いぬぶし秀一の激辛活動日誌

おかしな議員[わんちゃん]の激辛日誌です。日々感じたこと、活動報告、行政への提言など、本音で書き込む人気ブログです。

予備自衛官招集訓練終了所感

2010-09-14 | Weblog
 5日間の招集訓練を終了して800キロのマイクロバス「移動訓練」も終わり自宅に到着した。府中基地到着時に、同行していた現職自衛官が「本部正面玄関前で下車してください。バスは荷物を載せて裏に回ります」と言う。なんとなく、はあ、はあ~!と思ったが、その通りだった。

 過去20年来、本部庁舎玄関でバスを降りるなどという「接遇」はなかった。だいたい裏口で降りて「コソコソ」帰るというパターンだった。それが、なんと本部庁舎玄関に、人事科長と担当官が制服制帽で出迎えているではないか!

 まさか、防空指揮群人事科が、私ごときのブログ(9月10日参照)を読んでいるとは思えないので、最初から帰路は「丁重に出迎える予定」だったのだろう。GOOD!である。来年からは「送迎」だとBETTERだと思う。現職自衛官にとっては、訓練で出かけるのは「日常」だが、予備自衛官にとっては「大事件」である。その事件を見送る、出迎える「たかだかの事」が、実は「人事」という仕事では大切なのだ。人事も慣れてくると「ヒトゴト(人事)」になってしまう危険がある。

 5日間の訓練で気づいた事項をいくつか所感として指摘しておこう。万一このブログを読んで下さる関係者がいたら、改善方お願いする。

1.航空自衛隊の「お役所化」について

実戦部隊である航空自衛隊が「お役所化」していることを痛感した。以前から、自衛官の「サラリーマン化」が嘆かれていたが「なるほど」という印象である。45名の予備自衛官参加者のうち、府中地区から初参加の2名が「予備自衛官手帳」という身分証明書の発行が間に合わなかった。結果、この2名は5日間「籠の鳥」状態で基地から外に出れなかった。

採用から1年近くの時間的余裕があって、たかだが身分証明書を作成できない組織も大問題だが、その事情を説明されたにもかかわらず「制服着用の現職または予備自衛官の幹部が引率しなければ外出は出来ない」と、偉そうに答えた第六航空団(小松基地)の対応にもあきれる。

このもっともらしい回答には無理があるのだ。

①府中地区の予備自衛官を引率している現職は2等空曹で幹部ではない。
②府中地区の予備自衛官には幹部が1名いるが、制服を支給されていない。

つまり理屈をこねているが、出来ないことを承知で回答している。

基地には様々な民間人が出入りしている。工事業者、自動販売機業者、食堂のおばさん、新聞配達のおばさんとおじさん等。いずれも立ち入り許可証を持っているので、民間人だが基地の出入りは自由だ。ところが、頭の固い第六航空団は、防衛大臣の訓練招集命令書を持参している予備自衛官に、基地から出てはいけない、とおっしゃるのだ。立派な「お役所仕事」である。

残念ながら、自衛隊の幹部人事は能力主義ではない。いかなる出自の何年採用か、同年次なら幹部候補生学校の卒業順位は何番か、さらに上級幹部になれば、指揮幕僚課程(通称:CSまたはCGS)の卒業順位が加わる。霞ヶ関の官僚と変わらない年功序列社会である。

結果、社会性や対応力などの能力よりも「規則」やら「ゴマすり」「試験対策」に精通した人間が昇任する可能性が高くなる。上記の事例など、人事班長が航空団司令の許可(実際には、基地業務群司令)を得て、臨時の入出門証を作ればいいだけの実に簡単な話だ。が、書類を1枚余計につくり、ハンコを3つ程もらわなければいけない。面倒くさい。したがって「外出させない」となる。いざ有事になれば「いい訳」など出来ないのだ。日ごろから「言い訳」を言わない組織作りが戦闘集団には求められる。

2.日韓の認識の違いについて

防衛教養の中で、教官になった若い幹部が、弾道ミサイル防衛計画やご自身の韓国空軍大学留学の経験談をされた。仔細は「秘」に触れる部分もあろうので書けないが、印象的な部分を示す。

韓国空軍パイロットは、朝鮮半島有事の際は、それぞれが「北朝鮮の○○市所在の○○を攻撃する」という明確な目標を与えられて訓練をしている。そのほとんどが、対地攻撃訓練である。空自の防空戦闘とは、まったく異なる。

韓国の軍人には「竹島問題」は存在しない。当然に韓国の領土だと思っているので、議論の対象にすらならない。

3.中部方面隊司令官の初参加

訓練4日目、中部航空方面隊司令官が「年飛(デスクワークについているパイロットが飛行技量保持のため計画的に飛行すること)」のため、小松基地に来られ、ついでに(?)予備自衛官永年勤続表彰式に臨まれた。(いや、正しくは、表彰式にあわせて年飛を計画されたのだろう)

私の知る限り、将官ましてや、中部航空方面隊司令官が予備自衛官の訓練中に来られたことは皆無である。表彰式の後の訓示で、温厚そうな司令官は、こう述べられた。

「幾多の困難を克服して訓練に参加されたことを、真にありがたく思う。我々の作戦計画の中に、皆さんは確実にカウントされている。有事に備え、いつでも現職に戻れるよう訓練を重ねて欲しい。ありがとう」

カウントされているかどうかは、訓練の仕方や処遇を見る限りは疑わしいが、司令官が自ら「謝意」を述べ、「君らは仲間だ」と訓示をする意義は大きい。制服を着ている公務員の多くは、名誉と公益のみに価値を見る。予備自衛官とて同じだ。

防衛省、航空幕僚監部には、正面装備の要求も大切だが、忘れられた「兵力」たる航空予備自衛官の有効活用と、モチベーションアップ策を講じていただきたいものである。

4.期待されていないことが判る懇親会参加者の低位化

訓練最終日には、必ず予備自衛官主催の懇親会が催される。そこには、訓練担当部隊の指揮官や教官らが招待され参加するのが恒例であるが、この参加者の階級が年々さがり、人数も激減しているのだ。

そのことからも「期待されていない」マンネリ訓練、との感を持ってしまうのだ。以前は、基地司令たる航空団司令、副司令、人事部長、基地防空隊長、訓練教官などが参加され無礼講で和気藹々とやっていたものだ。先日、九州春日市でお会いした、西部方面隊司令官などは、第七航空団司令当時、そのような席で知己を得た将官である。

ところが、昨日の懇親会。団司令はナイトフライトがあるため欠席。副司令は、統合幕僚学校入校中で欠席。基地防空隊の教官、その他の幹部の出席ゼロ。訓練教官の出席ゼロ。訓練地である第六航空団からの出席は、予備自衛官班長と人事班長の2名だけという悲しさである。人事班長は、乾杯後いなくなってしまった。

航空団には、基地業務群司令、飛行群司令、防衛部長、人事部長など上級幹部は複数勤務している。以前は、このような方々が皆出席されていたものだった。

まあ、忙しいのだろうが、相手にしてもらえない者のジェラシー。戦意喪失にも繋がりますぞ!

まあ、とは言うものの、少ない予算の中、愚連隊のような我々のために、様々な訓練ありがとう!
多謝!

にほんブログ村 政治ブログ 政治家(市区町村)へにほんブログ村

 
ブログランキング


↑お手数ですが上下両方,2回クリックして頂くとそれぞれランキングがあがります!





なかのひと

 




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。