先日の日曜日、NHKの「八重の桜」のオープニングを見て、またもや衝撃を受けました。3月に水晶のクラスターと結晶成長の映像を見て衝撃を受けた時以来です。私は普段から大河ドラマを見る習慣がないので「八重の桜」のオープニングタイトルを見るのは偶然に左右されます。今回、またもや運よく9月バージョンを見る事ができました。
その映像は多面体です。多種多様の多面体が光りながら宙でクルクル回転しておりました。非常に美しい映像です。その映像を見た後すぐにWeb検索しました。するとCGだと思っていた多面体は紙で出来ており、さらにブラックライトで光っていたのです。今回の制作はTYMOTE(ティモテ)、どうも若手クリエイター・チームのようです。撮影場所は同志社大学の礼拝堂、八重ゆかりの地です。来週は録画したいと思います。
紙で作られた多面体、というと田中更士さんの事を思い出します。十数年前の事になりますが、東京の市ヶ谷駅近くを歩いていて偶然奇妙な個展をやっているのを発見しました。その個展は正多面体をメインとした様々な多面体模型の展示会でした。それらは紙で作られており、作者は田中更士という歯医者さんでした。私もその頃から多面体には興味を持っていましたので、その個展会場に入りました。そこには誰もいなかったので田中更士さんともお話ができました。趣味で多面体模型を作っているというお話でした。その興味深いお話を聞いていると、後で分かったのですが、日詰明男さんが入ってきました。日詰明男さんも多面体的な幾何学や数学をモチーフにした作品をつくっている芸術家・建築家で「STAR CAGE」が有名です。その後、3人での話になりましたので、先に来ていた私は先に失礼しました。
そうそう、田中更士さんは2009年に「SCIENCE CRAFT」(美術出版社)という作品集を出版されました。その本の中で田中更士さんの作品達が開花しております。美しい数学・幾何学の華が咲き誇っています。おすすめです。
多面体的な美しさは鉱物結晶の美しさに相通じていると思います。その規則正しい繰り返しが生む理知的な美は数学・幾何学的な世界と結晶世界とに共通しております。根本的には両者は同じです。
その事は拡大解釈すれば、花の世界にも共通している事かも知れません。カラフルに色付けされた多面体は見ようによっては桜の花のようでもあります。
そういえば、「八重の桜」のオープニングタイトルに出てくる傘も花咲いているように見えるではありませんか。
開いた傘は放射状の形をしており、放射状結晶に相通じています。「相通じる」そうか!「会津」ですね。