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鉱物の部屋へのいざない

黄銅鉱2

2013-01-21 15:48:23 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「黄銅鉱2」です。

黄銅鉱の美しい自形単結晶は四面体になります。

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Huancavelica,Peru 黄銅鉱・方鉛鉱(Chalcopyrite/Galena)

これは黄銅鉱の複数の大小の四面体結晶が貫入双晶しています。さらにキューブ状の方鉛鉱も共生しており、黄銅鉱にも貫入しています。黄銅鉱の四面体の単結晶は珍しく、黄鉄鉱のようにクリアな結晶はなかなかありません。ただし、ペルー産の黄鉄鉱にはそのように見えるものがあります。ただし、完全な正四面体にはならないようです。

正四面体を最も基本的なシステムだと考え、万物の根源は正四面体であるとしたのはバックミンスター・フラーですが、黄銅鉱はフラー好みの鉱物だったかも知れません。

自然界には幾何学図形が潜んでいます。ただし、完全な正四面体はイデアの世界のみに存在するもので、現実の実体として存在するものには、たとえ純粋な鉱物結晶の世界にも存在しないようです。

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Joplin,Missouri,U.S.A. 黄銅鉱・閃亜鉛鉱(Chalcopyrite/Sphalerite)

これは閃亜鉛鉱(べっこう亜鉛)の母岩に無数の小さな黄銅鉱の四面体結晶が共生しています。上の写真からも少し分かるように閃亜鉛鉱にはブルーを基調としたレインボーが見え、黄鉄鉱の金色との組み合わせが美しい標本です。黄鉄鉱の小さな四面体結晶の一面は正三角形ではなく、少し丸みのある三角形になっています。

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ロシア ダルネゴルスク 産 黄銅鉱・方鉛鉱・閃亜鉛鉱(Chalcopyrite/Galena/閃亜鉛鉱)

これは不思議な鉱物結晶を多産するダルネゴルスク産の標本です。この標本の黄銅鉱の結晶は丸みを帯びています。そしてよく見ると、その結晶面には結晶の成長丘が見えます。成長丘は三角形を基調としており、その等高線のような模様も魅力的に見えます。そのせいか、普通の黄銅鉱の金色よりも光の反射で不思議な金属的な質感の金色に見えます。

黄銅鉱に限った事ではありませんが、国産鉱物に比べて外国産鉱物の方が派手でヴァリエーションに富んでいると思います。国産鉱物は何となく地味でサイズ的にも小さいものが多いようです。

次も外国産の黄銅鉱になります。

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