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鉱物の部屋へのいざない

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螺鈿の台座

2021-02-02 11:08:42 | 日記・エッセイ・コラム

今日も同じ作者の遺愛石です。(石を受け継いだからには、それらを紹介しなければならないという使命感みたいなものを感じております。)

上の写真はこの地方によくみられる球顆流紋岩です。

クリストバライトだと思われる白い母岩に小さな丸い穴が開いており、その中にはドゥルージーな微細な水晶があり、時折きらめいて見えます。そんなところがこの石の魅力のひとつだろうとは思いますが、それほど珍しいものではないので、この石だけだと正直、それほど面白いものではありません。

ただ、この石には他にない特別な魅力があります。

それは、この石の台座部分にあります。

どうでしょうか?台座には螺鈿が施されております。このタイプの台座は珍しいのではないか?と思っております。この地方には輪島塗や高岡漆器という伝統工芸がありますが、この作者も螺鈿細工の技を持っていたらしく、石のイメージに螺鈿の台座をマッチングさせたようです。その辺にその作家性を感じてしまいます。

石の趣味でも、私の主な関心は、鉱物原石そのものを愛でる鉱物趣味にありましたので、台座付きの水石や観賞石にはそれほどの興味はありませんでしたが、この作者の台座には、なぜか惹かれてしまうのです。どうしてでしょうか?

それは、何かの縁があって、それらの石を引き継いでしまったからなのかもしれません。

コメント
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