金沢大学の学長と言えば、現在は林 勇二郎君だ。「君」などとなれなれしく言えるのは高校同期の桜だからだ。金沢大学付属高校で、高校生だったのは1957年から1960年にかけてだ。当時の金大（地元では、きんだい、又は、ごんだいーゴールデン大学ーという。関西に来て、きんだい付属出身と言うと近大付属と間違えられた）では、学長は戸田正三先生だった。先生は、京大医学部の（公衆）衛生学講座の初代教授であり、既に名誉教授になっておられたが新制・金大の初代学長になられたのだ。後の京大学長（京大では総長という）の前田敏男先生は、戸田先生を建築衛生学の元祖のように言っておられた。私は京大建築で前田先生に習った。建築衛生学とは、現在いうところの（建築）環境工学である。戸田先生が基本設計された京大医学部の衛生学教室のRCの建物は（現在あるかどうか不明だが）、私の学生時代（1960年代）は確かにあって、軒の出が深くて日射を防ぎ、各立面の窓は大きく風通しが良く、確かに衛生的建築だった。教室の前には確か先生の小さな胸像があって、「身康則神明」（身体健康なれば即ち精神明らかなり）と書かれていたと記憶する。戸田先生は、夏服として開襟シャツを「発明」したことでも知られる。（ただ、戦争中、大陸の○○○部隊に関係した話もあって批判される点もある）
我々は、金大（教育学部の）付属高校生だったので、金大学長講話を聞くことが出来た。戸田先生は、ちょび髭を生やしメガネをかけたごつい感じの人だった。その時の話は「健康四つの条件、飯美味い、風邪ひかぬ、疲れぬ、夜寝れる」である。何の説明も要らない今でも通用する話だった。
我々は、金大（教育学部の）付属高校生だったので、金大学長講話を聞くことが出来た。戸田先生は、ちょび髭を生やしメガネをかけたごつい感じの人だった。その時の話は「健康四つの条件、飯美味い、風邪ひかぬ、疲れぬ、夜寝れる」である。何の説明も要らない今でも通用する話だった。
一方で、戦後GHQの指令で創設された公衆衛生学の初代教授は戸田先生の弟子の西尾先生です。
ついでに、戸田先生設計の衛生学研究室ですが、ベランダと建物本体を連結する鉄筋が全く入っていないという変わった建造物で（ベランダを本体にくっ付けるのはコンクリートだけ）経年変化とともにベランダが落ちかけたという事故直前の状況を引き起こしています。構造を誰がどのように設計したかは存じませんが。
衛生学研究室は三階プラス半地下一階で、どうして半地下にしたのか良く判りません。大雨で浸水事故があったと聞いていますし、あまり快適な環境ではなかったと記憶しています。もう一つ、ガス臭が問題になって、大阪ガスが何度か調査に来たけど原因が分からなかったということがありました。改修工事の時、部屋の真ん中にある一辺60～80センチの柱の中央部分にガス管が埋められていて、そのガス管が老朽化して破損、柱のコンクリートを通してガスが漏れ続けていたなんてことが判りました。
同じ時にトイレの天井のコンクリートをハツッたら木板が埋め込まれてた、なんてことも。ラボのヒトたちはみんな笑って済ませてましたが・・・今となっては懐かしいお話です。
その弟子？の山下節義先生は長年助手でしたが奈良県立医大教授で転出されたと思います。私より10年近く上だったと思いますが、どうしておられるかな・・・。
山下先生は1974年くらいに助教授、奈良への転出は1978年でした。1999年の退官後、まもなく惜しくも亡くなられました。西尾先生のお弟子さんの山本先生は衛生工学で教授をされていました。
西山先生は京都の町並み保存で活躍されていたのではなかったでしょうか。分野違いなので、新聞記事やNHKブックスで眺めた程度ですが。