北海道新聞 (01/13 07:00)
【釧路】明治から大正期にかけて、釧路市の春採アイヌ学校教師の永久保秀二郎(1849~1924年)が記したアイヌ語やアイヌ伝承に関する和訳集「アイヌ語雑録」について、釧路アイヌ文化懇話会会員の中村一枝さん(83)=札幌市在住=が訳を再検証して辞典風にまとめ、復刻版「永久保秀二郎の『アイヌ語雑録』をひもとく」として自費出版した。これまで資料が少なかった釧路地方のアイヌ語を分かりやすくまとめた。
復刻版はA5判323ページ。編集は約20年前に着手した。永久保が記した約1800のアイヌ語訳を既存の文献や辞典で検証し、新たな考察を加えて、まとめ直した。またアイヌ語をあいうえおの発音順に並べ、調べやすくした。
永久保は宮城県出身。春採アイヌ学校で約30年間、アイヌ民族の子供らに読み書き、そろばんを教えた。雑録の原本には日常会話や家訓も収録。現在は市立釧路図書館に所蔵され、コピーを閲覧できるが、書式がメモ書き風で読みづらい難点があった。
中村さんは復刻版700冊を寿郎社(札幌)から自費出版し、約400冊を知人らに寄贈。残り約300冊は同社を通じ、全国の大型書店で2600円(税別)で販売している。
中村さんは「アイヌ民族の自然観や生活の知恵に触れることができる。ほそぼそと息づくアイヌ語を盛り返すきっかけになれば」と話す。
札幌学院大の奥田統己(おさみ)教授(アイヌ語学)によると、アイヌ語は各地に方言があり、主要なアイヌ語辞典は戦後に日高や千歳など一部地域の言葉をまとめたものが大半だという。奥田教授は「まとまったデータに乏しかった20世紀初頭の釧路のアイヌ語の方言がよく分かる類例としてまとまっている」と評価している。http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/585517.html
【釧路】明治から大正期にかけて、釧路市の春採アイヌ学校教師の永久保秀二郎(1849~1924年)が記したアイヌ語やアイヌ伝承に関する和訳集「アイヌ語雑録」について、釧路アイヌ文化懇話会会員の中村一枝さん(83)=札幌市在住=が訳を再検証して辞典風にまとめ、復刻版「永久保秀二郎の『アイヌ語雑録』をひもとく」として自費出版した。これまで資料が少なかった釧路地方のアイヌ語を分かりやすくまとめた。
復刻版はA5判323ページ。編集は約20年前に着手した。永久保が記した約1800のアイヌ語訳を既存の文献や辞典で検証し、新たな考察を加えて、まとめ直した。またアイヌ語をあいうえおの発音順に並べ、調べやすくした。
永久保は宮城県出身。春採アイヌ学校で約30年間、アイヌ民族の子供らに読み書き、そろばんを教えた。雑録の原本には日常会話や家訓も収録。現在は市立釧路図書館に所蔵され、コピーを閲覧できるが、書式がメモ書き風で読みづらい難点があった。
中村さんは復刻版700冊を寿郎社(札幌)から自費出版し、約400冊を知人らに寄贈。残り約300冊は同社を通じ、全国の大型書店で2600円(税別)で販売している。
中村さんは「アイヌ民族の自然観や生活の知恵に触れることができる。ほそぼそと息づくアイヌ語を盛り返すきっかけになれば」と話す。
札幌学院大の奥田統己(おさみ)教授(アイヌ語学)によると、アイヌ語は各地に方言があり、主要なアイヌ語辞典は戦後に日高や千歳など一部地域の言葉をまとめたものが大半だという。奥田教授は「まとまったデータに乏しかった20世紀初頭の釧路のアイヌ語の方言がよく分かる類例としてまとまっている」と評価している。http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/585517.html