西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

林住期(りんじゅうき)

2007-05-17 | 言語・字・言語遊戯
音だけ聞いたら「臨終期」みたいに聞こえるが、この「林住期」は古代インドの言葉のようだ。こういう題名の本を作家の五木寛之さんが書いている。その新聞広告説明によると、人生百年を25年毎に4つに分けている。

学生期(がくしょうき)(0~25歳)良く学び、体を鍛える
家住期(かじゅうき)(25~50歳)仕事に励み、家庭を維持する
林住期(りんじゅうき)(50~75歳)仕事を離れ、真の生き甲斐をさがす
遊行期(ゆぎょうき)(75~100歳)自らの死に方について考える

人生50年と言っていた時代には、こんな100年スパンの人生把握は、余り多くの人の脳裏に刻まれなかったのではないか。これより『論語』(孔子)の、志学・・15歳、而立・・30歳、不惑・・40歳、知命・・50歳、耳順・・60歳、70歳・・「七十にして心の欲する所に従って、矩を踰えず。」が年齢の切れ目として、良く引用されてきたのではないか。「人生50年」時代でも、ひょっとして70歳位まではいけると思われたからだろう。

で、「人生80年」時代となって、「遊行期」まで平均して到達できるようになって、こういう区切り方が、見直されてきたのではないか。字面からは、「林住期」は、松尾芭蕉の「奥の細道」的イメージも浮かぶが、五木寛之解釈も一度読んでみようかな。ただ、一般に「定年」が60~65歳なので、実際を考えると少し歳をづらす必要があるかもしれない。