京都・静岡・宝塚・東京・横浜、
そして尾張名古屋からの季節だより
石神井池、
御屋敷に囲まれてた一角がある、
石神井池よりも街に面している、
夕暮れとなると、
人通りは絶え、
静かな時間が戻ってくる、
すべてが自然の中に帰って行く、
残照が微かに語りだす、
枯れた葦、
セピアの水面、
木々は闇の中に消えて行く、
紅梅に夕陽が残る、
夕陽を背に影絵となる、
柳の向こうに葦、
石神井池の時間が止まる、
水面に移る木の枝の間から、
別の世界に入って行く、
池からの天空、
木々の間に、
月、
昼と夜、
どちらが本当の姿を見せるのか、
捜真学院、
横浜、
居留区に1886年創立される、
シャーロット・ブラウン、
第2代校長クララ・A・カンヴァース、
現在の地は反町駅から、
坂を登りきったところに建つ、
礼拝堂入口の白百合のレリーフ、
ステンドグラスが迎える、
大理石の床に反射する妙、
正面扉に、
オルガンの響きに誘われるように、
礼拝堂に導き入れられる、
正面にパイプオルガンが、
圧巻の存在感、
渡廊下を通り小学校に向かう、
玄関の公孫樹の大木が見守っている、
少女が出迎える、
玄関ラウンジ、
運動場から眼下の街を眺める、
歴史は現代に織りなされていく、
横浜、
反町駅を降り、
坂を上ると丘の上に建つ、
捜真小学校、
捜真女学校中学部、
捜真女学校高等部、
吹き抜けの明るい、
玄関ロビーから中庭を眺める、
ガラスの空間に、
聖書を掲げる少女、
ピロティーから中庭に至る、
穏やかな陽を浴びて、
藤棚が葉芽を宿す、
周りを校舎が囲む、
廊下の壁面に、
メモリアルホール、
所用で都庁に出向く、
新宿駅から高層地区へと歩くと、
ビル風が走る、
見上げれば、
ランドマークの一つ、
枯れ木とビル、
奇抜な都庁が顔をのぞかせる、
季節外れのツツジがビルの足元に咲く、
雲がかかり陽が見えなかろうと、
土砂降りの雨が降ろうとも、
朝が来れば、
その地に太陽は登っている、
自分の立ち位置から見れば、
天候により、
日の出を見る時もあれば、
見ない時もある、
自分中心に考えることを一時止め、
自分の外から周りの世界を、
見ることが必要な時が来ている、
冬の太陽はことさら大きい、
朝日しかり、
夕陽しかり、
辺りが朱色に飲み込まれてしまう、
その昇る太陽と沈む太陽を、
見つめる楽しみは誰にも許されている、
太陽を本当にみたければ、
目を閉じて太陽を見ればよいと、
ある小学一年生が語ったが、
その通りだと感じる、
朝が来れば、
陽が登り、
すべてのものは闇から解放されると言う、
復活は毎日起こっていると、
水平線に昇る太陽を見ながら、
地平線に昇る太陽を見て、
原住民たちはそこに復活を見たと、
ユングは語る、
小さなマンションの、
テラスからも見ることができる、
東雲の新宿を遠望、
大気が騒ぐ、
新宿が浮かび上がる、
欅の巨木も目覚める、
鳥が飛び来る、
静かな音が流れる、
雲間に光が、
欅はざわめき、
瞬間、
一瞬の時が過ぎると、
何時もの朝となる、
詮方尽くれど希望(のぞみ)を失わず、