コムラサキ(小紫)が色付く頃、
秋の深まりを思う、
輝く紫の小さな玉それぞれに、
一つ一つの世界が宿る、
ムラサキシキブとは別なれど、
この木を見て人はムラサキシキブと呼ぶ、
さもありなん、
その一つの世界に分け入る、
ラクウショウとメタセコイヤの林、
その間を何処までも木道が続く、
この二つの木もまた似通っている、
樹形と言い、
葉も同じように見える、
違いと言えば、
小枝も葉も、
互生がラクウショウ、
対生がメタセコイヤ、
実も違うのだが、
メタセコイヤの実には出会っていない、
この木がメタセコイヤ、
滋賀県マキノのメタセコイヤの並木が続くという、
緑葉、紅葉、落葉、
すべて御見事、
先の木がラクウショウ、
ラクウショウと言えば、
気根、
新宿御苑の小人たち、
まだ季節とならないけれども、
紅葉・黄葉と言えば広葉樹林、
その先に続く、
広葉樹の林を抜けると、
池に至る、
ススキが揺れる晩秋、
夕暮れの空はどんよりとしている、
小川が細く池まで流れて行く、
突然現れた番の鴨、
ここにも世界が広がる、
その先にカルガモ、
ススキの先に、
静かな池が現れる、
湧き水は冷え冷えと、
欅の林がざわめく、
木の下にホトトギスが咲く、
異質な世界がある、
暮れなずむ頃、