あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

「まちライブラリー」の研究

2024-04-15 15:32:36 | 

 高校の2学年先輩の礒井さんの研究書です。本を媒体にした場つくりを12年前に提唱され、全国1千か所にも広がったまちライブラリー。私設図書館ながら、本を媒介すると不思議なほど、人と人との関係が形作られ、個が社会的な力を発揮し、それをベースに地域づくり、まちづくりまで波及する、誠に魅力的な取り組みです。

 2015年のマイクロ・ライブラリーサミットにお呼びいただき、それ以来ずっと注目していきましたが、なぜこんなに広がったのか?まずはルールや制度に縛られないスタンスが活きています。緩いというか、融通性があるというか。また、これこそ本の魅力なのでしょうか。本を介すれば、すぐにコミュニケーションが開始する。本にはすごい魅力が存在します。

 最後に、礒井さんのストライクな言葉はこれだと思いました。

 「個々の人生はそれぞれの人のものであって、他者、ましてや組織や地域に縛られすぎないことが大切であり、その意識の変革が個人の中で生まれることで、結果として地域や組織の風土も変わり得るということである。どうぞ、無理なく自らの生きやすい人生を歩んでいただきたい。」

 まちを変えようと声をあげ、行動を起こすと、従来の人たちがやっかみ、潰しにかかる。出る杭はまさに打たれます。その縛りを振り切るか、もしくは誰も真似できない、誰もしたがらないがやるだけの価値のあることを地道に長い年月をかけてやっていく、その活動に自己の楽しみを見いだせば、明るい人生が待っています。

『「まちライブラリー」の研究 「個」が主役になれる社会的資本づくり』(礒井純充著、みすず書房、本体価格2,600円、税込価格2,860円)

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