「クラバート」という児童文学をお読みになったことがあるでしょうか?
去年の10月6日の日経+1の特集「何度も読み返したいファンタジー」ランキングで3位になっていた、ドイツの伝承文学を題材にした名作。
先日引退を宣言した宮崎駿氏が「千と千尋の神隠し」を作る際に影響を受けた、と発言していた作品です。
クラバート
あの「大泥棒ホッツエンプロッツ」とか「小さな魔女」を書いたオトフリート・プロイスラーが1971年に書いた作品。
小さいころ読んだ
大どろぼうホッツェンプロッツ (新・世界の子どもの本―ドイツの新しい童話 (1))
「ホッツエンプロッツ」とか
小さい魔女 (新しい世界の童話シリーズ)
「小さな魔女」(こっちがお気に入りでした。この表紙、懐かしい!)
の著者がいまだに創作活動をしていたというのがちょっとした感激で、翻訳されてすぐに読みました。
(プロイスラー氏は今年の2月に89歳でお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りいたします)
さてこのお話、ドイツとポーランドとチェコの国境近くにあるスラブ系のソルブ人が住むラウジッツ地方に昔から伝わるクラバート伝承がもとになっています。
なので「どうして水車場に魔法を教えるところがあるのか?」
「なんでクラバートが呼び寄せられたのか?」
「なんでトンダやミヒャルの身に起こったようなことが起こるのか?」
などなど、湧き上がる疑問は
「それがこの地方の伝承だから」で納得しなくてはいけません。
ちょうど「竜の子太郎」のお母さんがどうしてお魚を食べたら竜になるのか?
太郎がどうしてお母さんの目をしゃぶって大きくなるのか?とかいう疑問は置いといて「竜の子太郎」を読むのと同じ感じですね。
寒くて暗くて貧しい中で人への信頼と愛を学びながら孤独な少年が成長していく姿に、謎が謎を呼ぶミステリーを絡めて、大人も最後まで楽しんでぐいぐいと読める作品です。
そういえば、民族色たっぷりの不思議な建物にいる大ボスにとらわれるように修行にはいり、先に修行している魔法使いに助けられながら仕事をして成長し、自分の愛する人を助け、助けられ脱出する・・・って、「千と千尋」そっくりですわね・・・
展開は早くて、クラバートはどうなるのか、最後までハラハラしちゃいます。
そしてラストは結構あっさりと終るのですが、それも「伝承に基づく文学」ならではの感じです。
さて、こないだ珍しくレンタルDVD屋さんにまいりました。
と申しますのは、やっと今頃ですが、「ホビット」のSEE版発売に備えてブルーレイ・プレイヤーを買いましてん。
Panasonic DIGA HDD搭載ハイビジョンブルーレイディスクレコーダー 3TB ブラック DMR-BZT830-K
(無精者なのでHDDが3TBあります
本当はコマーシャルカットしてくれる東芝のが欲しかったけど、東芝のブルーレイはとにかく評判が悪くて、結局いろいろ調べた結果、高評価のパナソニックのディーガにしました・・・
3TBあってもきっとHDD増設したりするんだろうな~~
HDDはUSBハブが使えないみたいなので、差し替えて増設しまくるんだろうな~~
ちなみに画像とか良くて、今まで持っていたDVDも格段に綺麗に見えるし、使い勝手はまあまあ満足しております。)
それで、なんかブルーレイ・ディスクを借りたろうと出かけたわけですが、店内をぶらぶらしてたらこれを見つけました。
クラバート 闇の魔法学校 [DVD]
んまー、映画になっていたとは知りませんでした。
よく見るとダニエル・ブリュールがいるじゃありませんか。それもトンダ役!!
(トンダは原作読んでいて一番好きだった人)
クラバート役のデヴィッド・クロスもどこかで見たなと思ったら「愛を読む人」や「戦火の馬」に出ていたお人。
なのでDVDなのに(ブルーレイを借りに来てたのに)借りてみることにしました。
ドイツでは観客動員数110万人と大ヒットした映画ですが、『日本では劇場未公開。新宿バルト9で開催された2008年ドイツ映画祭には『クラバート 謎の黒魔術』(クラバート なぞのくろまじゅつ)の邦題で10月31日と11月3日の2回限定公開された。』(ウィキより)だけだそうです。
頭の中だけで妄想状態だった、かの有名なホグワーツと大違いの、貧しくて寒くて暗~~い厳し~~い黒魔法の修業が画像になっていて、結構おどろおどろしくて、ちょっとうれしい。
(DVDには「闇の魔法学校」という副題がついてますが、これは間違って借りる人がいるように仕掛けられたわなで 「学校」とは全然違います。マイスター(親方)の元で仕事をする弟子たちが、仕事がはかどるように黒魔法を教えてもらいますけど、水車小屋を出られれば習ったことは忘れてしまうのですし。)
結構特殊撮影映像にもお金も手もかかっていて、見ごたえがあります。
(ナルニアなんかより手がかかっていた気がしたけど、・・・お金じゃなくて愛かな?)
原作を読んだ時のイメージではトンダはもうちょっと年取った人かなと思っていたけど、ダニエル・ブリュールはさほど違和感なくなじめました。
『ペコちゃん顔』と呼んでいたわたくしですが、哀愁を帯びた目つきはやっぱり凡人とはちがいます。
デヴィッド・クロスは見事に成長して見せてくれて、最後には主人公の気迫が漂います。
この後に大作に続けてキャスティングされたのもうなずける感じ。
クロスの演技の上手さもありますが、クラバートの恋心は原作より映画のほうがうまく描かれていると思いました。
jesterが好きなユーローもナイスキャスティングです。
最後も原作よりずっと盛り上げてあります。
嫌な奴だったリュシュコーに光を当ててくれたのが嬉しかった。
吹雪の中を歩く物乞いの少年たちの悲惨さ、魔法の学校の徒弟関係の過酷さ、理不尽さ、凍りついた水車の重々しさ、そして冬のドイツの凍りついた森・・・・
とにかく自然の風景が実写で見るとそれは綺麗で、原作を読んで面白かった方にはぜひ見ていただきたいです♪
久しぶりに原作本も読み返しましたが、やっぱり面白かった!
去年の10月6日の日経+1の特集「何度も読み返したいファンタジー」ランキングで3位になっていた、ドイツの伝承文学を題材にした名作。
先日引退を宣言した宮崎駿氏が「千と千尋の神隠し」を作る際に影響を受けた、と発言していた作品です。
クラバート
あの「大泥棒ホッツエンプロッツ」とか「小さな魔女」を書いたオトフリート・プロイスラーが1971年に書いた作品。
小さいころ読んだ
大どろぼうホッツェンプロッツ (新・世界の子どもの本―ドイツの新しい童話 (1))
「ホッツエンプロッツ」とか
小さい魔女 (新しい世界の童話シリーズ)
「小さな魔女」(こっちがお気に入りでした。この表紙、懐かしい!)
の著者がいまだに創作活動をしていたというのがちょっとした感激で、翻訳されてすぐに読みました。
(プロイスラー氏は今年の2月に89歳でお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りいたします)
さてこのお話、ドイツとポーランドとチェコの国境近くにあるスラブ系のソルブ人が住むラウジッツ地方に昔から伝わるクラバート伝承がもとになっています。
なので「どうして水車場に魔法を教えるところがあるのか?」
「なんでクラバートが呼び寄せられたのか?」
「なんでトンダやミヒャルの身に起こったようなことが起こるのか?」
などなど、湧き上がる疑問は
「それがこの地方の伝承だから」で納得しなくてはいけません。
ちょうど「竜の子太郎」のお母さんがどうしてお魚を食べたら竜になるのか?
太郎がどうしてお母さんの目をしゃぶって大きくなるのか?とかいう疑問は置いといて「竜の子太郎」を読むのと同じ感じですね。
寒くて暗くて貧しい中で人への信頼と愛を学びながら孤独な少年が成長していく姿に、謎が謎を呼ぶミステリーを絡めて、大人も最後まで楽しんでぐいぐいと読める作品です。
そういえば、民族色たっぷりの不思議な建物にいる大ボスにとらわれるように修行にはいり、先に修行している魔法使いに助けられながら仕事をして成長し、自分の愛する人を助け、助けられ脱出する・・・って、「千と千尋」そっくりですわね・・・
展開は早くて、クラバートはどうなるのか、最後までハラハラしちゃいます。
そしてラストは結構あっさりと終るのですが、それも「伝承に基づく文学」ならではの感じです。
さて、こないだ珍しくレンタルDVD屋さんにまいりました。
と申しますのは、やっと今頃ですが、「ホビット」のSEE版発売に備えてブルーレイ・プレイヤーを買いましてん。
Panasonic DIGA HDD搭載ハイビジョンブルーレイディスクレコーダー 3TB ブラック DMR-BZT830-K
(無精者なのでHDDが3TBあります
本当はコマーシャルカットしてくれる東芝のが欲しかったけど、東芝のブルーレイはとにかく評判が悪くて、結局いろいろ調べた結果、高評価のパナソニックのディーガにしました・・・
3TBあってもきっとHDD増設したりするんだろうな~~
HDDはUSBハブが使えないみたいなので、差し替えて増設しまくるんだろうな~~
ちなみに画像とか良くて、今まで持っていたDVDも格段に綺麗に見えるし、使い勝手はまあまあ満足しております。)
それで、なんかブルーレイ・ディスクを借りたろうと出かけたわけですが、店内をぶらぶらしてたらこれを見つけました。
クラバート 闇の魔法学校 [DVD]
んまー、映画になっていたとは知りませんでした。
よく見るとダニエル・ブリュールがいるじゃありませんか。それもトンダ役!!
(トンダは原作読んでいて一番好きだった人)
クラバート役のデヴィッド・クロスもどこかで見たなと思ったら「愛を読む人」や「戦火の馬」に出ていたお人。
なのでDVDなのに(ブルーレイを借りに来てたのに)借りてみることにしました。
ドイツでは観客動員数110万人と大ヒットした映画ですが、『日本では劇場未公開。新宿バルト9で開催された2008年ドイツ映画祭には『クラバート 謎の黒魔術』(クラバート なぞのくろまじゅつ)の邦題で10月31日と11月3日の2回限定公開された。』(ウィキより)だけだそうです。
頭の中だけで妄想状態だった、かの有名なホグワーツと大違いの、貧しくて寒くて暗~~い厳し~~い黒魔法の修業が画像になっていて、結構おどろおどろしくて、ちょっとうれしい。
(DVDには「闇の魔法学校」という副題がついてますが、これは間違って借りる人がいるように仕掛けられたわなで 「学校」とは全然違います。マイスター(親方)の元で仕事をする弟子たちが、仕事がはかどるように黒魔法を教えてもらいますけど、水車小屋を出られれば習ったことは忘れてしまうのですし。)
結構特殊撮影映像にもお金も手もかかっていて、見ごたえがあります。
(ナルニアなんかより手がかかっていた気がしたけど、・・・お金じゃなくて愛かな?)
原作を読んだ時のイメージではトンダはもうちょっと年取った人かなと思っていたけど、ダニエル・ブリュールはさほど違和感なくなじめました。
『ペコちゃん顔』と呼んでいたわたくしですが、哀愁を帯びた目つきはやっぱり凡人とはちがいます。
デヴィッド・クロスは見事に成長して見せてくれて、最後には主人公の気迫が漂います。
この後に大作に続けてキャスティングされたのもうなずける感じ。
クロスの演技の上手さもありますが、クラバートの恋心は原作より映画のほうがうまく描かれていると思いました。
jesterが好きなユーローもナイスキャスティングです。
最後も原作よりずっと盛り上げてあります。
嫌な奴だったリュシュコーに光を当ててくれたのが嬉しかった。
吹雪の中を歩く物乞いの少年たちの悲惨さ、魔法の学校の徒弟関係の過酷さ、理不尽さ、凍りついた水車の重々しさ、そして冬のドイツの凍りついた森・・・・
とにかく自然の風景が実写で見るとそれは綺麗で、原作を読んで面白かった方にはぜひ見ていただきたいです♪
久しぶりに原作本も読み返しましたが、やっぱり面白かった!