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縄文文化とHIPHOPを融合した女流ラッパーCOMA-CHIの新作がヤバイ!

2018-06-01 | アイヌ民族関連
祝詞ラップ、龍神、儀式…アルバム制作秘話を暴露(インタビュー)
TOCANA2018.05.30
 J-ヒップホップ業界において、知らない人はいないほどの名声と実力を誇る女流ラッパー・COMA-CHI。2006年にリリースされたインディーズアルバム『DAY BEFORE BLUE』に収録された『ミチバタ』は、いまや巷で“ヒップホップクラッシック”と讃えられる名曲だ。
 そんな彼女が、「縄文」をテーマとした5年ぶりのフルアルバム『JOMON GREEN』を発表した。新作に込めたメッセージを語ってもらうのは当然だが、あえてトカナがCOMA-CHIを大プッシュするのは深い理由がある。そう、彼女の正体はヒップホップ界隈で右に出るものがいない生粋のオカルティストであり、とてつもなくスピリチュアルな一面を持ち合わせたラッパーなのだ! 「すべてさらけ出す」というCOMA-CHI決意のインタビューを心に刻み込め!
■いまこそ注目すべきJOMONの魂
――まずは、もちろん音楽の話からお聞きします。新作『JOMON GREEN』を拝聴しました。このアルバムのテーマでもある「縄文」とはどのように出会ったのですか?
COMA-CHI  一番初めは火焔(かえん)土器の写真ですね。そのとき、自分になにかが降りてくるような、胸を掴まれるような感覚があったんです。気になっていろいろと調べてみたら「芸術は爆発だ」のセリフで知られる岡本太郎さんが初めて縄文土器をアートとして定義したことなども知り、ますます興味を持ちました。
 それから、縄文時代は1万年以上戦争がなかったこと、自然に対するリスペクトがあって共存してきたこと、母系社会で女性を中心に生活を営んでいたことなどがわかったんです。最近は「女性蔑視」や「ミソジニー」という言葉もありますが、縄文時代の考え方は正反対で、「命を生める女性がリスペクトされていた時代」でした。これは、現代に対する強烈なメッセージになるんじゃないかと思ったんです。
――では、最初に縄文というテーマを決めて曲を作っていったのですか?
COMA-CHI  そうですね。縄文時代について知れば知るほど、どんどん曲ができていった感じです。
 本州で縄文時代が終わり、弥生時代に入っても、北海道は弥生文化を受け入れず、縄文文化が続いたといわれています。実際は寒すぎて稲作ができなかったという説もあるんですけど、いずれにしても北海道では、権力者を頂点とする近代的なヒエラルキー型の社会構造ではなく、縄文的な「みんな一緒に力を合わせよう」という考え方が残っていた。北海道には続縄文時代があって、それがアイヌカルチャーにつながるんです。
 そうそう、制作中に北海道の平取町というアイヌの里に滞在してきましたが、そこで「カムイノミ」という祖霊と交信する儀式にも参加しましたよ。
――カムイ=神様を天に還す儀式ですね! アイヌ文化はサウンド面ではどのように活かされているのでしょう?
COMA-CHI  アイヌのことを曲にしようと思ったとき、まず「OKI Dub Ainu Band」のOKIさんにアイヌの民族楽器「トンコリ」の音を入れていただきたいとひらめきました。私の中ではトンコリとヒップホップビートを合わせたいと思っていたんです。
 それから、平取町への旅行の直後、THA BLUE HERB(札幌を中心として活動するヒップホップグループ)のトラックメーカー・O.N.O (オー・エヌ・オー)さんとイベントで共演させていただいて。「これはベストタイミングだ」と思って、北海道らしいサウンドにしたいとO.N.Oさんにもお願いしました。
https://www.youtube.com/watch?v=argfDSYeQsM
COMA-CHI - Cycle 「YouTube」より
――ほかにも今回、さまざまなゲストミュージシャンと一緒にアルバムを制作されていますが、特に印象に残った方は?
COMA-CHI  『JOMON GREEN』のトラック2『water (feat. Josef Leimberg)』をプロデュースしてくれたジョセフ・ラインバーグのサウンドは以前から好きでした。私のヒップホップに対する情熱を久しぶりに湧き上がらせてくれたアルバム、ケンドリック・ラマーのグラミー賞受賞作『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』 にもジョセフが参加していたんです。
 今回は本当にタイミングが良くて、とにかく話がトントン拍子に進んで、ロサンゼルスのジョセフのスタジオで一緒に曲作りをしました。でも、不思議なのは彼を初めて見たとき「龍神」という印象を持ったんですが、それを本人に伝えると、なんと「小さなころから、なぜかオレはドラゴンが好きなんだよ」と話していて……。神秘的な縁を感じましたね。
――縄文文化の話につながりますが、このアルバムからは「母性」が感じられます。それはCOMA-CHIさんも意識していたのでしょうか?
COMA-CHI  そこまで大々的に見せようという意図はありませんでした。ご指摘のように、コンセプトの「縄文」が結果として母性につながったのだと思います。もっと縄文文化の素晴らしさに気づいてほしい、自分の子どもが大きくなった時、日本と世界がより良くあってほしいという願いは込めましたね。
■大きな存在とつながっている感覚
――では、いよいよオカルト的な質問に移らせていただきます。今作をレコーディング中、不思議な出来事はありませんでしたか?
COMA-CHI  風がテーマの『fuzhin wind』という曲では、巫女でもあるMC Mystieをフィーチャーしています。彼女は大和言葉で祝詞(のりと)を唱えることができるので、それをラップにしてもらったのですが、長野の森の中でレコーディングしているとき、あり得ないタイミングで「ゴーーーッ!」と風が吹いてきたりとか、ありましたね。
――海外のヒップホップ系のアーティストはオカルトや陰謀論が好きな印象があります。
COMA-CHI  陰謀論が好きな人は本当に多いですね。ある年代の黒人ラッパーたちのマインドは「体制へのアンチ」や「アフリカ回帰」で、そこには陰謀論的な話も含まれていますから、その影響もあると思います。
――では、ご自身のオカルト&スピリチュアル遍歴をお聞きしたいと思います。
COMA-CHI  私のスピ歴ですか(笑)。子どものときから『ムー』をよく読んでいましたし、タロットカードなどで占うことが好きでした。占いの本を読むというより、自分で呪術的なことをするんですね。誰か特定の占い師にハマったことはなくて、むしろ自分から無意識とつながって表現したいという願望がありました。
――大きなものとつながっている、そんな感覚はあるんですね?
COMA-CHI  19歳頃の私は病んでいて、ある日「自殺しよう」と思って12階の手すりに脚をかけたことがありました。その時、「やめろ~」みたいな声が聞こえた気がしたんです。その体験をしてから、変な感覚が開きましたね。大きな存在からの「ここに行け」というアドバイスが始まりました。
 2009年にメジャーからリリースしたアルバム『RED NAKED』には『perfect angel』という曲があるのですが、あれも実は、恋愛の歌ではなく“天使と自分の歌”なんですよ。
――おお、これは大暴露ですね! ほかにもスピリチュアルなエピソードはありますか?
COMA-CHI  もう10年ほど前になりますが、島根でライブがあって出雲大社に行く機会がありました。その日は偶然、神様が出雲に集う神在月(旧暦10月)と呼ばれるタイミングだったのですが、そのとき出雲大社の裏にある稲佐の浜で、龍を見ました。正確には龍のような雲なのですが、ツノやヒゲ、姿形まで完全に龍にしか見えません。
 そのときは皆で「めっちゃ龍だね~」と言い合っていただけですが、後になってこの稲佐の浜に龍神が来たという伝説があることを知り「やっぱり龍はいるな」と思いました。不思議なことというのは、つながっていく感覚がありますね。
「縄文」から「龍神」へ、いよいよ盛り上がってきた女性ラッパー・COMA-CHIのオカルト体験談。次回はいよいよ、COMA-CHIの内に存在するという「火の神」、「水の神」、そして「ハイヤーセルフ」など、さらにディープな話題が赤裸々に語られる。彼女が知っているこの世の“真実”とは――!?
(取材・文=松本祐貴、写真=編集部)
※ インタビュー後編はコチラ!(5月31日16時に配信予定)http://tocana.jp/2018/05/post_17011_entry.html
COMA-CHI(こまち)
1984年、東京生まれ。ラッパー。2003年ごろから活動開始。2005年にB BOY PARK MCバトルで女性初の準優勝を飾り、注目を浴びる。2006年には1stアルバム『DAY BEFORE BLUE』をリリースし、RIP SLYMEや青山テルマとの共演も高い評価を得た。2018年3月に5年ぶりのフルアルバム『JOMON GREEN』を発売。
公式ツイッター https://twitter.com/coma_chi
公式サイト「Queen's Room」 http://www.queens-room.com/
松本祐貴(まつもと・ゆうき)
1977年、大阪府生まれ。フリー編集者&ライター。雑誌記者、出版社勤務を経て、雑誌、ムックなどに寄稿する。テーマは旅、サブカル、趣味系が多い。著書『泥酔夫婦世界一周』(オークラ出版)。
ブログ「~世界一周~旅の柄」 http://tabinogara.blogspot.jp/
http://tocana.jp/2018/05/post_16889_entry.html
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