「化製場等に関する法律」で定める化製場の設置者又は管理者が委託したものであれば、廃肉骨粉の運搬ができるというものです。化製場とは、死亡した家畜の死体などを処理する施設の総称で、つまりはそこで肉骨粉を製造していたということです。
 で、それまではエサとして売れていた肉骨粉が、BSE問題で突然廃棄物になり、こうでもしないと運搬できる業者がいなかった、ということですね。ただ、8年間したらこの規定はなくなるそうです。
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東横イン初公判

2009年01月27日 05時47分16秒 | ニュースクリッピング
 ちょっと前のニュースですが、ホテルの地下に石膏ボードを捨てさせた、東横インの元社長の初公判が開かれました。創業社長が不法投棄で逮捕、社長他関連の役職を辞職するという事態に発展しています。
 この元社長は、もちろん実行犯ではありません。「現場に穴を掘って、そこに産廃を捨てては」という発言が元になって捕まっています。廃棄物処理法の罰則は誰に適用されるのか、という質問をよく受けますが、『つまりは誰の責任なのか』という点で判断されるのです。もちろん、判断するのは、裁判所です。

東横イン元社長、廃材不法投棄認める 松江地裁初公判

 ホテルの違法改造のときとは異なり、素直に罪を認めているようですね。
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中環審の論点整理が出ました

2009年01月26日 05時41分17秒 | ウィークリー・トピックス
 先週は長野市内へ行きました。このような仕事をしていると、北は北海道から南は沖縄まで出張することになりますが、長野市に行くのは今回が初めてでした。諏訪や富山へはよく行くのですが、これらと比べるとどちらかというと観光都市なのでしょう。
 そういえば、以前長野県内で無料のセミナーを開いたことがありましたが、今回は有料ということもあってか全く雰囲気が違いました。皆さんよく勉強されていますし、質問も活発でした。プログラムには入っていなかったのですが、急遽1時間近くも質問タイムにしてしまいました。

 先週のトピックといえば、中央環境審議会の廃棄物処理制度専門委員会が、「廃棄物処理政策における論点整理」を出しました。4ページ以降に今後取り組むべき論点がまとめられています。改正を検討しようとしているテーマが分かりますので、よろしければご参考ください。

 それと、「緑の経済と社会の変革」(日本版グリーン・ニュー・ディール)のアイデアの募集が始まりました。国が国民の意見に対してますます門戸を開いていこうという意志表明ですね。よい動きだと思います。
 が、「外国の動きを真似してます」といわんばかりのネーミングは、分かりやすいんですが、どうも情けないですね。後追いしてばっかりです。
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雇用問題の持続可能な解決策としてのベーシックインカム

2009年01月23日 05時54分31秒 | ベーシックインカム
■景気刺激で雇用確保
 世界的に景気を刺激して雇用を生み出そうという政策が取られています。中国はなんと8%成長を維持できなければ失業率があがるんだそうで、今年はその8%を目標にしています。

 さて、年率8%の成長をするということは、何年で2倍になると思いますか????

 答えは9年です。

■倍倍ゲーム
 話を分かりやすくするため、10年で2倍になるとしましょう。2007年の中国のGDPは3兆2,800億ドル、日本が4兆3,816億ドルですので、少々乱暴ですが日本と中国のGDPが同じだとしましょう。

 そうすると、今から10年後に中国のGDPは2倍、つまり地球上に日本が一個増えることになります。20年後には4倍で日本が3個増えます。30年後にはなんと8倍になります。温暖化の長期目標として40年後の2050年がよく取上げられますが、この年には16倍です。到底こんなことは不可能です。
 倍倍ゲームの恐ろしさはお分かりいただけたでしょう。経済や人口は増加率が一定でも、加速度的に増加していきます。

■雇用問題の持続可能な解決策としてのベーシックインカム
 さて、我々は「雇用を確保するために経済成長しなければならない」という世界に住んでいます。全く持って持続不可能だと思いませんか?物質消費を減らしながら経済成長できるようになればよいですが、それにも限界があるはずです。

 ベーシックインカムを導入すれば、雇用確保のために無理やり景気刺激する必要は減ると思います。低成長率でも雇用問題がない、ということです。しかも政府は雇用確保のために時間と労力を使う必要がなくなり、他の政策に注力できます。
 雇用問題の持続可能な解決策としてのベーシックインカム、どう思われますか?

 (もしかしたらベーシックインカムを導入するということは、定常的に景気刺激策を取っている事になり、常に経済成長し続けてしまう、ということになる可能性もあります。しかし、ベーシックインカムの特徴を総合的に考えれば、経済成長を抑える効果のほうが大きいように思えます。代わりにはやりのGNHが増えるとか・・・。)
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普通の産業廃棄物を排出する際の帳簿記載

2009年01月22日 05時46分23秒 | コンサル日誌
 かれこれ5年近くお付き合いのあるクライアントから電話で相談がありました。

【質問】
 「普通の産業廃棄物を出すときにも、帳簿をつけなくてはならないんですよね??」

 この方は、全社の廃棄物管理の取りまとめ役で、もう何回もセミナーを受けられていますし、廃棄物処理法全般についての知識も相当にある方だったのですが。。。皆さん、自信を持って正解をいえますか?


【正解】
 正解は、「普通の産業廃棄物を排出する際には、帳簿は不要」です。ただしマニフェスト交付等状況報告書を提出しなければならないので、結果的には大差ない(いや、かえって手間がかかる)のですが。なお、特管の場合は帳簿が必要です。

 社内ルールとして帳簿を付けることにしただけなのに、いつの間にか法律の要件であると思い込んでしまった、ということだったようです。現場の方が「法律で求められている」と勘違いして帳簿をつけていたとしても、何も問題になりませんが、監査・審査をされる方が「法的要求事項だ!!」と勘違いしたのでは、やらなくてもよいことを、やらせてしまうことになるのでちょっと困ります。

 少しでも疑問に思ったら、法律の条文か、解説書か、確実に正しい知識がある専門家に相談しましょう。
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制作裏話!!

2009年01月21日 05時34分08秒 | 余談コーナー
 先日もお伝えしましたが、廃棄物管理のセミナーをオンライン(インターネット経由)で動画配信することになりました。今日はそのときの裏話を少し。

■カメラ目線
 まず、「無機的なカメラに向かって話しかける」こと自体が難しいことなのですが、その上さらに、ほんの数秒沈黙したり、言いよどんだりしたらNG、「えー」や「それとですねぇ」なんてのも使えない、一呼吸入れるために水も飲めないなど、普段の自然な動きが取れません。原稿を読み上げるわけにはいきませんので、話す内容はほとんど頭の中からストリーミングで取り出さなければなりません。それなのになんと、「編集ができない!!」なんて、信じられます??

■ノーカット無修正版
 1つのセミナーを30分程度として、7~8分前後でチャプターを区切ったのですが、そのチャプター内ではノーカット、無修正です。コンテンツは2時間半もないのですが、取り直しを何度も行ったので、撮影には(準備も含めて)まる1日かかりました。もちろん、事前の練習も結構大変だったんですよ。

■事前の準備 ~Q&Aを豊富に~
 事前の準備といえば、カメラ目線と機器の扱いに慣れること、そして資料作成でした。基礎編、契約書編、マニフェスト編のそれぞれの重要ポイントをまとめなおし、さらによくある質問や問題点をQ&A形式にして各編の終わりに入れました。しかもそれぞれ最後にテスト問題を設けて受講者の得点が出るようにしました。知識をしっかり定着させるには、問題を解くのが一番ですからね。問題作りは大変でしたが。

■アシスタント
 アシスタントを務めた笹本さんです。協力ありがとう。

 廃棄物だけではなく牧場関連の仕事もやっている、マルチな才女です。イントロ部分とQ&Aを担当してもらいました。そういえば「Q&Aを読むことで改めて勉強になった」なんて言っていました(コラコラ)。それと、カメラの前ではまばたきが多いことが判明!!総監督の藤本さん(昔このブログで紹介したことがあります)から指摘されまくっていました。お試し動画がありますので、即チェックしてください。ちなみにこの動画は最後に撮ったものなのでかなり改善されています。

 そうそう、最も多いもので7回取り直しをしていました。長くても5分なんですけどねぇ。それも読み上げるだけ。。。それだけプレッシャーがあったということですね。かく言う私も、始まって5秒で「あ、ごめん」なんてのも結構ありましたが(^^ゞ

■最重要裏話
 そして最重要裏話です。なんと、各編で化粧も変えているんです!!いや~全国の笹本ファンが泣いて喜びますね。ご購入されたら、全編比較してみてください。(私は何も変わっていません。念のため。)

■各編の説明
「基礎編」
 基礎編は公開セミナーでも最も満足度が高いものです。初心者でも分かりやすく体系的に廃棄物管理を説明しているからでしょう。オンラインではこれのダイジェスト版を編成しました。もちろん、Q&A集が最後に付きます。

「契約書編」
 契約書編は契約書の法定記載事項の説明と一般的な記載例、そしてよくあるミスを紹介しています。現場で廃棄物管理をされる方だけでなく、本社の環境部や総務、法務部の方で契約書をチェックされる方にお勧めです。内部監査をされる方のお役にも立つでしょう。もちろん、Q&A付きです。

「マニフェスト編」
 マニフェスト編はマニフェストの法定記載事項、運用の流れ、チェックすべきポイントをまとめてます。マニフェストの交付担当者、管理者の方と、やはり内部監査をされる方は必見でしょう。倉庫や事務所の廃棄物担当で、年に数えるほどしかマニフェストを出さない方などもご受講いただければと思います。出張してまで研修をするのは難しいと思いますので、この価格帯であればリーズナブルでしょう。
 また、ISOの審査員の方がマニフェストで間違った指摘をされていることがあります。その意味でも、審査員の方と審査を受ける方の両方にお勧めです。

■プロデューサーより
 プロデューサーの中村君は、企画、業者さんとの交渉、資料のチェック、販売計画などの担当でした。彼曰く、「NGで何度も撮り直してよいものが撮れると、『おれがやったんだ、やり遂げさせたんだ!!』と、とても嬉しくなった」そうです。お疲れ様でした。幸せな性格ですね。
 このサービスのウリは「何度でも見ることができ、短時間で必要なところが押さえられるようになっている」ということです。


■最後に
 とはいえ、公開セミナーや個別企業研修にご参加いただいたほうが、演習もありますしその場での質問もできますので、効果は高いはずです。しかし遠隔地にいらっしゃる方については、出張費程度で実施できることを考えると、コストダウンにもなるかと思います。
 来期は環境教育予算の削減の要望があることも多いでしょう。是非ご検討ください。
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最終処分場の基準

2009年01月20日 05時58分49秒 | 通知等インデックス
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一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令
(昭和五十二年三月十四日総理府・厚生省令第一号)
===============

■ちょっと解説
 最終処分場の施設や管理方法についての基準です。廃止時の基準についても記載されています。附則のところで、既存のミニ処分場などについての基準も記載されていますが、読み込むのは相当大変です。
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グローバルコンパクト

2009年01月19日 05時25分09秒 | ウィークリー・トピックス
 今年から、アミタの代表としてグローバルコンパクト(GC)の会合に出席することになりました。え?グローバルコンパクトをご存じない?そうですねぇ、まだまだ知名度は低いですが、世界的には結構有名だそうです。

 GCとは、企業の社会的責任について国連がイニシアチブを取り、各企業に参加を呼びかけているものです(う~ん、説明が少し難しいですね)。CSRの国連版と言ってもいいかもしれません。
 GCでは以下の10原則(人権、労働基準、環境、腐敗防止の4つのカテゴリーに分けられています)を掲げています。これに賛同する企業は国連に登録し、この10原則に則って企業活動を進めていくことになります。国内の参加企業は76社ですので、もしかしたら皆さんの勤務先も参加しているかもしれません。参加企業の一覧はこちらから。

 ちなみに、アミタは国連とのつながりが比較的強く、そのためか国内でも早い段階で(4番目に)参加したということで、ちょっとだけ有名です。ただ、日本は経済規模、企業数からすると参加企業が少ないため、これからもっと増えることが望まれてます。お隣の韓国なんかは148社で日本の倍近いですからね。

 先週15日(木)の会合では、人権についてアムネスティから講師をお招きして勉強会とディスカッションをしました。いやぁ、なかなか勉強になります、というか勉強不足を実感しました。

以下10原則です。
************
人権   企業は、

 原則1:  国際的に宣言されている人権の保護を支持、尊重し、

 原則2:  自らが人権侵害に加担しないよう確保すべきである。

労働基準 企業は、

 原則3:  組合結成の自由と団体交渉の権利の実効的な承認を支持し、

 原則4:  あらゆる形態の強制労働の撤廃を支持し、

 原則5:  児童労働の実効的な廃止を支持し、

 原則6:  雇用と職業における差別の撤廃を支持すべきである。

環境   企業は、

 原則7:  環境上の課題に対する予防原則的アプローチを支持し、

 原則8:  環境に関するより大きな責任を率先して引き受け、

 原則9:  環境に優しい技術の開発と普及を奨励すべきである。

腐敗防止 企業は、

 原則10:  強要と贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗の防止に取り組むべきである。
************

 環境問題に携わる者として、GCの取組みについてはある程度知っておく必要があるでしょう。ご参考ください。
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