会員限定有料記事 毎日新聞2019年1月6日 東京朝刊
(新潮新書・821円)
切実な思いが生んだ書物
あの世もこの世も、老人には懐かしい言葉である。実質的な内容を欠くという意味で、じつはほとんど死語ではないか。
生死はもっぱら個人のものとなり、直葬、家族葬は半数を超えた。あの世、つまり死後の世界はもはやないというしかない。この世つまり世間もしだいに具体的な形を消して行き、グローバル化したネット空間だけが生き残る。
著者は日本の田舎を訪ね歩く。「人と人、人と自然との豊かなつながりをいまだ保っており、死者や神々への…
この記事は有料記事です。
残り1172文字(全文1403文字)
https://mainichi.jp/articles/20190106/ddm/015/070/003000c
(新潮新書・821円)
切実な思いが生んだ書物
あの世もこの世も、老人には懐かしい言葉である。実質的な内容を欠くという意味で、じつはほとんど死語ではないか。
生死はもっぱら個人のものとなり、直葬、家族葬は半数を超えた。あの世、つまり死後の世界はもはやないというしかない。この世つまり世間もしだいに具体的な形を消して行き、グローバル化したネット空間だけが生き残る。
著者は日本の田舎を訪ね歩く。「人と人、人と自然との豊かなつながりをいまだ保っており、死者や神々への…
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