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鉱物の部屋へのいざない

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黄鉄鉱型三角二十面体

2019-07-01 13:30:53 | 日記・エッセイ・コラム
数日前、積み木インテリアギャラリー(「多面体木工」の著者でもある中川宏さん)から郵便物が送られてきました。突然、何だろうと思って、箱の中を見ると、黄鉄鉱型三角二十面体の木製模型でした。ヒノキの良い香りを嗅ぎながら、その木製模型を手に取って見ると、実に美しい形だと思いました。









上の写真がそれです。写真では伝わりにくいのですが、直に立体視すると、丸シールを付けた正三角形の面が8面と二等辺三角形が12面とで規則正しく正20面体のように構成されております。それが黄鉄鉱の三角二十面体結晶の完全体模型だと思って見ると、非常にうれしくなってしまいました。

そして、お手紙も入っており、それを読んでみました。

すると、非常に驚くべき事が書かれておりました。

その内容とは、「黄鉄鉱型三角二十面体と小さな楔形四面体との二種類で空間充填することがわかりました。また、Al5型とよばれる超電導物質の構造(重みをつけた)ボロノイモデルでもあるようです。」と書いてありました。

空間充填とは空間内を図形で隙間なく埋め尽くす操作のことで、わかりやすい一種類の空間充填立体としては立方体があります。正二十面体は空間充填立体ではありませんが、黄鉄鉱型三角二十面体は二種類で空間充填することができる立体であったことが初めてわかったらしいのです。

その詳細は、

ikuro-kotaro.sakura.ne.jp/koramu.htm


黄鉄鉱型三角二十面体の木工製作(その1 19/06/22)から黄鉄鉱型三角二十面体の木工製作(その16 19/06/25)を参照。

Al5型とよばれる超電導物質はWeb検索でいくつかの論文が見つかりましたが、私は理解できていません。また、ボロノイに関しても理解できていませんが、何となく岩石の薄片の顕微鏡画像に似ているような気がしました。何か?関係があるかもしれません。

いずれにせよ、身近な黄鉄鉱にそんな性質があった事に驚いております。黄鉄鉱は「愚者の金」とも揶揄される存在でしたが、ある意味、金に勝る性質を持っていたわけです。

最後に、今回の三角二十面体の木製模型と尾小屋鉱山産の黄鉄鉱の結晶を並べた写真を出します。




コメント (4)
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