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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

アイヌの心、料理で伝える 計良さんの遺作、仲間が翻訳

2019-01-12 | アイヌ民族関連
北海道新聞 01/11 21:06 更新
 アイヌ民族の権利回復運動に取り組んだ故・計良(けいら)智子さん(享年68)が生前、北海道新聞で連載し、出版された本「アイヌの四季―フチの伝えるこころ」(1995年、明石書店)の英訳併記版がこの冬、出版された。四季折々の食事からアイヌ民族の生活の知恵や精神性を伝えた1冊で、計良さんの旧友らが約4年かけて翻訳した。
 英訳は、札幌市に住んでいた計良さんの20年来の友人で、外国人支援のボランティアなどに取り組んでいる同市の吉田三千代さん(69)が中心となり進めてきた。2014年に計良さんの夫の光範さんから翻訳を依頼されたものの、がんで闘病中だった光範さんはその3カ月後に他界。計良さんも同じくがんで16年に亡くなった。
 「2人との約束を果たしたい」と計良さんの死後、語学に詳しい知人らに声をかけ、本格的に作業を始めた。監修は、アイヌ文化に詳しい北大大学院教育学研究院のジェフ・ゲーマン准教授に依頼。書名は「THE SPIRIT of HUCI Four Seasons of an Ainu Woman(フチの伝えるこころ―アイヌの女の四季)」とした。
 英訳の基となった「アイヌの四季―フチの伝えるこころ」は、計良さんが静内町(現・日高管内新ひだか町)のフチ(おばあさん)の家に1年間住み込んだ経験を基に、伝統料理のレシピやフチたちとの思い出を書き記した。「単に英訳するのではなく、智子さんが伝えたかった思いを重視した」と吉田さん。その分、表現の方法などに迷い、「彼女がいてくれたらと何度も思った」と振り返る。
 英訳併記版は、アイヌ民族文化財団の助成による非売本として昨年11月末に完成し、道内の図書館などに寄贈された。その後、同12月に寿郎社(札幌)が市販本として発売。吉田さんは「海外の方々がアイヌ民族について知る入り口のような1冊になれば」と願う。
 B5判208ページ。2500円(税別)。道内外の主要書店などで購入できる。(斉藤千絵)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/266159

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チャシ跡観光 来訪者2年連続3,000人超【根室】

2019-01-12 | アイヌ民族関連
根室新聞2019.01.11

日本100名城に選定されている根室半島チャシ跡群を見学する観光客(昨年5月10日)
 「日本100名城」の一つになっている国指定史跡「根室半島チャシ跡群」を訪ねる団体観光ツアーが今年度、過去最多となったことが、根室市観光協会(小林茂会長)の集計で分かった。胆振東部地震の影響で9月、10月の個人客に減少傾向が見られたことから、個人客を含めた総人数では前年度実績を6パーセントほど下回った。こうした中、10、11月に企画された根室をじっくり巡る旅行が好評で、今年も4月下旬以降に計13本のツアーが組まれ参加者を募集しており、新年度の入り込みに期待が膨らむ。
 市観光協会が1月10日現在でまとめた集計によると、今年度(昨年4月~)、根室半島チャシ跡群を訪れた団体ツアーは28件、770人で、昨年度の26件745人を上回った。5月10日の大阪発ツアーを皮切りに、5月4件、6月3件、7月、9月各2件、10月9件、11月7件、12月1件で秋に集中した。団体受け入れでは、市民ガイド「ねむろトコロジストの会」が案内役として活躍した。
 10、11月には、クラブツーリズムが市観光協会はじめ根室市内の観光関連事業者などと連携して企画した「連泊で13ケ所のDEEPな根室を巡る3日間」と題したツアーが7件含まれている。ツアー会社が募集し7本すべて催行となり、チャシ跡を含めて根室の素材を生かして、通過型から滞在型観光の手応えを感じさせた。
 チャシ跡観光では、市観光協会(観光インフォメーションセンター)と市歴史と自然の資料館で、現地案内地図や100名城を巡るスタンプラリー用のスタンプを押印していることから、個人の来訪者数は両方の利用状況から推定しており、今年度の団体と合わせたチャシ跡観光の総入り込みを3,067人と推計した。昨年度より194人少ないが、2年連続で3,000人台に乗り、100名城のスタンプラリーが始まった平成19年度以降のチャシ跡推定来訪者は1万5,000人(1万5,138人)を超えた。
 同協会では、昨年度を下回ったのは昨年9月6日に発生した胆振東部地震の影響で、9、10月の観光入り込みが減少傾向だったことが影響したものとみている。
 チャシ跡は、アイヌの祭祀や集会、戦いの砦など多目的に利用されたものと推定されている。道内に約500カ所の存在が確認されているが、根室市には32カ所もあり、保存状態が良いことや分布密度が濃いことなどから、考古学上の重要な遺跡として、昭和58年に「根室半島チャシ跡群」として21カ所まとめて国指定史跡となり、同59年に3カ所追加されて現在24カ所が指定されている。
 平成18年に公益財団法人日本城郭協会が選定した「日本100名城」に入り、同19年6月からスタンプラリーが始まると、城マニアや歴史的な遺構に興味を持つ観光客の注目スポットに。市教委は、見学しやすいノツカマフチャシ跡とヲンネモトチャシ跡に案内看板や駐車スペースを整備。地元有志が空撮映像やイメージキャラクターのチャシガールズを作り、紹介動画をインターネット上にアップするなどPRしてきたところ、来訪者が年々増加してきた。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/9599

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