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鉱物の部屋へのいざない

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水の循環

2021-05-18 11:36:14 | 日記・エッセイ・コラム

枯れてしまった水入り瑪瑙の中の水はどこへ行ってしまったのでしょうか?

それは気化して蒸発し、また再度、大気中に拡散してしまったと考えられます。それは、液体として石の中に閉じ込められていた事から解放され、再び大いなる水の循環の中に旅立った、とも言えます。それは、ある時は雲に、そして雨になり川や海の水に、そして、ある時は雪や氷に姿を変えながら循環していくのです。それぞれの水の分子は離合集散を繰り返し、無限ともいえる永劫回帰を繰り返していくのでしょう。

水の循環(水の旅と石の旅)をテーマにしたジオパークが身近なところにあります。それは白山手取川ジオパークです。現在は日本ジオパークですが、今度はユネスコ世界ジオパークを目指している最中です。それは、天然記念物や世界遺産とは異なり、保護よりも保護と活用を目的としており、地域の活性化が期待できる望ましい姿です。そうなって欲しいものです。

さて、水の循環は地球という惑星ならではの現象のひとつです。

地球が他の惑星と大きく異なっている事の代表例はプレートテクトニクスです。それは地球の表層環境を理解するうえで最も重要な概念だと思います。そのプレートテクトニクスに水の存在が大きく係わっているようです。プレートの動きは、沈み込み帯では海水を取り込んで、カンラン岩が熱水変性する際にタルク(滑石 モース硬度1として有名な鉱物)を生成し、その滑りが地震や大陸移動に関与しているらしいのです。また、マントル内まで入り込んだ水はマグマを生じさせ、それが火山となります。花崗岩のような大陸地殻も水の存在が関与しているらしく、水は陸の生成にも関係していたようです。

現在の日本列島も過去のプレートの動きと密接に関係しており、そこには水の循環が関与していたという事実は、非常に興味深い現象だと思います。

水の循環は石の循環にも関係があり、両者には密接な関係性があるのです。

 

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