西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

『これで古典がよくわかる』(橋本 治著、ちくま文庫)を読む

2014-03-06 | 金沢の思い出
金沢の高校時代(金大付高)、国語の古文で源氏物語、枕草子(以上、平安時代)、徒然草(鎌倉時代?)などをならったが、それらの古典を体系的に位置付けて習ったわけではない。で、最近になって日本の古典(文学)を歴史的、体系的に捉えてみたい、との要求がふつふつとして起こってきた。

そういう場合、最も参考になると思われる文献に当たる、というのも一つの方法だと思う。そこで、『これで古典がよくわかる』(橋本 治著、ちくま文庫)を読んでみることにした。まあ完全に読破し消化したとの自覚があるわけでもないが、歴史的、体系的な理解の見通しを持った。

歴史的にいうと、『古事記』、『日本書紀』、『万葉集』は、日本にまだ日本語をみづから表記する文字がなかったので、中国から入ってきた漢字を借用した。そのうち漢文を日本語的に読み下し文にするために読む順(返り点など)や漢字に付随するカタカナがつくられ、平安時代にいたって「万葉仮名」としてひらがなもつくられた。

しかし、『源氏物語』や『枕草子』は、女性が使うひらがなのみによって書かれている。男性は、漢文、漢字カタカナ混じり文のみだったが、女性と思いを交流するためには、女性が使うひらがなを使わざるをえず、和歌を作って女性に送ったのだ。ために徐々に男性もひらがなに慣れ漢字ひらがな混じり文も書くようになってきたのだ。まず「漢字カタカナ混じり文」として長明の『方丈記』そして「漢字ひらがな交じり文」として『徒然草』があらわれたのだ。


で、現在、我々は「漢字ひらがな、カタカナ、アルファベット混じり文」に到達しているのだ。

『懐風藻』『竹取物語』、『今昔物語』等の位置づけもしておくべき、と思う。


注:橋本さんは、7歳ほど年下、東大文学部卒、1968年(昭和43年)、学園闘争全盛期の東大駒場祭で、「とめてくれるな おっかさん 背中のいちょうが 泣いている 男東大どこへ行く」というポスターを制作、マスコミに注目された。僕は、豊田高専に勤めていた。

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