西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

手塚貴晴&由比さんの住宅設計に寄せて

2006-05-14 | 住まい・建築と庭
今夕、NHKTV(教育)の「トップランナー」で建築家の手塚貴晴&由比さんをやっていた。40歳代、30歳代の「若手」である。二人とも武蔵工大建築学科卒、アメリカやイギリスに留学、帰国して共同して事務所経営。番組の途中から見たのだが、二人の設計した広いデッキを持ち広い開口部のある住宅をやっていた。これを見ていて直ぐフランク・ロイド・ライトの「落水荘」を思い出した。外から見た「落水(小滝)」の上に建つ住宅が良く写真にあるが、この住宅の平面図を良く見ると、住宅本体の面積と匹敵する位のデッキがあるのだ。そのデッキから体験する周りの自然こそ、この「落水荘」の特徴、ポイントであると私は思う。テラス、デッキ、バルコニー、ヴェランダ、縁側といった空間を窓、開口部と共に重視すること、これらも私の言う「内と外とのつながり」「人工と自然とのつながり」である。

山も庭も動き入るるや夏坐敷 芭蕉

2006-05-14 | 生活・空間・芸術と俳句・川柳・短歌・詩
雑誌「ひととき」の俳人・小澤 實さんの「芭蕉の風景」も愛読連載である。5月号は表題のように「山も庭も動き入るるや夏坐敷 芭蕉」であり、栃木県大田原市黒羽がその現地である。芭蕉は奥の細道の旅の時にここを通り、この句も詠んだと思われるが「奥の細道」には採用されていない。その辺の事情も解説されていて興味深い。この俳句は、私の好きなものの一つであり、既にブログで引用している。(05年6月30日、05年12月11日)雄大な景色が狭い夏座敷に飛び込んでくる、というのである。こういう捉え方がユニークだ。
「作りなす庭をいさむるしぐれかな 芭蕉」も05年6月30日のブログで紹介している。これは造園家の宮城俊作先生(奈良女子大教授)に進呈したことがある。

花も草も添い歩みいく春の道 市路

石井和紘さんの「新国会議事堂」案

2006-05-14 | 住まい・建築と庭
新幹線で東京に往復するとき、車内で雑誌「WEDGE」「ひととき」を読むのが楽しみの一つだ。これらは売ってもいるがグリーン車に備え付けられている。昔、「WEDGE」で「日本人の忘れ物」を連載しておられた中西進先生が、奈良女子大学の運営諮問会議の委員をされていた時に、私が「日本人の忘れ物」の愛読者です、と言ったら先生は「グリーン車のを貰ったら良い。「ご自由にお持ち帰りください」と書いてあるから」と言われた。以来、グリーン車のを拝借して見ている。もっとも、自費で家で二冊はとってはいるが・・。さてこの「WEDGE」の5月号の「地球学の世紀」(103)で石井和紘さんが「新国会議事堂」案を語っている。石井さんは私より三歳若いが、ユニークな建築家(東大建築卒)の一人で『建築の地球学』というユニークな著書もあり私もざっと読んだことがある。
石井さんの那須につくる「新国会議事堂」案の要点は、森、丸太(材木)、浄土式池、島台、ぐにゃぐにゃ形であり、人工、鉄筋コンクリートの正反対のものである。平面形が別に「ぐにゃぐにゃ」ばかりでなくとも良いと思うが、全体として面白いと思った。しかし「島台」というコンセプトが一寸分からなかった。

日本家政学会本部通い終了

2006-05-14 | 奈良・精華町の思い出(教授時代)関連続き
(社)日本家政学会の本部役員をこの5月で終わり、昨日で毎月のように出かけていた東京の本部理事会通いも終わりとなった。この10年間、関西支部長(理事)として4年、副会長(理事)として4年、監事として2年、計10年間通った。年々の「思い」を「家政学会誌」に短く書いたこともある。日本家政学会は、あと2年すると創立60年(還暦)となる。当初、お茶の水女子大学の先生方が中心であったのか、本部はお茶の水女子大学の近くのマンションにある。地下鉄では茗荷谷(みょうがだに)下車5分である。近くに跡見学園や東京教育大学(現・筑波大学)同窓会館・茗経会館などがある。会長の任期が2年なので、5人の方のサポート役だった。大野、島田、酒井、江澤、片山先生である。最後の数年間は、奈良女子大学の的場、磯田先生も同じ理事として一緒に新幹線で駄弁りながら帰ったことも思い出の一つである。梁瀬先生や中川先生とも一緒だったこともある。日本家政学会での最大の思い出は2004年8月に京都の国際会館で行われたIFHE(国際家政学会)の実行委員長を勤めたことであろう。この下旬に秋田大学で行われる総会で任務終了である。的場、磯田先生が監事、理事(副会長)として残られ6月から新たに今井先生が理事(支部長)として参加されることになっている。