ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村先生は研究者でありながら、経営者でもあり、また、エッセイスト(日本エッセイスト・クラブ会長)でもあります。先生は定時制高校の教諭から社会人生活をスタートしました。勉強をやり直すために大学へ再度通い、その後に研究の道に入ったという、まわり道をした、人より遅れているという認識に立ち、暇さえあれば読書をしたと書かれています。そして、良い言葉、文章があればメモし続け、そのメモを「腹中有書」と名付けていました。その中から、「人生」「仕事」「教育」という視点から150以上の言葉が本書に詰まっています。
いくつもの付箋を貼りましたが、その中でも一番心に刺さったのは
損得ぬきで何かをやり「自分でもバカなことをやっているものだ」と思うような人間でなければ一流になれない
です。普通はダメ、人まねもダメ、独創的に取り組むこと、つまり、普通から見ればバカなことが道を開くのでしょう。そして、
不可能の対語は可能ではなく挑戦です
が心を奮い起こさせます。
感動を呼ぶのはその人の努力の結果である
は、感動伝達人を目標にする井戸書店には素晴らしい教えとなります。
『まわり道を生きる言葉』(大村智著、草思社、本体価格1,600円、税込価格1,760円)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます