ラジオ深夜便「心の時代」で水俣に住む和紙職人ともいうべき金刺潤平(かなさし・じゅんぺい)さんの話しを聞いた。私も水俣病患者の住宅問題を調べた経験もあり、引き込まれるように聞いた。金刺さんは沼津市出身、上智大学理工学部を出てから水俣に来て24年。46歳。色々あって和紙を色んな植物を使ってつくっている。若狭の水上勉さん(作家)を水俣病発見(1956年5月1日)から30周年に招いた時、そこらじゅうにある荒れ果てた竹やぶを見て、水上さんが「水俣病患者がチッソや行政から見放されていると言っても君たちもこういう植物を見捨てているではないか」と言われたという。それが「ショック」で、竹繊維で和紙を作ることにつながったという。若狭にも勉強に行き、全国の和紙職人達にも助けられて何とかやっていけるようになったとのことだ。「見過ごす、見捨てる、見放す」という言葉があるが、「見拾う」とはこのことだな、と思った。これは、一般辞書にはないと思うが、私の言語袋には付け加えたい。
水俣病患者さんとお地蔵さん彫りにも取り組み50数体つくったようだ。今度、水俣に行ったら一度会って見たいと思った。
(写真は、和紙漉き中の金刺さん)
水俣病患者さんとお地蔵さん彫りにも取り組み50数体つくったようだ。今度、水俣に行ったら一度会って見たいと思った。
(写真は、和紙漉き中の金刺さん)