北海道新聞 01/18 16:37
札幌アイヌ協会が、米国アリューシャン列島の先住民族アリュートとの交流事業を始める。アリュートの一部は太平洋戦争中、旧日本軍のアッツ島占領で島を追われ、小樽で抑留生活を余儀なくされた。アイヌ協会幹部らが2月に米アラスカ州を訪れ、抑留経験者らと面会する。互いの歴史や文化を学び、先住民族の復権に向けて連携したい考えだ。
アリュートはアリューシャン列島に住み、カヤックでアザラシを捕る独自の文化を持っていた。北千島のアイヌ民族と交流があったとされる。18世紀にラッコの毛皮を求めて進出したロシア人が安価な労働力として酷使し、人口が激減。1867年に米国が列島の大半をロシアから購入した。
アッツ島のアリュート40人は1942年(昭和17年)、旧日本軍の島占領に伴い、小樽に強制移送され、抑留。戦後は米国に戻ったが、島には戻れなかった。島では43年に日本の守備隊が全滅する「アッツ島玉砕」があった。
アリュートは現在、戦時中に米政府によって強制移住させられたアラスカなどで暮らす。交流の契機は、アッツ島玉砕の道内遺族らが昨年7月にアラスカで慰霊祭を行った際、アリュートの歴史が話題となったこと。慰霊祭発起人の出口吉孝さん=札幌市=が、札幌アイヌ協会の阿部一司会長と先住民族同士の交流について協議し、道を通じて現地の関係者と連絡を取った。
札幌アイヌ協会の多原良子副会長らが2月初めにアラスカ州アンカレジを訪問。小樽での抑留を生き抜いたアリュートらと会い、今夏、文化イベントを開催することを提案する。阿部会長は「アリュートとアイヌは苦難の歴史を経験した共通点がある。若者世代を含めて交流していきたい」と意気込む。(竹中達哉)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/268112
札幌アイヌ協会が、米国アリューシャン列島の先住民族アリュートとの交流事業を始める。アリュートの一部は太平洋戦争中、旧日本軍のアッツ島占領で島を追われ、小樽で抑留生活を余儀なくされた。アイヌ協会幹部らが2月に米アラスカ州を訪れ、抑留経験者らと面会する。互いの歴史や文化を学び、先住民族の復権に向けて連携したい考えだ。
アリュートはアリューシャン列島に住み、カヤックでアザラシを捕る独自の文化を持っていた。北千島のアイヌ民族と交流があったとされる。18世紀にラッコの毛皮を求めて進出したロシア人が安価な労働力として酷使し、人口が激減。1867年に米国が列島の大半をロシアから購入した。
アッツ島のアリュート40人は1942年(昭和17年)、旧日本軍の島占領に伴い、小樽に強制移送され、抑留。戦後は米国に戻ったが、島には戻れなかった。島では43年に日本の守備隊が全滅する「アッツ島玉砕」があった。
アリュートは現在、戦時中に米政府によって強制移住させられたアラスカなどで暮らす。交流の契機は、アッツ島玉砕の道内遺族らが昨年7月にアラスカで慰霊祭を行った際、アリュートの歴史が話題となったこと。慰霊祭発起人の出口吉孝さん=札幌市=が、札幌アイヌ協会の阿部一司会長と先住民族同士の交流について協議し、道を通じて現地の関係者と連絡を取った。
札幌アイヌ協会の多原良子副会長らが2月初めにアラスカ州アンカレジを訪問。小樽での抑留を生き抜いたアリュートらと会い、今夏、文化イベントを開催することを提案する。阿部会長は「アリュートとアイヌは苦難の歴史を経験した共通点がある。若者世代を含めて交流していきたい」と意気込む。(竹中達哉)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/268112