6月27日のEmilyさんのブログで火星での通信衛星について考察しています。
Planetary and Space Science の "Optimal longitudes determination for the station keeping of areostationary satellites."をみて気になったので著者のJuan Silvaさんから論文のコピーを入手したそうです。
Emilyさんは、火星での静止軌道については、考えたことが無かったとのことです。私も初めての話なので興味深いです。
結論は、火星の任意の経度で静止軌道を維持するのは、地球で行うより大変だということです。
地球での静止軌道は、地表面から35,786キロメーター(42,155キロメーターの軌道半径に対応する)です。
赤道上の平面に有る場合は、緯度と経度ともに固定されて静止しているように見えます。
火星の静止軌道高度は、地表面から13,634キロメーター(20,428キロメーターの軌道半径に対応する)です。
それで、地球や火星がまん丸(真球)で均質な物体であったら、この話はこれでお仕舞いとなります。
でも、地球や火星は、決してまん丸でも均質でもないので、お話が続くわけです。
地球では、1つの位置にとどまろうとする衛星に対する主な影響は月の存在と地球の極の平滑化です。
これらの影響が結合して衛星の軌道の平面を傾けます。
さらに、地球の非球状の形は、衛星を経度の中で移動させます。
漂流割合が無視できる安定した2ポイント(75.3E、104.7W:インドとメキシコの経度に対応する)および不安定な2ポイント(165.3E、14.7W:ソロモン諸島の経度およびアフリカの西の端に対応する。)があります。
しかし、これらのポイントにない衛星は、不安定なポイントから安定したポイントへ経度の中で時間をかけて移る傾向があります。
安定したポイントは、地球の重力の影響です。
意図した位置にとどまるために、静止衛星は、上記の力を打ち消すためには、スラスターを使用しなければなりません。
スラスターの使用は、衛星が積んでる制限のある資源(燃料)を使い果たすことを意味します。
したがって、ステーションキーピングは、静止宇宙船の寿命を制限する1つ要因です。
地球軌道の中で静止衛星を維持するためのデルタvは、毎秒約50メートルです。そのほとんどすべては、経度中の東あるいは西を漂流させる傾向ではなく緯度中の北および南を傾ける傾向を打ち消すことに使用されます。
衛星が経度漂流を打ち消すために必要とされる最大のデルタvは、毎秒約2メートルです。
よって、経度の選択は、静止衛星の寿命にとって主な影響ではありません。
ところが、火星は、地球と比較して球状では無いので、火星の場合は地球と異なる条件であることをSilvaさんRomeroさんは論文の中で示しています。
そして、火星の重力場は、地球が持つより理想的な平滑からはるかに大きな偏差を持っています。
地球と同様、2つの重力最低値の上に安定したポイントおよび2つの重力最高値に不安定なポイントがあります。
地球と異なり、火星では、安定したポイントと不安定なポイントの間の経度で衛星を静止させたければ、大きなコストが掛かります。
SilvaさんRomeroさんは、これらのスポットのうちの1つで静止宇宙船を置くのにデルタvが毎秒22メートル必要であることを推定しました。
さらに、地球で行うより火星に於いては、ステーションキーピングを非常に頻繁に行なわなければならないでしょう。
火星の静止軌道用の安定した経度は、地球とほぼ同じ経度に位置します。
火星での安定した経度は、17.92Wおよび167.83Eです。また、不安定な経度は、105.55W、および75.34Eです。
下図の経度との誤差がありますが、下図の数値は、十分に精査される前の数字です。
現在の火星ミッションに関して--それらの経度のうちの1つの衛星は、通信衛星として使えるのでしょうか。
現在、私たちは、Curiosityが137.4°E、そしてOpportunityが6.0°Wにいます。
Opportunityは、比較的安定した経度の1つ近くです;好奇心は、安定な経度と不安定な経度の中間で比較的不安定な位置です。
下図は、地球での静止衛星がカバーする範囲を示しています。
静止軌道(35,786キロメーターの高度の)上の宇宙船は、その位置から表面を81度以内を見ることができます。
しかし、コミュニケーションのためにより実際に有用な限界は、約75度(青い実線)です。
科学的目的に使用された気象衛星データは、ヨーロッパのミーティオサット宇宙船の場合には60度(レッドライン)までさらに抑制されます。
しかし、火星では、CuriosityとOpportunityが火星表面でほぼ反対側に置かれているということです。
そして、火星での静止衛星は、かなりコストが掛かることが予想されている訳です。
したがって、直近で火星の静止衛星を期待しないほうが良いということです。
火星のために提案されたのは、約5000キロメーターの中間の高度でのテレコミュニケーション・オービターです。
着陸船と地球間で、それは、ほどよい長さのコミュニケーションを与えるということです。
*しかし、(but canceled)と書かれていますので、結論はどうなったのでしょうか?
私の読み取りが間違っていますでしょうか?
どうも論文は、重要な部分で修正や訂正が有りますので かなり急いで提出されたものかも知れません。
それだけ、火星に関する研究の競争が激しいということでしょうか?
でも、こうした議論が出てくる背景には、有人火星探査が現実のものになりつつあるということがあるのでしょうね。
全くの素人ですが、面白かったです。Emilyさんありがとう!
実は、つい最近になって、昨年キュリオシティが97秒毎に6枚撮った連続写真の存在に気付きました。
ところが、その特徴的な写真の背景に写ってる、火星表面に対して584秒間も静止したままでいる、全く見慣れぬ並びの星座?が何とも不思議に思えたのです。
( これらの光点が全部ノイズに過ぎない・・・といういい加減な説明にも出合いましたが、およそ信じられません。 )
色々考えてる内に途轍もない説明に到りました。
件の6枚の写真の下の方にずっと一緒に写り込んでいる、火星の地表の一部が全く動いてないことから、この上空の星のようなモノのかなりは火星の表面に対して、約10分間も動いてないのは確かなので、つまりその間に2.5度は動いてる筈の火星の日周運動 ( つまり自転運動 ) に追随して一緒に回ってる、と結論するしか無いワケです。するとこれは本来背景に写ってる筈の本物の星ではなく、本物の星々よりもずっと明るいモノだということになり、結局それは、火星の赤道上空に広がる静止衛星ネットワークであるとしか考えられない・・・という結論になってしまうのです。
仕方がないので、私は、上の説明を小論にまとめ、このURL 欄に記入したページにして公開しました。
タイトルは 「 キュリオシティの UFO 画像 6 枚は火星上空に壮大な静止衛星網存在の “ 動かぬ ” 証拠である 」 です。
( 上のURL欄に入れると投稿出来ませんので、以下のタイトルで検索して下さい。 )
もしも、ご意見・ご感想などいただけると幸いです。
なお、当方のメールアドレスは上のページ内にありますので宜しくお願いします。
ところで、上の方にある、火星の静止軌道高が「火星の地表面から13,634キロメーター(20,428キロメーターの軌道半径に対応する)」というのが良く分かりません。
火星の半径は3400kmぐらいですから、地表からだと17000kmぐらいではないでしょうか?
多分、火星の直径をそのまま静止軌道半径から引き算されてしまったのではないでしょうか。
Curiosityの画像は、何時のものでしょうか?見て確認したいと思います。静止衛星だったら凄いと思います。ただ、静止衛星は、地上から見ると動くものなのですか?
また、火星の静止軌道高は、いろいろ確認したところ17,000kmくらいが正しいと思います。Emillyさんのブログをそのまま掲載しており、私の検証不足でした。
うつぎれいさんは、かなり勉強されていますね。引きすぎではないかといわれているので、最初から答えをご存知だったのですね。(私は、足し間違えか?引き間違えか?分かりませんでした。)サイトを少し見させていただきました。凄い知識力と思います。私は、統計に興味があるので、「確率を適用して・・・」は、興味深かったです。今後ともよろしくお願いいたします。
私のサイトに記したとおり、一般的には2014年4月28日 ( 一説に同4月14日 ) の撮影画像と言われてます。
この写真についてのNASAのコメントは特に何の説明もついてないとの事です。
、「確率を適用して・・・」は、本来、統計や確率を応用する際の真本中の基本である筈なのですが、マスコミや政治家、霞ヶ関の答弁、医療上の治癒予測、経済の見通し、そして物理学の量子力学や経済学などなど、至る所でその基本を無視して蔑ろにしたウソがつかれています。本当に呆れたものなのですが、本来ならソレを断じて正すべき立場に在る筈の統計数理研究所や統計学者の全体が、それを看過放置しています。
私もが書かないと彼らと同じ怠慢の罪に問われかねないので、書いて直ぐにアップしたのですが、今までにあのページを少しでも評価してくれるコメントを頂いたのは初めてです。
どうもありがとう。
でもこのコメント欄、上のURL欄にURLを記入すると、「不正なURLが記載されてるため、投稿を受付られません」 というのは幾ら何でも無茶苦茶ですよねえ。
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/multimedia/raw/?s=#/?slide=613
それで、ご指摘の画像ですが、「SUBFRAME Data Product」のものですね。2014-04-28 04:48:22 UTC
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/multimedia/raw/?rawid=NRB_451931860EDR_S0311330NCAM00554M_&s=613
私は、カメラ等に詳しくなくこれがなにを意味するか、分かりませんので、詳しい人に聞いてみます。
もし、ご存知でしたら教えてください。
ただ、現時点で言えることは、「FULL Data Product」との画質の差が歴然とあることです。
どちらもNAV_RIGHT_Bで撮影されたものです。2014-04-28 04:47:55 UTC
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/multimedia/raw/?rawid=NRB_451931834EDR_F0311330NCAM00554M_&s=613
この辺りをどう解釈するかでしょうね。
NASAの公式発表の記事などをご存知でしたら教えてください。
以上について、ご意見があれば、お願いいたします。
本当にメインカメラでは撮れてないならまあ、このモノクローム画質での記録が唯一ということなのでしょうが、画質が低いから云々でNASAの公式見解寄りに判断が変わったり、写真自体の信用性が全然無くなる・・・というようなことでは、最初から無いと思いますよ。
( この辺りの言い回しを読むと、公式見解とはまるで違う異端の見方にたじろいで、思わず何とかちょっとでも逃げを打っておきたい・・・という正統的解説派の人の焦りが見えてしまうように思えますが。 )
尚、この間ここでコメントして以後にまた発見した事も全部含めて推測するなら、このシーンやその辺りの地表全体のとりわけ「夜景」を、NASAが「FULL Data Product」では全然記録出来ていない等ということは、もはや全く考えられないものとなってしまいました。
何故なら、もしもこの場所の夜の光景をNASAが鮮明なカラー画像で撮ってさえいれば、そこに異星人の火星基地?が歴然と拡がっているのは間違いないからです。
そして、そのような途轍もない光景こそが、NASAがキュリオシティをこの場所に37日間も留めて、ずっとウロウロさせていた事の真の理由だろうとは思いますが、例によってNASAは、殆どの重要写真を結局は全部隠してしまうので、他にどれ程驚異的なモノが写ってるのかは全く不明なワケです。
このコメントの表題に付けた新発見についての詳細な証明は、前回と同じページの後半に大幅に加筆追記しましたので、是非最後までちゃんと読んでみて欲しいです。
尚、こちらのサイト主さんのおかげで、撮影されたのが613日目だという事が分かりました。私の計算では611日目か612日目に当たる筈と思っていたのですが、実はその翌日だったというワケですね。
是非、今回の新しい発見についての感想をお聞きしたいです。
理由は、うつぎさんにSUBFRAMEについて解明しようという姿勢が見られないということと「異星人の火星基地」を持ち出されたことです。
うつぎさんと私との基本的立場が違っていることは、初めからわかっていることです。
ただ、私は、うつぎさんをよく勉強されていて、それなりの発言をされている方だと思ったのと、この画像に興味があったので、会話を始めました。
私は、「異性人の火星基地」等の話は、面白いとは思いますが基本的に興味が持てません。
その手の話は、たくさんあるので話せば尽きることがないと思います。
でも、私は、NASAやESAその他の宇宙機関が発表する火星に関する情報に興味を持って、できる限り理解したいと思っています。
しかし、情報がありすぎるのと私の能力の問題もあり、十分やり切れていないのです。
私の夢は、何時の日か人類が火星に降り立つのを見ることです。
そのために、自分の出来ることをしたいと思っています。微力ですが・・・
最後に、もともとの「火星の静止衛星かもしれないもの」に戻りたいと思います。
改めて、下記のSUBFRAMEとFULLの画像を見比べたのですが、うつぎさんが指摘する静止衛星なるものがFULLにもしっかり写っていました。
「SUBFRAME Data Product」2014-04-28 04:48:22 UTC
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/multimedia/raw/?rawid=NRB_451931860EDR_S0311330NCAM00554M_&s=613
「FULL Data Product」2014-04-28 04:47:55 UTC
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/multimedia/raw/?rawid=NRB_451931834EDR_F0311330NCAM00554M_&s=613
まず、SUBFRAMEの画像で静止衛星といわれる円が連なった感じの光点の下に特徴的な2つの岩があります。
そして、FULLでその岩を探したところ、左側の下にありました。
そして、その上空を見ると1mm程度の丸い光点があります。
2つの岩の距離とそこからその光点までの距離の比率がFULLとSUBFRAMEでほぼ一致しましたので、同一の光点ではないかと思います。
この光点は、他の星に比べてかなり大きいです。
私には、17,000km上空にある静止衛星とは思えません。大きすぎると思います。
撮影順序は、下記の通りです。FULLが先でした。
また、これらの画像は、地球からリアルに見ながら撮影されたものではなく、事前にコマンドで指令されて撮影されています。
「FULL Data Product」2014-04-28 04:47:55 UTC
「SUBFRAME Data Product」2014-04-28 04:48:22 UTC
さらに、同じ時間帯に撮影されたMastCamの「SUBFRAME Data Product」にもしっかり写っていました。
下記の画像をご確認ください。
Mastcam: Left 2014-04-28 04:46:47 UTC
Mastcam: Left 2014-04-28 04:47:00 UTC
Mastcam: Left 2014-04-28 04:47:12 UTC
Mastcam: Left 2014-04-28 04:47:24 UTC
Sol613のCuriosityがいる場所での日没は、現地時間で17:28です。
現地時間でSol614になる24時(0時)が2014-04-28 10:56UTCで、撮影は04:47UTC前後ですので、現地時間では18時50分頃になります。
日没後、約1時間20分、ほぼ暗くなっている頃ですね。
Sol613でCuriosityがなにをしているかというと、Mt.Remarkableの裾野のWindjanaでサンプル採取しようとしているところです。
Sol615にミニドリルを実施していますのでCuriosityは、Mt.Remarkableを向いていたと思います。
ですから、この写真の山すそは、Mt.Remarkableのものと推察されます。
下記の2点を参照してください。
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/multimedia/images/?ImageID=6278
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/images/Curiosity_s_Location_Sol630-full.jpg
また、SUBFRAMEについてある方から教えていただきました。
http://www.weblio.jp/content/%E3%82%B5%E3%83%96%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%A0
データ量を落とした画像のようです。1/100のサイズのようです。
ただ、これでも十分に分かったわけではないです。
SUBFRAME画像の撮影条件がハッキリしたわけではないので、もう少し勉強します。
以上が、Sol613の画像について現時点で私が理解したことです。
今すぐに結論はでませんが、ダイモスではないかと考えています。今後、その裏づけを調べてみたいと思っています。
火星の衛星: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E6%98%9F%E3%81%AE%E8%A1%9B%E6%98%9F
CuriosityがMt.Remarkableの裾野に向いていると考えると、北西方向を見ていることになり、ダイモスが西に沈むのと合致します。
以上