西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

地域住民の本音の意見

2006-12-14 | 地域居住学
地域住民の本音の意見を知るのは案外難しい。地域が狭くなるほど利害が明確に対立し言いにくいこともあるのだ。昔、三重県の青山町のダムで水没予定地の住民へ聞き取り調査を「国土研」でしたことがある。まだお元気だった木村春彦理事長や当時の浅野弥三一事務局長も一緒に行った。国土研の三原則の実践でもある。http://blog.goo.ne.jp/in0626/e/25bd6280376fbdae45da63e6795491c8
集会所(お寺の本堂だったかもしれない)で住民に集まってもらって、ダム水没について色々意見を言ってもらった。で、一通り意見を聞いて、我々調査団は各戸に分宿することになり、三々五々夜のあぜ道を通って目指す家に案内された。「下駄」を履いた後で住民達は口々に「○○さんは、あんなこと言っていたけど、本当は・・ではないか」云々・・。「へー」と思った。それ以来、住民集会での意見は鵜呑みにしないこと、本音の意見は、「建前意見」の多い公的集会のあと、「下駄を履いた後で出ることもある」と、知ったのだった。とにかく、本音を探るには色々の工夫が必要だ。

「タウン・ミーティング」のやらせ

2006-12-14 | 地域居住学
今朝の新聞やテレビは、タウンミーティングの「やらせ」質問等を調べていた調査委員会の最終報告書と政府対応を一斉に報じている。報告書によると、「やらせ」質問15回、一般参加者を装った発言依頼29回、国から自治体への「動員依頼」71回に加え、主催者が入れたくない参加希望者を排除する「抽選工作」1件が明らかになった。開いた口がふさがらない。町づくりや地域づくりでは、草の根の住民の意見を聞くのはイロハのイであるが、それは様々な意見を聞いて問題の構造認識を共有するのが大きな目的の一つであり、例えば「賛成意見」ばかり集めては意味がないのはすぐ分かる。「官」主導になると、どうしてもこうなりがちの他、集会で思っていることを発言する体験や訓練が日本の場合、戦後相当進んできたが、まだまだということもあるだろう。私達も、町づくり手法としてリアルな集会、ワークショップのほか、ネットでの意見表明や議論がどの程度出来るのか、関心を持ち少しずつ共同研究もしようとしている。皆さんはどう思いますか。