西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

名門オーケストラを救え 佐渡 裕と「歓喜の歌」

2006-12-22 | 生活描写と読書・観劇等の文化
今夕、NHKハイビジョンで「名門オーケストラを救え・パリに響く佐渡裕の歓喜の歌」を見た。佐渡 裕さんは京都出身、45歳。京都芸大出身、小澤征爾さんに師事。12月なのでベートーベンの歓喜の歌かな、と思った。歓喜の歌(詩)はシラーの作、原語でAn die Freuide(歓喜に寄せて)と言う。私は大学2年の時、同じクラスの加藤肇彦(かとう・はつひこ)君に教えてもらった。彼は大人びた教養人でドイツ語フランス語なども得意だった。日立製作所を経て湘南工科大学にいるのではないか、と思う。番組ではパリの名門オーケストラが企業の寄付、文部省やパリ市の補助金等がカットされて解散の危機に瀕していたのを「歓喜の歌」(ベートーベン交響曲第九番)の演奏活動を推進する過程で、文部省の補助を復活させた物語である。最後に本当に歓びに満ちた「歓喜の歌」が響いた。
「Freude, schoener Goetterfunken,
Tochter aus Elysium!
Wir betreten feuertrunken,
Himmlische, dein Heiligtum!
Deine Zauber binden wieder,
was die Mode streng geteilt,
alle Menschen werden Brueder,
wo dein sanfter Fluegel weilt.」
(歓喜よ、美しい神の閃光よ、
楽園からの娘よ、
われらは情熱に満ち、
天国に、なんじの聖殿に踏み入ろう。
なんじの神秘な力は、
引き離されたものを再び結びつけ、
なんじのやさしい翼のとどまるところ、
人々はみな兄弟となる。(大木正純訳))
これを聞くと、歳末だな、と思う。
(写真は、佐渡 裕さん)
http://blog.goo.ne.jp/in0626/e/c871a663bf32e8054b97831e01fff901

伊勢神宮の「うだつ」

2006-12-22 | 住まい・建築と庭
近鉄電車に乗っていたら、もうすぐ新年、近鉄だから「初詣に伊勢神宮へ」という広告があちこちに貼ってあり伊勢神宮を妻側から見た写真が載っている。棟持柱が見えている。それを見て「うだつ」という言葉が思い浮かんだ。『広辞苑』第五版では、「うだつ」は「うだち」の転、字は「梲」と書く。四つの意味がある。①梁の上に立て棟木を支える短い柱。②妻壁を屋根より一段高く上げて小屋根を付けた部分。③(「卯建」とも書く)江戸時代の民家で、建物の両側に「卯」字形に張り出した小屋根付きの袖壁。長屋建ての戸ごとの境に設けたものもあり、装飾と防火を兼ねる。④民家の妻側にある棟持柱。で、伊勢神宮は民家ではないが、上の④の意味で「うだつ」が見えていると思ったのである。普通は③で、「うだつが上がらない(甲斐性がない)」は、これをイメージしている。ついでに「素人」だが中西 徹(京大文卒、京阪電鉄常務取締役歴任)著『うだつ』(1990年版、二瓶社刊)によると『広辞苑』第三版までの意味が変遷しているようだ。勉強家で、他にも川島宙次さん、伊藤ていじさん、太田博太郎さん、福山敏男さん等の説も検討している。暇になったらゆっくり読んで見たい。(写真は、伊勢神宮、「うだつ」も見える)