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【北海道ガーデンショーにむけて】(7)招待作家 長澤伸穂(のぶほ)さん

2011-06-27 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞2011年06月25日 15時30分

アイヌ民族に目を向けたい
 十勝千年の森(清水町)で庭をデザインしたダン・ピアソンさん(英国在住)には先見性があったと思う。豊かな自然の中に英国の歴史を感じさせる花の庭がある一方で、宮殿で貴族が遊んだような造られた庭園の感じがしない。森は造られてはいるが、造られ過ぎていないのが印象的。北海道の地形をきちんと把握され、まるで大地を彫刻したみたいで素晴らしい。
 道ガーデンショーに参加、北海道では初めての現代美術作品となるので大変意欲を持っている。2年前、オランダでも森の中に現代美術を造った。そのときのようなビオトープ(生物生息空間)を造ってみたい。日々の生活ではスイッチボタン一つで何でもできる時代。自然をもう一度見直すことは大事と考える。
 先日、ランドスケープアーキテクトの高野文彰さん(道ガーデンショー・ディレクター)に作品の趣旨を説明。候補地の選定でも意見が一致できた。大きなフキがたくさん伸び、歩けないほどあった。作品タイトルはこれからだが、北海道の歴史を考えたい。厳しい自然と共生し文化を作り上げたアイヌ民族に目を向けたい。アイヌ民族の伝承でフキの下に生きた小人のコロポックルが戻ってくるような場所造りをしたいと感じた。
 普通の彫刻といえばオブジェが浮かぶが、私の作品は決してそうではない。作品が出来上がり、ぱっと見たときはまだ育っていないかもしれない。時間とともに自然が形を作ってくれる自然とのコラボレーション(共演)が基本にある。
 自然や森の中でアートを作るというのはある意味で、自分の思い通りの形にならないところが面白い。太陽の光や、風の流れなども影響する。生きた空間で時間が彫刻をするイメージで、何年か過ぎて作品が自然に返っていくようにもしたい。
 現代美術と科学者や植物学者との協働は世界で進んでいる。千年の森、道ガーデンショーでしかできないものを作っていきたい。単にきれいな庭を造るとか、絵を描くようなものでなく、アーティストがきちんとした概念を持って自然や社会で意見を出していく時代。「アートとはこれだ」と押し付けるのではなく、自然環境にこれもアートなのかと感じる作品がいい。多くの人々に見てもらい社会に貢献していきたい。
(おわり、児玉匡史)
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【北海道ガーデンショー】
 実行委会長は高薄渡清水町長で、十勝・上川管内7庭園が連携する北海道ガーデン街道協議会の林克彦会長が委員長。開催期間は来年6月2日〜10月8日。前売り券は1枚1000円で、勝毎サロン(藤丸7階)、ガーデン街道参加庭園(真鍋庭園、紫竹ガーデン、十勝ヒルズ、十勝千年の森)などで扱っている。問い合わせは、十勝千年の森(0156-63-3000)へ。
http://www.tokachi.co.jp/feature/201106/20110625-0009606.php
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