ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

ストーンキャンドル

2018-07-13 13:11:31 | 日記・エッセイ・コラム
事の発端は店のレジカウンターの上の蛍光灯が切れた事でした。二つある蛍光灯の片方は随分前に切れていたのですが、レジカウンターの後ろにある棚に雑多なものがたくさん置いてあった為、蛍光灯の交換の際に必要な脚立が置けないので、交換を諦めていました。ところが、全ての蛍光灯が切れてしまうと、店のレジカウンターのコーナーが暗くなり過ぎるので、今回は重い腰を上げて、棚回りを片づけ、脚立のスペースを確保して、蛍光灯の交換をしました。

その際に、棚回りに置いたまま忘れていた物が、色々、出てきました。

今日のブログのタイトルもそれらの中から出て来た物のひとつです。



上の写真はVilleroy&Boch(ビレロイ&ボッホは、ドイツの陶磁器メーカー)のストーンキャンドルです。これはもうずいぶん前に石のコレクションの一環として買った石の転石のような雰囲気の蝋燭(ろうそく)です。蝋燭でありながら、石の結晶のような質感が出ており、気に入っておりました。蝋人形ではありませんが、蝋燭というマテリアルも石のようなものをリアルに表現できる面白い素材だと思います。

そのストーンキャンドルを見ていると、何となく、先日、能登の海岸で拾ってきた石に似ているように思えました。



上の写真がそれです。



両者を並べてみました。似ているように思えます。

私が能登の海岸で拾ってきた石は、それほど意味がある訳ではなく、何となくいい感じがした石だったからです。今回のストーンキャンドルとは全く関係がありませんし、その石を拾った時にはストーンキャンドルの事などすっかり忘れていました。

面白いと思います。そのストーンキャンドルは石を模して作られたものですが、そのストーンキャンドルに似た本物の石の存在が後から出て来たのです。

思えば、人は何かを何か違うもので似せて作るという習性を持っているような気がします。絵画や彫刻のような芸術表現はその典型です。リアリズムやスーパーリアリズムの絵画は写真以上に似せて表現しますし、昨今の羊毛フェルトの作家さんは犬や猫などのペットをまるで生きているようにそっくりに似せて作ります。何かに似せて作る事は究極の表現方法なのかもしれません。(人工知能やアンドロイドも同じ延長線上にあるような気がします。)

何かに似せて作る事、石に限って言えば、昨今の鉱物お菓子や鉱物ドリンク、サボンジェム(宝石石鹸)等も同じ延長線上にあると言えます。人造宝石に至ってはその魁(さきがけ)でした。

そういえば、私の鉱物趣味歴で言えば、人工的なオーラ系水晶などは初期の頃からありましたし、天然イリデッセンスの水晶は後から現れました。ストーンキャンドルに似たような石が後から現れたようなものです。

現代、それから未来とは、本物とそれに似たようなものが混在する世界なのだろうと思います。

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