ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

「限りなく透明に近いブラック」

2022-10-11 10:47:09 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「限りなく透明に近いブラック」です。

透明とブラックは相反するので、普通、そんなことはアリエナイのですが、実は、石の世界では、そんなことがアリエルのです。

上の写真はアメリカのアリゾナ州産のアパッチの涙です。アパッチの涙とは黒い団塊状のオブシディアン(黒曜石)の事で、鉱物マニアにとってはビギナーの時の身近な存在だと思います。真珠岩の母岩の中に埋もれているものが有名ですが、分離したものも非常に安価に流通しております。

そのアパッチの涙を透かして見たり、ライトを当てて見ると、何と!透き通って見えるのです。

その様子は、さながら「限りなく透明に近いブラック」という表現が相応しいような気がしております。

相反する状態が共存する事、面白みを感じてしまいます。

思えば、「明るさの錯視」の中には、同じ色なのに黒に見えたり白に見えたりする錯覚現象があります。その現象も面白いのですが、アパッチの涙も光源によってブラックに透明感が現れるので同じような面白さを覚えます。

透明という視覚現象は気になる現象です。宝石鉱物や水晶の透明感は非常に重要ですが、他に、ガラスやアクリルの透明感も日常生活でも重要です。(透明なセラミックス素材も存在するそうです。)そして、絵画の写実画で表現される透明感には驚きがあります。他には、再帰性反射材などを利用した光学迷彩も面白いものです。SF映画には透明人間や、光学迷彩現象を利用したハイテクも出てきます。

透明には人を惹きつける何か潜んでいるような気がしております。

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