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スティーブ・ジョブズは禅に帰依し、その影響がアップル製品に及び、世界を一変させる商品群になったといわれています。それではジョブズの師匠は誰か?これが本書の主人公、乙川弘文禅師です。彼のことはあまり知られておらず、著者が7年間をかけて、日本、アメリカ、ヨーロッパと、彼の足跡をたどりました。
曹洞宗の禅僧ではエリート中のエリートでありながら、アメリカ西海岸の布教で渡米すると、1ケ月も引きこもった挙句、妻帯を2度もし、アルコール中毒にもなった、悪いイメージが付きまとう人。しかし、スティーブ・ジョブズだけでなく、多くの欧米人が彼の弟子となったわけを探ると、「日頃は良寛さん、こと女に関しては一休さん」と言われるほどの、とてつもないスケールのお坊さん、「背負うもの一切を手放して、『仏法の塊』みたいに生きた人」でした。渡米後の引きこもりが彼を世界的な宗教家に変貌させました。
すごい人物の最期は死期を自らが知っていたかの如くの様であり、これも謎を生む存在でもあります。
『宿無し弘文 スティーブ・ジョブズの禅僧』(柳田由紀子著、集英社インターナショナル、本体価格1,900円)
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