ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

              【お知らせ】

【定休日は毎週水曜日です。】【7月も毎週日曜日は休業します。】

「石の華 弐」

2020-10-08 18:33:04 | 日記

先ほど、ようやく新しい店舗の準備が整いました。これから引っ越し作業が始まります。

今日は、今しか見れない写真を出します。

10月10日(土)から「石の華 弐」が始まります。乞うご期待!!

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界は、見つけられるのを待っている。

2019-04-05 14:05:17 | 日記
私はいつも「鉱物」と共に「多面体」というワードでも本の検索を日課にしているのですが、その作業の中で「はじめアルゴリズム4」(三原和人)というコミックが引っかかり、そのマンガを読んでみました。すると、ミョウバンの結晶から正多面体とオイラーの定理の話題が出ていました。さらに黄金比やリーマン予想の話題も出てきたりして面白かったと思います。そして、今日のブログのタイトル「世界は、見つけられるのを待っている。」はそのコミック本の帯に書かれていた言葉です。

この「はじめアルゴリズム4」の最後の方で、オイラーが取り組んだ無限級数(「バーゼル問題」と円周率πの出現の話題を含む)からオイラー積で自然数と円と素数の繋がりに触れ、リーマン予想(ゼータ関数のゼロ点の並びの法則性)、さらに、あの素数の間隔についての式と原子核のエネルギーの間隔の式の類似性の話題に続いていました。その話題は、私は「NHKスペシャル 魔性の難問 リーマン予想・天才たちの闘い」(2009年)を見た時に初めて知り、そして驚いた記憶があります。それはヒュー・モンゴメリーという数学者とフリーマン・ダイソンという物理学者の偶然の出会いと会話から始まったという逸話のことです。それは現実と数学が繋がった瞬間で、宇宙と素数は繋がっており、さらに万物の理論の完成が期待できる、という驚くべき話題だったと思います。

そのマンガの最後は「まるで世界自身が驚く僕らを見て楽しんでいるみたいだ・・・」と締めくくってありました。

現在、NHKのリーマン予想の番組から10年も経っています。その後のリーマン予想はどうなっているか?が気になり、チョッと調べてみました。すると、昨年9月に英エディンバラ大名誉教授のマイケル・アティヤ氏(89)が証明したと発表し、その真偽確認中の今年の1月に死去されたそうです。その内容も「微細構造定数」(物理学において,電磁相互作用の強さを表す物理定数のこと)の論文で、その副産物として証明されたそうです。その論文はWeb上でも見れます。(たった5ページで完結)数学の世界では少なくとも2年間はその証明が正しいかの検証に耐えなければならないそうで、その証明が正しいのかはまだ不明の状態だそうです。

リーマン予想が解決されたのかどうかはまだはっきりしていないようですが、重要な未解決問題である事には変わりありません。それよりも「世界は、見つけられるのを待っている。」のです。あとはいつはっきりするのかという時間の問題だけなのだろうと思います。

このブログは石のブログです。今日のタイトルだと新鉱物発見の話題になるのでしょうが、世界(自然界)は未発見鉱物であふれていると思います。それらを発見する事は研究者たちの仕事です。

それよりも、身近な世界(自然界)にも見つけられるのを待っている石達がたくさんいる(ある)はずです。それらを保護条例として禁止してしまう愚かさを再考すべきだと思います。世界は誰の物でもありません。未発見のまま死蔵してしまうよりも私達共有の財産として発見すべきだと思います。「世界(石)は見つけられるのを待っている。」のです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

十字3

2014-12-25 15:40:21 | 日記
今日は「十字3」です。昨年のクリスマスに「十字2」、一昨年のクリスマスに「十字」、3年前のクリスマスに「十字石」というタイトルで書いておりました。

今、店にある十字模様のある石を探してみましたが、そう簡単に見つかりません。十字探しをしている内にシラーで十字が現れる石の存在を思い出しました。今日の「十字3」ではそのような石を出す事にします。



上の写真はグレームーンストーンのアクセサリーです。カボションに磨かれた丸い石の表面に十字スターが現れています。スター効果はルビー、サファイア、ローズクォーツ、ガーネット等によく現れる6条のスターが有名(希に12条のスターもあります)ですが、石によっては4条の十字スターが現れるものがあります。以前は十字スターが現れるサンストーンもあったのですが、今は売れてしまって写真がありません。

ムーンストーンもサンストーンも長石グループに属する鉱物の宝石名です。長石グループの鉱物は正長石と曹長石と灰長石を頂点とした三角形図が有名ですが、正長石と曹長石の間には化学組成の違うものが固溶体として複数存在し、同じように曹長石と灰長石の間にも同じような固溶体が複数存在します。不思議な事に正長石と灰長石の間には何も存在しません。ムーンストーンやサンストーンに現れるシラーやスター効果はそのような固溶体としての2種類の成分が薄片状に層をなして分離し、この層の厚さが可視光の波長の長さになった場合に、光の散乱と干渉とによって起きるのです。ただ、そのような原理を理解したとしても、その不思議な光彩効果には神秘的な魅力を感じてしまいます。



上の写真はブラック・ダイオプサイトの大型ルース(縦4cm 横2.5cm 厚み1.5cm)です。別名ブラックスターと呼ばれ、その名の通り、光を当てると十字のスターが現れます。このルースは表面が広いので、見る角度によっては複数の十字スターが出て、漢字の井のようにも見えます。この十字スターは内包された針状のマグネサイトによって光が交差して起こる現象のようです。

長石族の十字スターもダイオプサイト(透輝石)の十字スターも鉱物種やスター効果の現れる原理が異なっても同じような十字模様が出るところが如何にも鉱物的で魅力を感じます。

6条のスター効果も如何にも鉱物的だと思いますが、4条の十字スターにも幾何学的にすっきりとした印象を受けてしまいます。

60度や90度の角度は鉱物の持つ幾何学的な実直な正確さを現しているような気がします。

十字スターを見ていると、クリスマス・ケーキの分割ではありませんが、円周360度を均等に切り分ける事に繋がっているような気がしてしまいました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする