ここに一つ、産地不明の観賞石があります。
上の写真がそれです。この石は手のひらサイズの台座付き観賞石の小品ですが、牡丹の花のような石です。
台座を外した裏側にも同じような牡丹の花のような模様があります。
面白い石だと思いますが、その産地や来歴が不明の観賞石です。
牡丹石というと新潟県牡丹石が有名らしく、Web検索では多くの画像が出てきます。ただ、今回の石とは何となく違うような気がしております。
さて、この牡丹の花のような石の正体は何なのでしょうか?
今日は「石の華」の石の華3(2023.07.21)以来の牡丹の花のような石の話題でした。
今日は「ペア2」です。(このブログでは過去に「ペア」2014.12.22というタイトルで一度書いておりました。)
ペアとは二つ一組のものの事ですが、石の世界では、特に化石のノジュールを割った時に出現します。
上の写真はボリビア産の三葉虫の化石です。凸の化石と凹の化石が一対のペアになっております。元々は一つの化石ノジュールを割ったものなので、当たり前かもしれませんが、このようにペアになって流通するものは意外に少ないような気がしております。
上の写真はネパール産のヒマラヤアンモナイトです。左右でペアになっております。
この化石の面白いところは、化石の一部が方解石になっており、その部分が結晶化しております。
上の写真もネパール産のヒマラヤアンモナイトです。こちらも左右でペアになっております。
私はネパールに行った事は無いのですが、その昔、ヒマラヤアンモナイトの採集現場をテレビ(NHK特集「地球大紀行」1986年)で見て感動した記憶があります。その番組のそのシーンはNHKアーカイブスで今でも見れますが、海抜4000メートルの山中の川で直径60cmの巨大なアンモナイトの化石の一部を採集した現場映像は印象深かった記憶があります。
ところで、巨大アンモナイトのノジュールの完全ペア化石はあるのでしょうか?もしかすると、どこかの博物館あたりで展示されているのかもしれませんが、存在するなら、一度見てみたいものです。
手のひらサイズのペア化石なら、比較的安価に入手可能です。もちろん「石の華」でも販売しております。
今朝、「石の華」の店内で五十数年ぶりに再会した中学生時代の同級生と懐かしい会話をしていると、同じく妻の中学生時代の同級生が訪ねて来て、うれしいお酒を頂きました。
上の写真がそれです。
このお酒は農口尚彦研究所の「観音下(かながそ)」です。
観音下は小松の採石場があった場所の地名で、観音下と書いて「かながそ」と読みます。
小松出身の私にとっては身近な「石」に関係するスポットの一つの名前です。観音下で採れた観音下石(かながそいし)は、別名「日華石」と呼ばれている黄色ががかった褐色の凝灰岩の石材で、国会議事堂や武庫川女子大学甲子園会館(旧甲子園ホテル)や旧大林組本店(大阪市中央区)にも使用されています。
その観音下石(かながそいし)石切り場は日本遺産「小松の石文化」の重要なスポットの一つでしたが、確か、現在は稼働していないと思います。
そのような「石」に関係する名前のお酒を飲む事ができそうで、嬉しい限りです。
実は、一昨日、現代の名工でもある農口尚彦さんのお弟子さんの杜氏のお一人が、「石の華」にご来店され、今年の生原酒を持って来て下さりました。その一部をおすそ分けしたのですが、その返礼としてこの「観音下(かながそ)」を頂いた次第です。
何か?世の中、石を中心にして、みんなつながっており、巡りまわっている、ような気がしております。
何年か前から通称ピンクアメシストとして流通しているアルゼンチン産のオレンジピンクの水晶のジオードがあります。ノジュールの中にローズカラーの水晶がつまっており、人気が高く、当店にも幾つか置いてあります。
それらの中の小さいものの晶洞の中を覗くと、菊花状紫水晶と同じようなフラワー水晶が張り付いたものがありました。
上の写真がそれです。
水晶の一部は晶洞の内壁に張り付くように横たわって成長しております。
比較的大きな晶洞内の水晶は内壁から立って成長しているものが多いように思えます。
それは大きなものの方が自由空間が広いので立って成長でき、小さいものの方は自由空間が狭いので、内壁に張り付くようになってしまった、という風にも考えられます。
そういう意味で、これも一種の成長干渉水晶と言えるかもしれません。
菊花状紫水晶も母岩にできた薄いクラックの中で成長した際に、その狭い割れ目の中で成長干渉されながら結晶成長した為に、そうなったのかもしれません。
それにしても、水晶の結晶成長も面白いものです。それが菊花状になるのもそれなりの理由があるはずです。
その理由が何なのかはわかりませんが、我々人間は、その結晶成長の結果を見て、菊花状になっていると勝手に愛でているだけなのです。