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北方領土の日、解決願い 根室管内各地で元島民ら活動

2023-02-08 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年2月7日 20:50(2月7日 20:53更新)
 「北方領土の日」の7日、領土返還運動原点の地の根室市内で、3年ぶりに一般参加者が出席する根室管内住民大会が開かれるなど、根室管内各地で元島民らによる関連行事が行われた。ロシアによるウクライナ侵攻後初の「北方領土の日」となり、領土返還への道筋は見通せない中でも元島民らは問題の解決を強く願った。

根室管内住民大会で「北方領土を返せ」とシュプレヒコールを上げる元島民ら
■3年ぶり関係者一堂 根室で住民大会、元島民ら拳突き上げ
 【根室】市総合文化会館で7日に開かれた「北方領土の日」根室管内住民大会では、参加した元島民ら850人が、それぞれの思いを胸に「北方領土を返せ」とシュプレヒコールを上げた。平和条約交渉やビザなし渡航が中断するなか、3年ぶりに地域の関係者が一堂に集まり、返還運動の拡大を誓い合った。
 管内1市4町でつくる北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会の主催。参加者は「北方領土を返せ」とプリントした鉢巻きを締めて出席した。シュプレヒコールでは、政府方針でイベントで声を出す場合の入場制限が無くなったことを受け、参加者は「北方領土問題を解決しよう」「返還要求運動に参加しよう」「返せ」などと声を上げた。
 決意表明には元島民ら根室市内の3人が立ち、返還運動の拡大に向けた思いを語った。国後島出身の鈴木昭男さん(82)は「領土問題が置き去りにされないように、粘り強く返還運動を続け、国内外に強く発信していく」と訴えた。歯舞群島水晶島元島民4世の根室高1年佐藤紅羽さん(16)は「返還に向け、若者らしい独創性と想像力を生かして活動する」、根室青年会議所理事長の野陳克敏さん(31)は「青年に返還運動への参加を呼びかけ、後継者を増やしていく」と語った。
 中標津町の西村穣町長は主催者あいさつで、領土問題を取り巻く厳しい環境を念頭に「引き続き全国の先頭に立って、返還要求運動を強力に推進する」と意気込んだ。会場では東京・国立劇場で開かれた北方領土返還要求全国大会の岸田文雄首相らのあいさつも中継された。
・・・・・・・・・・・・
(川原田浩康)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/798568

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杉田議員の投稿に抗議署名5万2千筆 中傷された女性ら法務省に

2023-02-08 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年2月7日 20:25

法務省で要請文を担当者に提出する多原良子さん(右から3人目)ら
 自民党の杉田水脈衆院議員がアイヌ民族の女性らを侮辱的に表現した内容のブログを投稿した問題で、中傷された女性らが7日、法務省を訪れ、杉田氏の投稿をヘイトスピーチと国が認めることなどを求める要請文と署名約5万2千筆を提出した。
 杉田氏は、2016年の国連女性差別撤廃委員会の参加者について「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさん」などとブログに投稿。昨年12月、投稿の一部を撤回し、謝罪したが、差別表現とは認めていない。
・・・・・・
(大沢祥子)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/798553

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マオリと平取、深まる交流 アイヌ語学習を見学/中高生3人NZ訪問 「文化受け継ぐ姿勢似ている」

2023-02-08 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年2月7日 19:10

アイヌ語のカードを使って楽しんだ二風谷小の児童とマオリたち
 【平取】アイヌ文化が受け継がれる平取町で、ニュージーランドの先住民族マオリとの相互交流が盛んに行われている。町内の中学生らがニュージーランドでマオリと交流したり、マオリが町内の二風谷小に足を運んでアイヌ語学習を見学したりと、互いに行き来する中で理解を深め合っている。
 交流の取り組みは、既に2000年代には始まっており、相互訪問や高校生の相互留学を行ってきた。
 今年は道と在日ニュージーランド大使館の覚書に基づき、同国政府の奨学生としてマオリの20~50代の8人が道内を巡回。1月27日には二風谷小を訪問した。
 同大使館によると、マオリ語は消滅の危機に直面した時期もあったが、その後、復興活動が行われ、1987年には公用語となった。幼稚園から大学まで第一言語として教える学校もあるという。
 マオリの訪問団が見学した授業では、味覚を表すアイヌ語が書かれたカードを使ってトランプの「神経衰弱」のように遊んだり、マオリ語のじゃんけんをしたりして楽しんだ。
・・・・・・・・・
(杉崎萌)
※「ハララキ」の2つ目の「ラ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/798493

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アイヌ民族文化財団主催「見て、触って、感じるアイヌ展  ピ(リ)カ広場」を2月中旬より名古屋・大阪・埼玉で開催!

2023-02-08 | アイヌ民族関連
公益財団法人アイヌ民族文化財団2023.02.07 17:00
公益財団法人アイヌ民族文化財団(所在地:北海道札幌市)は、アイヌの歴史、伝統、文化等について正しい理解と認識を深める契機とするため、2023年2月中旬より、名古屋、大阪、埼玉の3会場で、「イランカラ(プ)※テキャンペーン 見て、触って、感じるアイヌ展 ピ(リ)※カ広場」を開催します。 ※(プ)・(リ)は小文字

イランカラ(プ)テキャンペーン 見て、触って、感じるアイヌ展 ピ(リ)カ広場
今回、展示を見るだけではなく、触ったり、体験を通じて、若年層やヤングファミリー層にもアイヌの文化や歴史を理解してもらうイベントとなっています。
アイヌが使用していた小刀や儀礼具などの展示のほか、ステージでは、アイヌの弦楽器・トンコリの生演奏や、アイヌ語や文化に関するトークイベントを実施します。
体験コーナーとしては、民族衣装の試着やアイヌ文様のしおりづくりなど、お子様から大人まで気軽に参加できる企画もございます。また、アイヌの人々に親しまれていた野草茶・エント茶を試飲いただけるコーナーも用意いたします。
また、ご来場アンケートにご協力いただいた方に、先着で、コンビニ弁当も倒さずに入れられる「オリジナルロゴ入りレジバッグ」をプレゼントいたします。
なお、企画によって一部会場のみで実施するものもございます。詳しくは特設サイトをご覧ください。
【イベントのポイント】
(1)名古屋、大阪、埼玉の3会場で開催します。
(2)アイヌの貴重な工芸品を展示します。アイヌの弦楽器・トンコリは実際に触っていただけます。
(3)ステージでは、アイヌの弦楽器・トンコリの演奏や、アイヌ語やアイヌ文化に関するトークイベントを実施します。
【開催概要】
■タイトル「イランカラ(プ)テキャンペーン 見て、触って、感じるアイヌ展 ピ(リ)カ広場」
■会場・日時
名古屋会場:2月18日(土)・19日(日) 11:00~17:00
      KITTE名古屋・イベントスペース(名古屋市中村区名駅1丁目1番1号)
大阪会場 :2月25日(土)・26日(日) 11:00~17:00
      なんばCITY・ガレリアコート(大阪市中央区難波5丁目1番60号)
埼玉会場 :3月4日(土)・5日(日) 11:00~17:00
      アリオ川口・センターコート(川口市並木元町1番79号)
【内容】
◎【名古屋会場】【大阪会場】
アイヌの人々に親しまれていた野草茶「エント茶試飲配布」
*数量限定、無くなり次第終了
◎【埼玉会場】
アイヌ語とアイヌ文化に関する「関根摩耶さんトークイベント」
出演:関根摩耶(せきね まや)さん
北海道平取町二風谷生まれ。各種イベントや講演などでアイヌ文化を発信。YouTube「しとちゃんねる」運営中。
(両日とも)<1回目>13:50~ <2回目>15:20~
◎【名古屋会場】【大阪会場】【埼玉会場】
アイヌの弦楽器 辺泥敏弘さん「トンコリ生演奏」
演奏:辺泥敏弘(ぺて としひろ)さん
東京都出身。北海道釧路のアイヌにルーツを持つ。「Peteトンコリ工房」を設立し、製作・演奏活動を行う。
(両日とも)
【名古屋会場】【大阪会場】
<1回目>12:30~ <2回目>14:00~ <3回目>15:30~
【埼玉会場】
<1回目>12:00~ <2回目>13:30~ <3回目>15:00~
◎コンビニのお弁当も倒さずに入る オリジナルロゴ入りレジバッグ アンケートプレゼント
*先着プレゼント 想定数が無くなり次第終了
◎ウポポイPRキャラクター トゥレッポん登場
*複数回登場いたします。
◎大型モニターによるアイヌ映像放映
◎民族衣装試着体験
*参加料無料 先着順受付
◎「アイヌ文様しおりづくり」ワークショップ
*参加料無料 先着順受付
◎「タイトルロゴや北海道の野生動物と一緒に写真を撮ろう」 ARフォトフレーム
※ARアプリ「COCOAR」のダウンロードが必要です
◎アイヌ工芸品展示
アットゥ(シ)※(樹皮衣)、イタ(盆)、マキリ(小刀)など展示します。
※(シ)は小文字
◎民族共生象徴空間(ウポポイ)紹介コーナー
【特設サイト】
https://pirka-hiroba.com/
※新型コロナウイルスの感染拡大や社会情勢、荒天等により中止または延期される場合がございます。予めご了承ください。
※イランカラ(プ)テキャンペーンとは、アイヌ語の挨拶「イランカラ(プ)テ」(こんにちはの意)を「北海道のおもてなし」のキーワードとして普及させ、アイヌ文化への興味・関心を抱いてもらうことを目的に2015年から展開しているキャンペーンです。
【ご来場に関してのお願い】
■マスクの着用をお願いします。
■手指消毒をお願いします。
■発熱、咳、くしゃみ、全身痛、下痢などの症状がある場合はご来場をお控えください。
■飛沫感染防止の為、大声での会話はお控えください。
■会場内の録音・録画はご遠慮ください。
■会場内が混雑した場合、入場を制限する可能性がございます。予めご了承ください。
【お問い合わせ先】
公益財団法人アイヌ民族文化財団
所在地   : 札幌市中央区北1条西7丁目プレスト1・7
電話    : 011-271-4171
ホームページ: https://www.ff-ainu.or.jp/
※ホームページ内に「お問い合わせフォーム」がございます。
https://www.atpress.ne.jp/news/344524

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【北大】アイヌ・先住民研究センター等と連携協定を締結~アイヌ文化の振興や普及啓発、先住民族政策先進国との国際交流等への貢献に期待~

2023-02-08 | アイヌ民族関連
株式会社官庁通信社2023年2月7日
北海道大学アイヌ・先住民研究センターと阿寒アイヌ協会、釧路アイヌ協会、一般社団法人阿寒アイヌコンサルン及び釧路市は、アイヌ文化の振興や普及啓発、学術的な研究等の推進に寄与することを目的とする連携協定を締結する。2月14日に釧路市阿寒町の阿寒湖アイヌコタン内「オンネチセ」で締結式が執り行われる。
阿寒は北海道におけるアイヌ文化発信の中核的拠点の一つであり、アイヌ・先住民研究センター設立時より、センターサテライトの一つとして先住民族の文化資源と知的財産権やアイヌ・アートや伝統的工芸品に関するプロジェクトを共催するなど取り組んできた。
近年では、アイヌ民族の文化資源や知的財産に関する取り組みやアイヌ文化エコツアーなどの領域での連携事業を進めている。また、釧路市とは市立動物園や市立博物館でのアイヌ文化イベントの支援をはじめ、釧路市アイヌ施策推進地域計画の策定でも支援協力を行ってきた。
今回、アイヌ文化振興に関する北大からの支援をより組織的に行うこと、またアイヌ民族と海外の先住民族との国際交流を支援することを目的として、連携協定を結ぶこととなった。
http://kancho-t.com/文教-com/【北大】アイヌ・先住民研究センター等と連携協/

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《ブラジル》ヤノマミ族=金鉱夫らが青年3人を射殺=先住民相が現地訪問中に=軍や治安部隊の派遣強化

2023-02-08 | 先住民族関連
ブラジル日報2/7(火) 6:55配信

法定アマゾンの一部(Fernando Frazao/Agencia Brasil)
 【既報関連】金の不法採掘の蔓延、栄養失調やマラリアによる死者急増などが報告されているロライマ州ヤノマミ族居住地で5日、ヤノマミ族の青年3人が射殺される事件が起き、現地を訪問中だった先住民相や先住民団体が懸念を表明。法務省が治安部隊の派遣強化を約束する一方、環境相は資金や資材の提供者摘発の必要も主張と5~6日付現地紙、サイトが報じた。
 不法採掘急増は国立宇宙研究所と米国南アラバマ大学の研究者が発表した、2020年の先住民居住地での不法採掘地は1985年より1217%増えた事が判明したとの報告や、近年の森林伐採量の増加でも明らかだ。
 また、人口約3万人のヤノマミ族居住地に2万人の金鉱夫が入った事で起きた川の汚染や土地の略奪、森林伐採が漁や猟、農産物の生産も困難にした事で起きた栄養失調や、不法採掘地の溜まり水などが原因のマラリア蔓延、婦女強姦による懐妊、医薬品の横流しなどが招いた窮状は一朝一夕では解決不能だ。
 1月20日に保健省が行った非常事態宣言後も、ヤノマミ族の居住地や州都の病院では栄養失調者やマラリア患者の死亡例が報告されており、金鉱夫による懐妊者30人との報告翌日の3日には具体的な捜査命令も出た。
 だが、空からの締め付け開始で金鉱夫らが脱出を図り始めた矢先に起きたのが、オモクシと呼ばれる集落の青年3人の射殺事件だ。この事件はソニア・グアジャジャラ先住民相の現地訪問中に起き、同相も上空から視察。同相はバイア州などでも起きていた先住民殺害事件に続く事件に深い懸念を示した。
 フラヴィオ・ジノ法相は6日、連警や治安部隊の増員を発表し、治安部隊100人は7日に到着する予定だと発表した。同相は、金鉱夫がヤノマミ族の居住地から脱出を図り始めた事に関し、近日中に80%の金鉱夫が同州を離れる事を期待しているとも語った。
 マリーナ・シルヴァ環境相は6日、アロイジオ・メルカダンテス氏の社会経済開発銀行(BNDES)総裁就任式に先立ち、環境省は先住民居住地での不法採掘を資金面や資材面で支援している人物や組織の解明に焦点を当てる意向だと明言。BNDESはアマゾン基金の管理を担当する機関であり、先住民や法定アマゾンの保護などとも関係が深い。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4358d844c2e85fe68b748543db76005f963a1ccb

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焦点:昔ながらのラクダ農家にも恩恵、インド各地で太陽光発電

2023-02-08 | 先住民族関連
ロイター2023年2月7日

[ジャイサルメール(インド) 1日 トムソン・ロイター財団] - インドでラクダを育てるバンワル・ライカさん(55)にとって、かつては太陽が悩みの種だった。ところが最近では、気候変動のために暑さが増しているにもかかわらず、太陽のおかげで収入が増えつつある。
ラクダ飼養農家のバンワルさんは、ラクダ乳を売って生計を立てているが、気温が摂氏52度にもなると、いつも商品を廃棄せざるをえなかった。インド西部タール砂漠にある自宅から地元の乳製品工場までは80キロメートルも離れているからだ。
だが昨年2月、バンワルさんに幸運が訪れた。「瞬間生乳冷却器」と称する、太陽光発電による冷蔵システムが、彼の住むラジャスタン州ノーク村に設置されたのだ。
おかげでバンワルさんは新鮮なラクダ乳を低温貯蔵し、非政府組織(NGO)ウルムル・シーマント・サミティが保有するバジュ乳製品工場まで運べるようになった。冷却器を購入し、地元コミュニティーと協働で運用しているのも同じNGOである。
結果として、バンワルさんの収入は昨年1年間で4倍に増え、月約5万ルピー(約7万8000円)に達した。
「ここ数年で気候はどんどん暑くなってきているのに、何リットルものラクダ乳をあれほど早くダメにしてしまっていた太陽の力で、こんなに新鮮で清潔な状態で冷蔵保存できるとは、信じられないような話だ」
ビーカネル、ジョードプル、ジャイサルメールの3地域でラクダ飼養を営む少なくとも700戸の農家が、ウルムル・シーマント・サミティによる取り組みの恩恵を受けている。同NGOは、太陽光パネルで稼働する生乳冷却器4台を設置した。いずれも、付近の8カ所にある村から徒歩でアクセスできる場所だ。
各冷却器は500─1500リットルのラクダ乳を保存できる。価格は、小型のもので90万ルピー、最大のものは140万ルピーだ。
この冷却器の仕様では、4度で保存した場合、ラクダ乳の保存可能期間を最低でも3日間延長でき、冷凍の場合はさらに長く延ばせる。
ウルムルでプロジェクトマネジャーを務めるモティラル・クマワット氏は、「おかげで、コミュニティーにとっては相当な増収につながった。ラクダ乳を腐らせて損失を被ることを心配せずに済むようになった」と語る。同NGOは、ラジャスタン州の農村コミュニティーの支援に取り組んでいる。
プロジェクトの資金の約80%は、インドを本拠としてエネルギー利用の促進に取り組むSELCO財団や世界自然保護基金(WWF)などの団体が拠出している。WWFは化石燃料から持続可能なエネルギーへの世界的な移行を支援している。
クマワット氏の説明によれば、利用するコミュニティーの側でも、労働力や費用を提供して冷却器の導入に貢献しているという。
インド各地ではここ数年の間、太陽光発電による農業向け冷蔵設備の導入が慈善団体や企業の手で進められている。電力網に依存する冷蔵システムでは農家が利用するには高額すぎるし、へき村地域で頻繁に発生する停電の場合には、環境汚染につながるディーゼル発電機に頼らなければならない。
国際気候行動ネットワークのハージート・シン氏は、ウルムルが行っているようなプロジェクトは、インドにおいて持続可能なクリーンエネルギーシステムへの移行を加速させるために不可欠であり、結果的に、農村コミュニティーが化石燃料への依存から脱却するのを後押しするとの見方を示した。
<コミュニティー規模での変革>
インド国内のラクダは、大半がラジャスタン州で飼養されている。同州の先住民族であるバイワルさんのような飼養農家の文化的アイデンティティーには欠かせない要素だ。
ラクダは使役動物として広範囲で売買されていたが、2014年、ラジャスタン州が「ラクダは州を象徴する動物である」と宣言し、ラクダを保護し、国内他州への売却を禁止する措置を導入したことで、地元コミュニティーは経済的な打撃を被った。
こうして、ラクダ飼養農家はラクダ乳の販売を始めた。ビーカネル地域グランディ村の長老ルパラム・ライカ氏は、ラクダ乳は牛乳よりも健康的と考えられており、結核のようないろいろな病気の治療に使われていると説明する。
こうした変化は新たな雇用も生み出した。たとえば太陽光発電による冷却器についても、若者たちが頻繁に保守管理作業を行っている。
毎朝、村の若者たちがラクダ乳を満たしたスチール缶を集乳センターに運んでいく。センターでは研修を受けた別の若者たちが、清浄度や品質の検査を行い、太陽光発電による冷却装置に保管する。
バンワルさんの息子プレム・ライカさん(22)は、「ラクダ乳の清浄度や鮮度は数分で判断できる」と話す。
ノーク村には、学校教育は受けたが、国内の別の場所でチャンスを探す代わりに、生家にとどまってラクダ乳の生産に従事している若者が多くおり、プレムさんもその1人だ。
彼らが見つけた仕事は冷却器と集乳システムの運営だけではない。チーズやバターからビスケットに至るまで、ラクダ乳を原料とする製品を店舗やオンラインで販売している。
ウルムルのクマワット氏によれば、プレムさんのような若者は平均で約1万5000ルピーの月収を稼いでいるという。
<規模の拡大>
クマワット氏は、ウルマルでは、数カ月以内に冷却器を4台から8台へと倍増させ、ビーカネル、ジョードプル、ジャイサルメール地域のさらに多くの村々をカバーすることを計画していると語る。ただし、資金調達が前提だ。
「辺境の村で暮らす、さらに多くのラクダ飼養農家に働きかけ、炭酸ガス排出を増やすことなく、伝統的な知識を活かして生計を立てられるように支援したいと考えている」と同氏。
クマワット氏は、プロジェクトの規模拡大にとって主な障害になっているのは、冷却器をもっと購入するための資金調達だと話す。
データポータルサイト「スタティスタ」によれば、インドは年間2億トン以上を生産する世界有数の生乳生産国だ。インド国内でもっと持続可能な生乳サプライチェーンを構築したいと考える企業もあるが、冷却器にも課題があるという。
ウルムルに冷却器を販売したインフィコールドとプロンプト・デイリー・テックの2社は、へき村地域での冷却器の導入・保守は難しいかもしれないと指摘。特に課題となるのが、高温と頻繁な砂嵐の発生、そして訓練された人員の不足だ。
とはいえ、コールドチェーン(低温物流)企業インフィコールドの創業者、ニティン・ゴエル最高経営責任者(CEO)によれば、同社のシステムは厳しい気候条件下での運用に合わせて調整されており、地元の若者にソーラーパネルや機器のクリーニングを教え込んでいるという。
ノーク村に戻ろう。ラクダ飼養農家のバンワル・ライカさんは、自分はこの上なく幸せだが、それは収入が増えたからだけではないと語った。
「一時はラクダを飼い続ける希望を失っていた。でも今は、ラクダたちが村の家族を団結させ、若者たちが村を離れないように引き留めている」と話した。
(Moushumi Basu記者、翻訳:エァクレーレン)
https://jp.reuters.com/article/india-solar-dairy-idJPKBN2UD0OE

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オーストラリア「先住民の声」改憲案 今年後半に国民投票目指す

2023-02-08 | 先住民族関連
日豪プレス2023.02.07
アルバニージー首相が支持呼びかける
 オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相(労働党)が、同国の憲法に「先住民の声」を明記する与党の改憲案への支持を国民に訴えている。
 アルバニージー首相は6日、首都キャンベラのチフリー・リサーチ・センターでスピーチを行い、改憲案について「急進的な主張ではなく思慮深いものだ。先住民が彼らの生活に影響を与える政策や決定について意見を述べることができるという、わかりやすく、きわめて重要で、現実的なものだ」と呼びかけた。
 また、首相は「間違った情報」が改憲の動きを阻止しているとして反対の動きをけん制。反対派が「文化的な戦争」を仕掛けていると批判した。
 改憲案では、先住民「アボリジニおよびトレス海峡島しょ民」が「ファースト・オーストラリアン」(最初のオーストラリア人)であることと、「先住民の声」を国政に反映することを明記するとしている。
 改憲案は22年5月の連邦選挙で当時最大野党だった労働党が公約に掲げていた。選挙に勝利して9年ぶりに政権を奪還したアルバニージー首相は、今年下期(7月〜12月)に改憲の是非を問う国民投票を実施する意向だ。
■ソース
ADDRESS TO THE CHIFLEY RESEARCH CONFERENCE(Speech, Prime Minister of Australia)
https://nichigopress.jp/news-item/56604/

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誘拐大国のコロンビアやメキシコ、戦火のパレスチナで生きる子どもたち 日本の写真家が撮影した「生」

2023-02-08 | 先住民族関連
よろず〜2/7(火) 13:10配信

2007年にメキシコの奥地で撮影された少数民族の少女。はだしで生きる日常が足に刻まれている(撮影・釣崎清隆)
 30年近く、世界の無法地帯や紛争地域を取材してきたカメラマンの釣崎清隆氏が、極限状態の中での「生」に焦点を当てた写真集『THE LIVING』(東京キララ社、税込8800円)を世に出した。その刊行記念写真展が8日まで都内の新宿眼科画廊で開催されている。釣崎氏がよろず~ニュースの取材に対し、コロンビア、メキシコ、パレスチナなどでの過酷な体験と共に、作品の背景にある世界を語った。
 釣崎氏は1966年、富山県生まれ。慶應義塾大学卒業後、AV監督を経て、94年に写真家として始動。「死体写真家」の集大成となる写真集『THE DEAD』に続き、死と対になる「生」にフォーカスした写真集を今回刊行した。会場では22点が展示されている。
 その中から「子ども」に焦点を当てた3作を絞って紹介。釣崎氏が解説した。
 まずは2007年にメキシコで撮影された「サパティスタ・ガール」という作品。赤いバンダナのような布で口元を覆った少女が、野性味のある緑色のレモンを手にカメラを見つめる。硬そうな足の皮膚に目が行く。はだしで生きる少数民族の日常が足元に刻まれている。
 「ラ・レアリダーという(メキシコの)自治区でも最深部の桃源郷みたいな場所。彼女の足は本物の少数民族、先住民の足です。『パリャカテ』と称されるバンダナは男性も使っていて、面が割れると特定されて攻撃されるので顔が見えないようにするため。子どもは誘拐の対象になるので素顔で写真を撮らないようにした。撮影時は子どもだったので5年くらい寝かした後に初公開した」
 この少女のいる場所には、かつて民衆の熱気が渦巻いていた。94年にメキシコ南部のチアパス州で先住民を主体としたゲリラ組織「サパティスタ民族解放軍」による武装蜂起があり、弾圧後も、インターネットを使って世界中に少数民族の窮状を訴えて連帯に成功。「丸腰」で対話路線に転じた指導者の姿など、歴史的な写真も展示した。
 続いて、コロンビアで95年に撮影された「チルドレン」と題した作品。幼い子ども3人がカメラを凝視している。
 「アパルタドという町で、共産ゲリラと農民自警軍が対立する最前線で生活している子どもたちです。ここで革命軍がバスに乗っていた市民15人を虐殺した事件があって、それを取材に行ったのですが、移動に時間を要したため死体は既に片付けられていた。それでも、警察の力も及ばないカオスの最前線で撮った貴重な写真です」
 釣崎氏は「毎日のようにテロが起き、子どもは誘拐される。コロンビアが世界で最も注目されていた熱い日々を知らない(同国の)若者が今、僕の写真に興味を持ってくれている」という。
 さらに、パレスチナのベツレヘムで撮影された作品では、街頭で武装して歩く大人たちの手前にたたずむ少年たちの素顔が活写されている。なお、街に女性の姿はない。イスラム社会であることも実感する。
 「9・11の同時多発テロ直後、あの暴力の意味を知るにはパレスチナに行くしかないと思い、何回も通った。この撮影は01年10月です。その後、イスラエルが情報を封じ込めるため、僕のようなフリーランスは入れなくなった。それに比べ、昨年のウクライナ取材は分け隔てなくウェルカム。逆に、コロンビアやメキシコは命の保証もない。ジャーナリストはテロの標的となり、特に日本人は誘拐のターゲット。警察官もタクシー運転手もみんな誘拐犯。コロンビアとメキシコは世界一、二の誘拐大国ですから。基本的にお金さえ払えば、彼らもビジネスなので人質を解放し、日本には帰れるんですけど、それでは迷惑をかけるし、何よりも格好悪くて恥ずかしい。信頼できる人間とコミュニケーションして情報を取りながら危険を回避するしかなかった」
 そうして撮り続けた作品の背後には紛争やテロで犠牲になった人たちの血が流れている。
 「圧倒的に強い軍隊に対して(不均衡な)組織などが抗戦する『非対称戦』のように、20世紀後半からは第二次大戦までの『正規戦』といわれるものから様相が違ってきた。中南米では犯罪か戦争か分からないカオスがあり、マフィアが軍隊化し、(コロンビアの犯罪組織)メデジン・カルテルは最盛期に戦車や潜水艦まで持っていた。共産ゲリラの革命軍は政府軍を圧倒し、民間人の自警軍はゲリラと戦った。パレスチナはイスラエルに対して〝弱者〟であることを武器にした。ウクライナもロシアに対する非対称戦とはいえ、戦車同士が向かい合い、近代兵器を打ち合う大規模戦闘は正規戦に近い感覚を持ちました」
 会場には東日本大震災の被災地である福島・南相馬やウクライナなどで撮影した作品も展示。写真という2次元でありながらも、撮影者の現場体験に裏打ちされた「リアル」が立体的に浮かび上がっていた。
(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)
https://news.yahoo.co.jp/articles/56c4ef2b468acf219f989bf3864452c11746096a

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ジャマイカにおけるマリファナ規制の歴史(1/4)

2023-02-08 | 先住民族関連
Yahoo!ニュース2/7(火) 23:20
園田寿甲南大学名誉教授、弁護士
■はじめに
 カリブ海に浮かぶ美しい小国ージャマイカ。国民の9割が黒人であり、肌の色が社会的地位に関係する「カラーカースト制」がいまだに色濃く残るといわれている。このジャマイカにおけるマリファナ(大麻)規制の歴史を紹介するのは、次の二つの理由からである。
 第一は、ジャマイカは政府による大麻の厳罰政策が世界でももっとも長く続いた国の一つであるが、その規制が医療や公衆衛生といったレベルの議論ではなく、もっぱら政治的な理由によって実施されてきたよくあるケースの一つだからである。言葉を変えれば、ジャマイカのマリファナ規制の歴史は、合理的説明や反証の可能性を許さない政治的決定に基づいて実施された典型例なのである。
 第ニは、2015年に改正危険薬物法(The Dangerous Drugs Act)が施行されたことである。これにより、従来の厳格な懲罰的規制が非刑罰化政策に劇的に変わり、マリファナの医療目的での利用とともに宗教的利用、つまりマリファナの文化的重要性が認められたのである。
 マリファナの宗教的利用は、薬物に関する基本的な国際条約である〈麻薬単一条約〉の枠組みを一歩踏み出したものとして、今後他国に大きな影響を与えることが予想される。
■ジャマイカにおけるマリファナ(ガンジャ)の起源
 アメリカ大陸へ流れ着いたコロンブスは、2度目の航海でジャマイカに上陸した。1494年のことだった。これが、強国に翻弄されるその後のジャマイカの悲惨な歴史の始まりである。1509年にスペインの植民地となり、1655年まで続いた。
 スペイン人はこの地にサトウキビのプランテーションを建設し、先住民を奴隷のように酷使した。また先住民にはスペイン人が持ち込んだ細菌に対する免疫力もなかったため、彼らはやがて絶滅してしまう。そこでスペイン人たちは西アフリカから黒人奴隷を連れてくることによって、労働力を補充したのである。
 その後スペインがイギリスとの戦いに負け、1670年のマドリッド条約によって、ジャマイカは今度は正式にイギリスの植民地となり、1962年の独立まで大英帝国の中で最も長く植民地支配を受けた国となった
 1838年に奴隷制度が廃止されると、自由になった多くの黒人奴隷はプランテーションを離れて山間部で暮らすようになった。プランテーションでは新たにロープや布などの原料にするために大麻草の栽培が計画された。イギリスは、多くのインド人労働者を移民として連れてきたが、彼らが短期間に黒人労働者たちにマリファナ(大麻)のすべてを教え、マリファナは瞬く間に黒人たちの間に広がった(ジャマイカではマリファナのことを「ガンジャ」(ganja) と呼ぶが、これはインドでの大麻の呼名である)。しかし、大麻草の計画的栽培はすぐに頓挫し、大麻草は野生化した。これがジャマイカにおけるマリファナ問題の始まりだといわれている。
 ジャマイカにおけるマリファナの起源については、もう一つの可能性がある。大麻を最初にジャマイカ社会に持ち込んだのは西アフリカから連れてこられた黒人奴隷であり、すでに彼らには大麻の一般的な習慣があり、それはアフリカから何世代にもわたって続いていたという説である。現在でもアフリカ由来の宗教的慣習がジャマイカに存在し、アフロ・ジャマイカ文化集団が維持しているクミナ(kumina)と呼ばれる宗教的色彩の濃い民族儀式などが残っている(これがレゲエに影響を与えたとも言われている)。
 ジャマイカは大麻草栽培に最適な気候で、毎年2回収穫が可能だ。とくに狭い丘陵地帯や小作で生活を維持していた黒人たちにとっても、拡散した大麻草は理想的な作物だった。何千もの農家が自分たちのために大麻草を栽培し、余った大麻草を販売するという、今日まで続く農業パターンが始まったのである。(続)
ジャマイカにおけるマリファナ規制の歴史(2/4)(園田寿) - 個人 - Yahoo!ニュース
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ジャマイカにおけるマリファナ規制の歴史(4/4)(園田寿) - 個人 - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/sonodahisashi/20230207-00335362

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