いぬぶし秀一の激辛活動日誌

おかしな議員[わんちゃん]の激辛日誌です。日々感じたこと、活動報告、行政への提言など、本音で書き込む人気ブログです。

大田区議会代表質問「今こそ憲法改正!」

2018-09-14 | Weblog
たちあがれ・維新・無印の会の犬伏秀一です。会派を代表して質問をさせていただきます。区長のお考えをご答弁いただくのですから、今回は品性高く礼儀正しい姿勢で臨ませていただきますので、よろしくお願いいたします。

さて、我が国では最近、大規模な天災が頻発しております。大阪府北部地震、北海道胆振(いぶり)東部地震、7月豪雨、台風21号等、あげたらきりがありません。そして、それらが発生した際に語られる常套句が「想定外」であります。この言葉は東日本大震災以降、流行言葉の感すらあるのではないでしょうか。大規模災害に対する一義的な対策は国や都道府県が負うべきものでありますが、住民に最も近い基礎自治体も住民の安全に最大限の努力を平時よりはらうべき責務を持っていると考えられます。

台風21号での関西空港の想定外の被災、北海道地震における新千歳空港の被災など、災害時に国際空港が大混乱に陥ったことが報じられました。当区にも東京国際空港があります。勿論、空港内で被災した旅客の対応は空港施設管理会社や国土交通省が考えるべき課題でありますが、被災した旅客が区内に流入することは当然考えられることであります。

大規模災害発生時の旅客の区内流入を念頭に対策を構築すべきであると思いますが、いかがでしょうか。関西空港や新千歳空港では訪日外国人の大混乱が報じられておりました。いずれの空港も訪日外国人の避難誘導訓練や多国籍言語による放送案内訓練などを行っておりましたが、電源が被災したためまったく機能しなかったのであります。また、外国人の数少ない情報源であるスマホも電源ダウンにより充電切れになってしまいました。スマホ充電切れにより情報が遮断されるのは、外国人だけでなく聴覚障害者の方々も同様であります。区内ターミナル駅に非常用電源による充電器を置くだけで外国人はもとより、聴覚障害者や帰宅困難者の力にもなります。
国際都市大田の名に恥じない情報難民たる外国人などに対する準備が必要だと感じますが、対応につきおうかがいいたします。

今年は特に、水害による想定外の被害が多発した年でもありました。残念なことに、あの暗黒の民主党政権時代「コンクリートから人へ」との訳のわからないフレーズで防災対策が大幅に遅れてしまいました。命を守る防災対策にムダはありません。やりすぎ位で丁度いいのです。特に注意すべきは地震による「液状化」「津波」と豪雨による「水没」の複合災害であります。大田区を含め自治体が作成しているハザードマップは複合災害を想定していません。浸水のハザードマップ、津波のハザードマップという具合です。私は、週刊新潮最新号に掲載されているこの液状化、津波、水没の「三重苦」を落とし込んだハザードマップを見て驚きました。首都圏で最も甚大な被害がおきるであろうワーストエリアとして、川崎市川崎区一帯と、大田区南端、すなわち我が家のあたりが示されているのです。そこで、このような複合災害、「想定外」の災害に備え水防体制の見直しが必要であると思います。国、都と情報共有をしつつ大田区に水を入れない、「水没」は絶対に防ぐ強い水防体制を構築すべきであります。お考えをうかがいます。

一昨日、9月11日は米国において同時多発テロが勃発した日であります。平成13年のあの日、私も自宅で寛いでテレビをみておりましたら、航空機が高層ビルにつっこむ映像がながれてまいりました。世界中の人々が自爆テロの恐ろしさを痛感した瞬間でもありました。その後、パリやブリュッセル等世界各国で同様の無差別テロが発生していることは、皆様もご存知のことと思います。ところが、ここ東京では幸いなことにテロ事件は起こっておりません。それは、治安当局の弛まない警備の効果もありましょうが、たまたま今まで狙われなかっただけではないでしょうか。大田区が標榜する国際都市=テロ標的都市であることを認識しなければなりません。私は常々、国家が国民に提供すべき最大の福祉は「命を守ること」である、すなわち防衛である、と申し上げております。教育も福祉も「命」があってこそだからであります。そこで、区民にとっても最大の福祉は「大田区が命を守ってくれるか否か」ということになります。

国際空港は、テロの標的となり易いことは世界各地の例で明らかです。空港周辺のテロ対策は、警察や自衛隊が対応すべき問題でありますが、羽田空港がテロの標的となれば当然区民の生命財産に被害が及ぶのは明らかであります。神経ガスなどの毒ガス、ロケット弾による攻撃など、それこそ平和ボケの日本人にとっては「想定外」の攻撃があり得るのであります。

国民保護法、国民保護条例にのっとり、対応方につき自衛隊や治安当局と緊密な連携と訓練を実施すべきだと思いますがどうお考えでしょうか。

世界各国のテロ事案の容疑者に共通しているのは「物静かな青年」「普通の市民」であります。テロリストは、平穏な住民を装って蜂起の時を待っているのが通例です。外国人一般がテロリストだというのではありませんが、区内には多くの外国人が暮らしており、テロリストと判別することは困難であります。区役所窓口や自治会、町会などに「不審者情報」の提供を常に求めるべきであると考えますがいかがでしょうか。また、大田区職員全員が2020東京オリンピックに向けて「テロはあり得る、他人事ではない」との危機意識をもつべきだと思いますが、いかがでしょうか。

終戦後、昭和21年2月3日所謂マッカ-サ-三原則の指示により、たった10日間で憲法の素人である米国軍人が英文で作成したものが日本国憲法原文であります。衆議院憲法審査会事務局が平成28年11月に作成した資料には(押し付け憲法!?)とまで書かれているのです。このまさに「日本を骨抜」にした米国製憲法を後生大事に70年以上も使っていることは屈辱的ですらあります。ここで、昭和21年第90回帝国議会衆議院本会議におけるある議員の発言をご紹介いたします。

「戦争には我々の考えでは二つの種類の戦争がある。1つは不正の戦争で他国征服、侵略の戦争である。これは正しくない。同時に侵略された国が自国を守るための戦争は、われわれは正しい戦争といってさしつかえないと思う。いったい、この憲法草案に戦争一般抛棄という形ではなしに、これを侵略戦争の抛棄、こうするのがもっと的確ではないか。(中略)要するに、当憲法第二章(第9条)は我が国の自衛権を放棄して民族の独立を危うくする危険がある。それ故わが党は民族独立の為にこの憲法に反対しなければならない。」

と、この議員は述べているのです。まことにもっともな意見であります。これは、実は日本共産党を代表して質疑にたった野坂参三氏の言葉であります。私は常々、日本共産党諸君の深い見識に敬意を表しているのでありますが、特にこの質疑は特筆すべきであり、野坂氏を含む社会党など8名が現日本国憲法案に反対票を投じながら、昨今は護憲を表明しているのはどう理解したらいいのでしょうか。

さて、自由民主党は党是に自主憲法制定を掲げていながら長い間実現しなかったことは、これは与党の怠慢であると思っております。しかしながら、安倍総裁の総裁選圧勝が予想され秋にも、憲法改正案が国会に発議されそうなことは誠に喜ばしいことであります。この憲法改正の重要な論点は「自衛隊の明記」と「緊急事態条項」であります。自衛隊はすでに90%を超える国民からその存在を支持されています。であるとすれば、憲法への明記は単にその存在を認知するに過ぎない事務手続きなのであります。平和とは時には力をもって守らねばならないことは、歴史が証明しています。大田区は平和都市宣言を行っておりますが、憲法に自衛隊を明記し国民、区民の生命財産を守る組織として明確に位置づける事は重要であると考えますが、区長はどうお考えになりますでしょうか。

平時を想定した各種法令は、大規模災害やテロ、外国による侵略の際には邪魔ですらある場合があります。阪神淡路大震災の際には、自衛隊の用意したお風呂が公衆浴場の基準に則していないと神戸市保健所が使用を止めたとか、救助用ヘリに対し着陸せずにホバリングで救助しろ、などと融通の利かないマヌケな役人が多数いたそうです。法令を遵守したため区民の生命を守れなかった、など主客転倒であり、その意味から国際的にはないほうが不思議な「緊急事態条項」を憲法に明文化すべきだと考えますが、区長のお考えをおうかがいいたします。

ものづくりの街大田区、その大田区の中小企業とりわけ製造業、また商店の廃業がとまらないのであります。その原因は多様ではありますが、最も重要なことは経営者、商店主の「意識改革」「経営者自身の活性化」であると思っています。様々な経営書には共通して「会社は社長次第」と書かれています。中小企業や商店主が「子供にだけはこんな思いをさせたくない」と、子弟を一流大学に入れ、官庁や大企業に入社させる負のスパイラルもとまりません。経営者自身が自らの仕事に誇りと自信を持ち、子供達にも中小企業や商店経営の楽しさを語れるように「変身」することが望まれます。

そのためには製造業であれば脱下請け、高付加価値製品への転換が重要ですが、多くの中小企業経営者は忙しくしており業態転換などを考える余裕がないのが実情です。そこで、大田区では産業振興協会のビジネスサポートを用意していますが、これとて予算が余ってしまいます。時代の流れになかなか乗れない中小ものづくりの経営者に、意識改革を自ら行っていただくにはどうしたらいいでしょうか。私は羽田空港跡地に大田区が開設を予定している新産業拠点を起爆剤として、大田区ものづくりに「産業革命」「黒船襲来」のような大きなインパクトを与えるべきと考えます。先日、会派の仲間と共に、川崎市川崎区にある殿街町にある産学連携ゾーンを視察してまいりました。壮大なプロジェクトに、ここは日本か?と身震いする感動を覚えました。大田区と多摩川を隔てて対岸のことです。これに負けないよう、業態変更、新分野進出などに中小企業経営者が「夢をもって」次世代にバトンタッチする拠点、仕組みを構築すべきだと思います。大田区のものづくりの未来にかける松原区長の夢をおうかがいいたします。

大田区商店街の衰退も止まりません。店舗を借りている商店主は撤退をし、自己物件の商店主は廃業しチェン店にテナントとして貸し出す例が多くみられます。大田区は商店の活性化のため様々な助成を行っています。しかし、恒常化しているイベントやお祭りの助成は一過性で売り上げ増にはつながらないことが問題です。最近では大田区内を訪問するFIT(個人旅行)外国人旅行客も多いなか、区主導で「テーマのある商店街」を作ってはいかがでしょうか。全国各地には「こんな場所で?」という繁盛店が多く見受けられます。個店単独ではできないからこそ区が牽引してみてはいかがでしょうか。池上駅から本門寺まで江戸の街並みで忍者や侍が接客する、など遊び心も大切です。区長の商店活性化の夢をお聞かせください。

大田区は松原区長の肝いりで自治体では日本初の「働き方改革」スマートワーク宣言を行いました。これは、区民サービスの更なる向上と、職員のワーク・ライフ・バランスの実現を目指し、「スマートワーク」をキーワードに、全庁一丸となって働き方改革に取組むことを宣言したもので、「(1)意識改革、(2)業務の効率化、(3)事務事業の見直し」を改革の3本柱とし、本年2月1日から全庁で、「20時退庁」・「毎週水曜日ノー残業デー」を実施し、退庁促しのためのアナウンスや区制70周年記念ソングの放送、職員・来庁者向け周知用ポスターの掲示を行い、まずは意識改革から行っていくというものです。このことは大いに評価するものであります。

しかしながら、仕事の量が変わらないのに早く帰れ、では仕事の質の低下、モチベーションの低下にならないでしょうか。最近庁内を歩くと「忙しい、忙しい」が大田区職員の口グセのように聞こえてまいります。確かに季節変動や、忙しい部署もあるでしょうが、本当に各部局がそんなに忙しいのでしょうか。民間と官庁の違い、民間は仕事の量にあった人数、人材をそろえます。官庁は、職員の数にあった仕事をつくります。タイムスタデイなど検証が必要です。                              

多様な行政需要が高まる中、スマートワーク宣言をして区職員の意識だけに頼るのは限界があると思われます。管理職の素養によっても部局間で意識に格差が生じるでしょう。区役所の各部局の業務分析を組織的、計画的に統一した基準を示して行うべきだと考えます。この基準作りにはISO9001や標準作業手順書(SOP)などが大変参考になると思います。スマートワーク宣言に前向きな職員のなかには「働き方改革」を真剣に考えようとすると「仕事が増える」と他から異論がでるとの嘆きも聞こえてまいります。働くとは「ハタを楽にする」、つまり一緒に働く同僚やサービスを受ける区民が、あなたの働きにより「楽」になる、そんな職員の意識改革も重要です。区長が宣言した以上は、本気でやらない管理職は飛ばす!ぐらいの勢いで松原区長が率先して業務フロー見直しを全部局に指示すべきだと考えますがいかがでしょうか。      

会派内の順番で私の今期最後の代表質問になりました。来年5月以降もこの場にいらっしゃる同僚議員の皆様と再度この場で議論できることを願い質問を終わらせていただきます。