西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

思いだし住居論

2013-09-27 | 金沢の思い出
思い出と思い出しの違いを言うと、「思い出」は「自然な形で」印象的なことを思い出すことであろう。それに対して「思い出し」は、意識的に努力して全体が繋がったものとして思い出すこととなろう。18歳までのこと。

思い出す住経験(五感に関するもの)

見える ・・・天井のしみ、庭(雪、台風時の雨)、庭の眺め(裏の家の栗の木、隣の家の柘榴、朝日、石灯篭や木々や苔等)停電時の蝋燭と影、真っ暗なトイレ、鏡に映る祖母の姿、床の間の掛け軸、東郷平八郎の肖像、玄関の屏風、ガラス障子のガラス絵・・・

聞こえる・・・柱時計の音、雨戸の開け閉め、はたき・箒、風鈴、鼠が天井裏を走る、台風やシベリア季節風が電線を鳴らす、市電の走り始め(早朝)、北陸本線の汽車(走行音や汽笛)、深夜の夫婦喧嘩(畳に耳を当てて)、物売りの声(金魚、納豆、野菜など)、ポン菓子の音、托鉢僧の読経、乞食の物乞い、紙芝居の拍子木、火の用心の声・拍子木、ラジオ体操の呼び鈴、春の鶯の声、セミ時雨、秋の虫の音・・・

におう・・・畳、漬物・秋刀魚、トイレ、DDT・・・

触れる・・・畳(足の裏、寝転ぶ)、縁側の板、柱(背比べ、寄りかかる)、壁・・・


動く ●登る・隠れる・走る・・・屋根(遠くの火事を見る、雀の巣を見る)、木登り、塀のぼり(鬼ごっこ)、押し入れや洋服ダンス、二つの階段を使い鬼ごっこ・・・

思い出す住経験(取り組んだ行為)

ほぼ毎日・・・神棚に水を上げ仏壇にご飯を供える、自分の布団の上げ下げをする、お櫃(ひつ)を台所から茶の間に運ぶ、道路・庭の掃除と水撒き(夏)、雪すかし(冬)・・・

時々・・・漬物をつける時々は樽からあげる(冬)、炭を床下から炭櫃(すびつ)に移す、雨戸を閉める、へっついの火番(小便たれになる、と言われつつ)、旗日(祝日)の旗上げ、庭の草むしり、溝さらえ、ネズミ取り、蠅取り紙の取り換え、蠅たたき(夏)、蚊帳吊り(夏)、板間の雑巾がけ、薪割り・薪運び、布団干し、時計のねじ回し、自転車の掃除・・・

たまに・・・煙突掃除、塀(板塀)のコルタール塗り、大掃除(梅雨明けと正月前:畳運び、叩き、床下へのDDTの散布、床への新聞敷き、障子はりなど)、ヒューズの取り換え、留守番、たらいに行水水を張る(夏)、落ち葉炊き(秋)、餅つき手伝い、雪下ろし手伝い(冬)・・・

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