火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

三つの世界

2014-03-13 18:40:14 | Weblog

Emillyさんが3月12日のブログで素敵な写真を紹介していました。
下図を見てください。
火星とベスタとケレスが一緒に写っています。(Mars、 Vesta、Ceres)
3月11日に Stuart Atkinsonさんによって撮影されたものです。
今年は、4月14日が火星最接近となりますが、こんな出会いもあるのかと、いつまでも見ていたい気持ちです。 

 

その時の位置関係は、下図の通りです。
下図には、Dawnも示されていますが、画像として捉えることはできていませんね。 

Dawnは、下記のとおりWikipedia情報によりますとベスタの探査を終了して2015年2月にケレスに到着予定です。 
* ドーン・ミッションの目的は、太陽系初期の状態を残していると考えられる、2つの大きな原始的天体を調べることで、太陽系誕生の謎に迫ることである。ケレスとベスタは太陽系の別々の場所で誕生したと考えられており、それによる対照的な違いがいくつも見られる。ケレスはその形成段階において地下水による「冷たく湿った」状態を経験しているとされている。一方ベスタはマントルや核といった内部構造を持ち、また表面にある火山活動の形跡などから「熱く乾いた」状態を経験していると考えられている。

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良い競争を!宇宙開発のワールドカップを目指そう!

2013-10-24 12:14:47 | Weblog

EmillyさんのISROのMars Orbiter Missionに関するブログの中でインドと中国の競争をアメリカとロシアの競争になぞらえたBBCのニュースを「大変優れた記事」と紹介してます。
事務局も大変共感したので紹介します。 

<BBCニュースの趣旨>
・ ISROのMars Orbiter Missionの主な目的は、新興の宇宙開発国であるインドが惑星間ミッションをやることが出来るかどうか確かめるためにインドの宇宙技術を実地に試みることです。

・このミッションが成功した場合、ISROは、既に火星に探査機を送った米国、欧州、ロシアに次いで第四の宇宙機関となります。

・Pallava Bagla氏によるとインドの国民は、特に赤い惑星へ中国に先駆けて到達する可能性について興奮しているとのことです。
「インドが火星に行くことで中国を打ち破った場合、国家の誇りを想像することができます。」と彼はBBCニュースに語りました。
*Pallava Bagla(science editor of New Delhi television news and author of a book about India's space efforts, Destination Moon)

・このミッションは、インドのManmohan Singh首相が昨年の8月に行った独立記念日の演説の中で公表されました。
演説の場所は、ニューデリーの最も象徴的な建物の一つの城壁(the Red Fort)でした。
the Red Fortは、世界遺産のようです。 

・Bagla氏によると、「the Red Fortの城壁から言われた言葉は、常に国家の誇りに満ちたものである。そして、国家の誇りは、このミッションに非常に大きくそして大胆に書かれている。」とのこと。

2011年、火星にYinghou-1という名前の宇宙船を送ろうという中国の試みが技術的な問題のため失敗しました。
その後、インドの宇宙機関は、火星ミッションをわずか15ヶ月で準備しました。

・インドは30年以上の間、宇宙計画を継続してきました。
最近まで、その優先順位は、人工衛星との通信インフラや環境モニタリングを改善することで直接、貧困層を助けるであろう技術を開発することでした。

しかし、2008年には、ISROは、衛星を建造し打上げるための恐ろしくたくさんの能力の重点を探査の方へと変更しました。
そして、月にChandrayaan-1という宇宙船を送りました

月面ミッションは、55百万ドル以上を要しました。
今、政府は、火星へ行くために、さらに60百万ドルを費やしてきました。

・貧困問題の観点から、宇宙開発へ多くの予算を使う前に貧困の解決が先だと言う意見があります。
それに対して、Bagla氏は、この60百万ドルを直接的に貧困層に使っても4億人の貧者を貧困から抜け出させることは出来ません。と言っています。
Prof Andrew Coatesさんによりますと、それ以上に、この探査計画は、大きなものをもたらすと以下の通り言ってます。

「宇宙開発のためのインドの能力を示すことで、打上や宇宙船の市場にインドが参入することが可能となり、大きな産業を作り出すことが出来ます。」
* Prof Andrew Coates(who rejoices in the impressive title of "Head of the Solar System" at the Mullard Space Sciences Laboratory in Surrey, part of University College London.)

・また、Sandeep Chachraさんは、BBCに「重要なことは、良い大きいことのために科学技術がもたらす進歩を活用し、染み付いた貧困を克服し、将来の世代への希望を構築するために、それらの進歩を利用することです。」と話しました。
* Sandeep Chachra(executive director of the poverty eradication charity Action Aid in India)

・しかしながら、中国は宇宙開発で大きな力を持っています。月へ人を送る計画を進めているところです。

・JAXAもアジアで重要な力を持っています。アジアの宇宙機関としては、はるかに最も経験豊富で、多数の無人科学惑星間ミッションを行っています。

・Prof Andrew Coatesさんは、「インド、中国、日本は、確かにお互いに他を上まわることを狙っています。」と言ってます。

・この成長する競争関係は、最終的には、アジアの新興宇宙開発国家間のより協調的なミッションにつながるような -宇宙探査の新たなブームを見ることになる可能性があります。
そして、最終的には、火星に宇宙飛行士を送るための真にグローバルな取り組みにつながるかもしれません。
                                                                   以上 

全く同感ですね~国際協調なくして火星の地は踏めないと思います。
ただし、お互いを鼓舞するような協調的ではありながら、厳しい競争が必要なのでしょうね。
宇宙開発のワールドカップを夢見てます。

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いよいよ一生に一度のご挨拶

2013-10-10 00:01:25 | Weblog

9月29日に火星周回機MRO(Mars Reconnaissance Orbiter)搭載のHiRISEが火星に接近中のISON彗星を捉えました。
*この時の火星との距離は、約1,280万km(800万マイル) 

次の観測は、10月1日と2日に行われたようです。(まだ、発表されていませんね)
*この時の火星との距離は、約1,120km(700万マイル)
現在のISONの位置は、火星の近くなので太陽から約2.41億kmです。 

ISONは、11月29日4時9分(日本時間)に近日点を通過します。
この前後にISONは、最高に明るくなり、マイナス等級に達すると予想されています。
*この時の太陽との距離は、116万km以内
12月27日頃地球に最も接近します。 

現在は、日の出前の東の低空に火星と一緒に見ることが出来るようです。
11月後半には、明るさが増して双眼鏡で見つけることが出来、運がよければ肉眼で見れる可能性もあるそうです。
逆に、地球接近の頃は、近日点の頃のほど明るさは期待できないとのことです。
*以上、国立天文台の記事からの引用です。 http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2013/ison.html

また、速報性では、AstroArts「アイソン彗星」特設サイトも充実しています。

ISONは、回帰しない彗星なので、観測は、今回が一度きりのチャンスです。
12月末から1月末までは、周極星となって一晩中北の空で見ることが出来るそうですので、寒くなりますが、頑張って観測したいものです。

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火星での通信衛星はどこを飛行するのか?

2013-07-06 22:55:40 | Weblog

6月27日のEmilyさんのブログで火星での通信衛星について考察しています。
Planetary and Space Science の "Optimal longitudes determination for the station keeping of areostationary satellites."をみて気になったので著者のJuan Silvaさんから論文のコピーを入手したそうです。
Emilyさんは、火星での静止軌道については、考えたことが無かったとのことです。私も初めての話なので興味深いです。
結論は、火星の任意の経度で静止軌道を維持するのは、地球で行うより大変だということです。

地球での静止軌道は、地表面から35,786キロメーター(42,155キロメーターの軌道半径に対応する)です。
赤道上の平面に有る場合は、緯度と経度ともに固定されて静止しているように見えます。 
火星の静止軌道高度は、地表面から13,634キロメーター(20,428キロメーターの軌道半径に対応する)です。

 

それで、地球や火星がまん丸(真球)で均質な物体であったら、この話はこれでお仕舞いとなります。
でも、地球や火星は、決してまん丸でも均質でもないので、お話が続くわけです。 

地球では、1つの位置にとどまろうとする衛星に対する主な影響は月の存在と地球の極の平滑化です。
これらの影響が結合して衛星の軌道の平面を傾けます。
さらに、地球の非球状の形は、衛星を経度の中で移動させます。
漂流割合が無視できる安定した2ポイント(75.3E、104.7W:インドとメキシコの経度に対応する)および不安定な2ポイント(165.3E、14.7W:ソロモン諸島の経度およびアフリカの西の端に対応する。)があります。
しかし、これらのポイントにない衛星は、不安定なポイントから安定したポイントへ経度の中で時間をかけて移る傾向があります。
安定したポイントは、地球の重力の影響です。

意図した位置にとどまるために、静止衛星は、上記の力を打ち消すためには、スラスターを使用しなければなりません。
スラスターの使用は、衛星が積んでる制限のある資源(燃料)を使い果たすことを意味します。
したがって、ステーションキーピングは、静止宇宙船の寿命を制限する1つ要因です。
地球軌道の中で静止衛星を維持するためのデルタvは、毎秒約50メートルです。そのほとんどすべては、経度中の東あるいは西を漂流させる傾向ではなく緯度中の北および南を傾ける傾向を打ち消すことに使用されます。
衛星が経度漂流を打ち消すために必要とされる最大のデルタvは、毎秒約2メートルです。
よって、経度の選択は、静止衛星の寿命にとって主な影響ではありません。

ところが、火星は、地球と比較して球状では無いので、火星の場合は地球と異なる条件であることをSilvaさんRomeroさんは論文の中で示しています。
そして、火星の重力場は、地球が持つより理想的な平滑からはるかに大きな偏差を持っています。
地球と同様、2つの重力最低値の上に安定したポイントおよび2つの重力最高値に不安定なポイントがあります。 

地球と異なり、火星では、安定したポイントと不安定なポイントの間の経度で衛星を静止させたければ、大きなコストが掛かります。
SilvaさんRomeroさんは、これらのスポットのうちの1つで静止宇宙船を置くのにデルタvが毎秒22メートル必要であることを推定しました。
さらに、地球で行うより火星に於いては、ステーションキーピングを非常に頻繁に行なわなければならないでしょう。

火星の静止軌道用の安定した経度は、地球とほぼ同じ経度に位置します。
火星での安定した経度は、17.92Wおよび167.83Eです。また、不安定な経度は、105.55W、および75.34Eです。
下図の経度との誤差がありますが、下図の数値は、十分に精査される前の数字です。 

現在の火星ミッションに関して--それらの経度のうちの1つの衛星は、通信衛星として使えるのでしょうか。
現在、私たちは、Curiosityが137.4°E、そしてOpportunityが6.0°Wにいます。
Opportunityは、比較的安定した経度の1つ近くです;好奇心は、安定な経度と不安定な経度の中間で比較的不安定な位置です。

下図は、地球での静止衛星がカバーする範囲を示しています。
静止軌道(35,786キロメーターの高度の)上の宇宙船は、その位置から表面を81度以内を見ることができます。
しかし、コミュニケーションのためにより実際に有用な限界は、約75度(青い実線)です。
科学的目的に使用された気象衛星データは、ヨーロッパのミーティオサット宇宙船の場合には60度(レッドライン)までさらに抑制されます。

しかし、火星では、CuriosityとOpportunityが火星表面でほぼ反対側に置かれているということです。
そして、火星での静止衛星は、かなりコストが掛かることが予想されている訳です。
したがって、直近で火星の静止衛星を期待しないほうが良いということです。
火星のために提案されたのは、約5000キロメーターの中間の高度でのテレコミュニケーション・オービターです。
着陸船と地球間で、それは、ほどよい長さのコミュニケーションを与えるということです。
*しかし、(but canceled)と書かれていますので、結論はどうなったのでしょうか?
私の読み取りが間違っていますでしょうか? 

どうも論文は、重要な部分で修正や訂正が有りますので かなり急いで提出されたものかも知れません。
それだけ、火星に関する研究の競争が激しいということでしょうか? 
でも、こうした議論が出てくる背景には、有人火星探査が現実のものになりつつあるということがあるのでしょうね。
全くの素人ですが、面白かったです。Emilyさんありがとう!

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地球外ドライブ合わせて 182km!

2013-05-18 11:12:44 | Weblog

月と火星地表面での各探査ローバーの走行距離ランキングが表になって発表されました。
2013年5月15日時点でのデーターに基づいてます。分かりやすいですね。
OpportunityとCuriosityは現在も稼働中ですので、1年以内にOpportunityの記録更新が期待できますね。
それにしても改めてLunokhod2は、凄い記録を持っていたんですね。地上から5人がかりでの操縦でしたが。
 

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情報を公開して、人の意見も聞こう

2013-04-20 22:12:14 | Weblog

旧聞ですが、4月11日にマルス3号と思しき物体をMROのHiRISEが撮影した画像がNASAから発表されました。
マルス3号は、1971年12月2日、人類史上初めて火星地表面への軟着陸に成功しました

この件に関しては、スペースサイトさんが詳しいのでこちらを見てください。
米ソが凌ぎを削っていた火星探査の当時の様子が詳しく載っていますし、後半の[追加情報 04.12.2013]には今回の情報が詳しく紹介されています。

個人的には、この件をきっかけに火星探査の歴史を振り返ることとなり、大変興味深かったです。
特に今回のMROによる発見に至る経緯は、人々の熱意が、あることを成し遂げる原動力になることを教えてくれて大変励まされました。
2007年11月にMROのHiRISEが着陸地点と予想される南緯45°、東経202°のPtolemaeusクレーター内を撮影したデータがNASAから公表されていました。
その画像をもとに、ロシアの火星ファン達が5年に亘って解析して、2012年12月に今回の発見にこぎ着けたとのこと。
更にそのことをMROの担当者に連絡して、2013年3月に再度HiRISEによる撮影が行われて今回の画像が得られたと言うことです。
まさに米ロの共同作業であり、官民を越えた連携でもあり、真実の探求に国境はない、ということが証明されたことにもなりますね。
NASAが情報の公開や受入れに前向きに取り組んでいることも評価できます。

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火星通過は2014年10月19日

2013-03-06 13:40:40 | Weblog

惑星協会のEmily Lakdawallaさんのブログで2月27日3月5日(CST)に亘って彗星C/2013 A1(Siding Spring)について詳報されています。

「C/2013 A1」は、黄道の南から上昇してきて火星の進行方向と反対方向へ通り過ぎると予想されています。
最接近距離は、約41,000kmとなる予想です。
この数字は、お互いの中心距離からの数字ですので、火星表面からとしますと38,000km以内に接近することとなります。
下図は、EmilyさんがJPLのデーターを基に作成したものだそうです。

火星には、現在静止衛星はありませんが、静止衛星軌道は、20,000km以内となります。
2月16日に地球近傍を通過した小惑星「2012 DA14」は、27,700kmと地球の静止衛星軌道の内側を通過したのですから、「C/2013 A1」が火星に及ぼす影響は、少ないと考えられます。
しかしながら、「C/2013 A1」は彗星であり、太陽に近づくために生成するコマが約100,000kmの長さとなる見込みです。
そのコマは、火星から遠ざかる方向に棚引くようですので、これは安心材料ですが、彗星本体から噴出した粒子が火星探査機へ影響を及ぼす可能性があるか無いかが懸念として残っているとのことです。

粒子の大きさは、ミリメートル以下から数センチメートルの範囲で密度も低いので火星周回機に影響が出ることは、少ないということです。
しかしながら、彗星と火星との相対速度は、秒速56kmとなるとのことです。大変だ!
火星で発見されている最小のクレーターは、10cmです。
ある研究によれば、表面へ到達することができる最も小さな物体は、直径約5ミリメートルということです。

地上の探査機への影響があるのではないかとEmilyさんは、懸念して天文学者のMike Kelleyさんに問い合わせたそうです。
結果は、現時点では、何も劇的なことは起こらないだろうというものでしたが、来年10月19日に近くなったら再度計算しなおしたいとも言っています。

Emilyさんは、火星探査機による彗星「C/2013 A1」の撮影が行われることを確信していると言ってます。
Curiosityたちがやってくれると信じてます。
どんな画像でしょうか?楽しみですね。
火星からの天体観測の始まりかも知れませんね!

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火星環境で生存可能

2012-04-30 18:02:58 | Weblog
4月30日のMarsDailyによりますとDLRの研究者が火星環境を再現した環境下で地球上で存在する微生物や地衣類が約1ケ月生存できることを確かめたそうです。
DLR=(Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt:ドイツ航空宇宙センター)

火星環境を再現したチャンバーの条件
・大気組成:炭酸ガス 95%、窒素 4%、微量な酸素やアルゴン
・大気圧:6ミリバール
・温度:マイナス50℃~プラス23℃
・放射線:紫外線から赤外線までに及ぶ特別の放射線源は、火星地表上の日射を再現
・土と岩:火星環境を再現

実験に使用した生物
・スイスの標高3,500メートルまでの高所に生存している生物
・南極のシアノバクテリアと地衣類

実験期間
・34日

結果
・微生物と地衣類は、測定可能な活動をし、光合成を続けて火星環境での生存の可能性を実証しました。

課題
・34日間の生存は、確認されたが数世紀に亘って生存できるかは、実証されていない。

実験の様子ですね


この研究の実施者は、Jean-Pierre de Veraさんです。
Jean-Pierre de Veraさんは、ベルリンのthe DLR Institute of Planetary Researchの科学者でthe Mars simulation projectの責任者です。

この研究は、ヘルムホルツ連合「惑星の発展および生命」内の国際的なプロジェクトとして実施されました。
火星環境での生命の存在の可能性は、火星探査での汚染を防ぐ為、慎重な対応がより必要とされることとなります。

しかしながら、事務局としましては、その危険を乗り越えて人類が火星の地を踏むことの有益性があると思います。
楽しみな成果だと思います。
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WANTED!生死を問わず!塩漬けでも

2012-02-19 23:36:30 | Weblog


2月16日のMarsTodayによりますとスペイン-チリの研究者のチームがアタカマ砂漠で地表下2メートルに微生物が活動していることを発見したとのことです。
見つかったのは、バクテリアおよび古細菌です。
チームの構成は、スペインのthe Center of Astrobiology (Spain) と チリのthe Catholic Universityの研究者です。

論文は、下記の通りです。
Parro et al. "A microbial oasis in the hypersaline Atacama subsurface discovered by a life detector chip: implications for the search for life on Mars".
Astrobiology 11(10): 969-96, December 2011. Doi: 10.1089/ast.2011.0654.

微生物を探すためにSOLID(Signs of Life Detector)という装置を開発したそうです。
SOLIDは、450以上の抗体からなるLDChipというバイオチップを使用しています。

微生物が岩塩(岩塩)や非常に吸湿性の合成物(無水石膏と過塩素酸塩)に富んだところで見つかったので、研究者たちは、その場所を「microbial oasis:微生物のオアシス」と呼んでいるとのことです。

高潮解性の物質であるがために水を引き寄せて数ミクロンの厚さの水の層が出来、それを利用して微生物が生息していると。
水と食べ物があれば、同様に繁殖する微生物はありますが、アタカマで発見された微生物の生息地(地下2-3メートル)は他とは異なった特徴がありました。
それは、酸素または太陽の光がない条件で見つかったことです。

火星でもアタカマ砂漠と同じような塩類の堆積した場所が多く見つかっています。
SOLIDは、火星で微生物を探す目的で開発されています。
また、塩濃度が高く水分の少ない環境は、微生物等が生存していなくてもその痕跡を保存するのに適した環境だとも言ってます。

微生物の塩漬けが見つかるかもです。
また一歩、地球外生命に近づきましたね。
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淡水炭酸塩岩を探そう!

2011-10-02 17:41:16 | Weblog
2010年6月30日の当ブログで紹介したPavilion湖(カナダのBritish Columbiaにある)で行われているPavilion Lake Research Project (PLRP)teamが我々の参加を呼びかけています。



詳しくは、9月24日のMarsTodayで紹介されています。
PLRPは、Pavilion湖に多く見られる淡水炭酸塩岩(microbialite)構成の起源を調査研究することを目的としています。
MAPPERに登録して、PLRP Team が集めた多量の画像をチェックすることでNASAの研究者の手助けが出来るとのことです。

<PLRP Teamの呼びかけ>
「MAPPERで遠隔科学チームに参加して、Pavilion and Kelly Lakeを探査しよう!写真にTAGを付けて、ポイントを稼ごう!みんなに自慢する権利が得られるよ!」

事務局もやってみましたが、同じような写真も多いので少し退屈な感じもしますが、microbialiteを見つけると結構楽しいです。
MAPPERには、Identification Lab、Algae Lab、Microbialite Labの3つのステージがあります。
Identification Labは、簡単です。
Algae Labは、少し馴れないと駄目ですね。
Microbialite Labは、事務局のPCのブラウザーを Apple Safari、Google Chromeか Mozilla Firefoxなどにアップグレードしなくては駄目らしいので、とりあえず最初の2つをやっていこうと思ってます。

現時点でのLeaderboardによる上位者は、以下の通りです。
(事務局は、650 ptsで152位です。)
1.40,075 pts  Kay Jay:
2.28,370 pts  Mister Mushu:
3.11,625 pts  Andrew Lewis:
4.11,400 pts  Jim Steven:
5.10,910 pts  Malden Barisic:

皆さん参加してみてください。
実際の探査の体験が出来ます。退屈な作業の繰り返しの中に新しい発見が隠れているようです。











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JAXAも火星を目指します!

2011-09-24 10:05:31 | Weblog
9月22日のMarsTodayにISECG議長国のNASAが「Global Exploration Roadmap」を発表したとの記事が出ました。
NASAの発表は、ここです。



JAXAの9月7日付けの「国際宇宙探査協働グループ会合の開催結果について」で8月下旬に京都で行われたISECG(国際宇宙探査協働グループ)での討議を踏まえてまとめた「国際探査の道すじ」(GER: Global Exploration Roadmap)の資料が10月初旬に発表されるとのことでしたが、早めに発表されたようです。

1)目標は以下の通りです。
・生命の探査
・人類の深宇宙への進出(目指せイスカンダル:事務局のつぶやき)
・科学の進歩/探査技術の開発、宇宙環境での有人探査技術、宇宙・地球等の知識を深める
・宇宙産業による経済効果の拡大

2)ロードマップは、以下の通りです。
1.ISS等の活用で宇宙空間での適応の研究・訓練

それから先は、2つの進め方があります。
2-① 月を目指す → 地球接近小惑星 → 火星を目指す
2-② 地球接近小惑星を目指す → 月 → 火星を目指す

最後は、当面の目標火星へ
3.有人火星探査は、2030年代半ばとなってます。


3)ISECGは、以下の14ケ国で構成されてます。
8月30日の会議以降、NASAから引き継いで日本が議長国となりました。

ASI (Italy), CNES (France), CNSA (China), CSA (Canada), CSIRO (Australia), DLR (Germany), ESA (European Space Agency), ISRO (India), JAXA (Japan), KARI (Republic of Korea), NASA (United States of America), NSAU (Ukraine), Roscosmos (Russia), UKSA (United Kingdom)


4)GERへの参加国は、以下の12ケ国です。CNSA (China)と CSIRO (Australia)が参加してませんね。

ASI (Italy), CNES (France), CSA (Canada), DLR (Germany), ESA (European Space Agency), ISRO (India), JAXA (Japan), KARI (Republic of Korea), NASA (United States of America), NSAU (Ukraine), Roscosmos (Russia), UKSA (United Kingdom)

ロードマップには、JAXAのMELOSも入ってますし、有人火星探査にもJAXAが入っています。
経済的なハードル等多くの困難がありますが、ロードマップを見ていると人類の英知で絶対乗り切れると感じました。
次回の会議は、2012年の夏にカナダにて開催されるということです。日本の次は、カナダが議長国でしょうか。

21世紀前半は、火星年期と呼ばれるようになることでしょうね。
火星への挑戦が人類の大きな目標となります。

・人類同士の戦争の終わりとなりますように!
・人類の生活圏の拡大による新たなフロンティアへの挑戦!
・経済、科学技術の発展!
・新しい文化・芸術を!



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想定外を減らすべく

2011-09-11 18:32:28 | Weblog
9月10日のMarsTodayによりますと、8月27日から9月12日までアリゾナ州北部のブラックポイントの溶岩流でDRATS(NASA's Desert Research and Technology Studies)の活動が行われており、その中間報告が紹介されています。
DRATSのHPです。
今年は、14回目の活動と言うことです。
今年の主目的は、地球近傍小惑星探査です。その先には、有人火星探査が待ってます。
参加者は、NASAおよび企業、大学等の研究所からのエンジニア、宇宙飛行士、科学者および専門家から成っています。
全員集合ですね。


深宇宙での居住性(日常生活や睡眠等)、探査活動(サンプル採取、分析等)、地球との交信など実際の探査を想定したテストが行われています。
今年は、小惑星探査がテーマとの事です。
今年は、the Habitat Demonstration Unit(HDU)に加えてX-Hab Loftが追加されて居住性が改良されたそうです。


サンプル採取も具体的ですね。




9月3日には、強力な助っ人「Robonaut2」を迎えたそうです。
関連の写真が見つかりませんでしたが・・・

今回の場所は、下記のような古い溶岩流の環境です。
もうすぐ、終了ですね。健闘を祈りましょう!



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地球を離れた2年間―人類の夢、火星への挑戦

2011-08-14 12:38:12 | Weblog
地球を離れた2年間―人類の夢、火星への挑戦
クリエーター情報なし
WAVE出版



宇宙飛行の記録一覧がWikipediaにあります。

女性では、スニータ・ウィリアムズさんが195日間で最長です。
アメリカの軍人さんです。

その他にもいろいろな記録があるものですね。
ぜひ、覗いてみて下さい。
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火星が真っ平らだと~

2011-06-26 00:44:04 | Weblog
火星通信#386がアップされました。
前回#385は紹介をしませんでした。
冒頭は、フィリピンのセブ島に居られる阿久津氏の朝方の空に火星が帰ってきた写真が掲げられています。
水星、金星、木星も一緒です。

お帰り火星!

2月6日の合から長かったですね。
観測に携わる皆さんは、猛暑に負けず水分補給に気をつけて頑張ってほしいものです。
内容は、下記の通りです。詳しくは、サイトでご覧ください。
今回も暑い議論がされています。

巻頭エッセイ: メッリシュが革命的であったことを誰も否定できないこと(南 政 次)

・09/10 CMOノート(14):2010年のオリュムピア+カスマ・ボレアレ (南 政 次・村上 昌己)

・Ten Years Ago (191): CMO#245 (2001年六月10日号) (村上 昌己)

・Ten Years Ago (192): CMO#246 (2001年六月25日号) (村上 昌己)

LtE(和文)
編集後記 (火星課長:村上 昌己)

巻頭エッセイは、事務局のレベルでは十分理解できないところもありましたが、火星観測の歴史の一面を知る良い文章だと思います。
どうも、実際の探査機マリーナー6号、7号のデータを見るまで(1969年以前)は、火星は真っ平らだと思われてきたとのことです。
運河説の影響で火星表面隅々まで水が行渡っている→平らでなければ、乏しい水で火星全体を潤せない→山やクレーターなど無いはず・・・
昔の望遠鏡の性能が悪いわけではなく、人々の先入観が山やクレーターを見逃すように働いていたようです。
1915年にJohn MELLISH氏がそういう風潮の最中に火星にクレーターを発見したと発表したとのことです。
やはり、自分の信念は貫くべきですね。後世になって南さんの様な方が認めてくれるわけですから・・・

2番目の09/10 CMOノートは、前回の観測結果のおさらいと今年の後半からの観測の為の準備について話されています。
地球時間で9月16日頃が火星の春分に当たりますので、この頃から北極冠の縮退が始まると思われますが、今回の接近の特徴は、北極冠がすっぽり見えるようになるということです。
北極冠が縮退するとオリンピア平原が完全に分離して見えるのとChasma Borealeも見えやすくなるとのことです。
小接近ですが、期待が高まります。
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重要な目的地

2011-05-04 18:46:58 | Weblog
5月2日のMarsTodayでLoren Thompsonさんが書いた「Human Spaceflight: Mars Is The Destination That Matters」(4月21日発行)が紹介されています。

レキシントン研究所の発行です。



宇宙開発、特に、今後の有人探査計画を進める為に火星への有人探査を中心に据える事が大切であると言ってます。
火星には、地球への重要な教訓を与えてくれる可能性のある水、大気、季節変化、その他の特徴があり、人が長期に滞在して調査する価値があるということです。
地球の低軌道を超えて宇宙へ行くためには、新しい重量物打ち上げシステム(SLS:the Space Launch System)と汎用乗員船(MPCV:the Multi-Purpose Crew Vehicle)が必要とも言ってます。
アレスとオリオンが候補ですね。

内容的には、左程目新しくはありませんが、宇宙開発には強い目的意識が必要だと再認識させられました。

なぜ、我々は存在しているのか?
どこから来たのか?
今どこに居て、どこへ向かうのか?
仲間は、いないのか?
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