私も愛用している登山アプリ「YAMAP」創業者の春山慶彦氏が、養老孟司、中村桂子、池澤夏樹の3氏と自然観についての対談集。春山慶彦氏の読書人生も素晴らしく、山を愛する人は本も読みます。
「地域で受け継がれてきた自然観や祈りが具体的な行為として再興し、人々の生活に組み込まれていけば、風景・風土はより豊かに、美しくなっていく」と主張する春山氏に対し、3氏ともが話すのは、日本人の自然観と西洋のそれとの違いです。西洋は自然に対峙し、征服する図式であるのに対し、日本は自然に畏敬の念を持ち、人間はその一部であると考えます。西洋の一神教に対して、日本はアニミズムがいまだに根付いているためだと思います。
但し、日本人もグローバリズムの流れに巻き込まれ、西洋の自然観に染まりつつあります。そこで「自然の中で五感を活かせ!」という提案です。自然を身に感じる日を一日でも多く持ちたいものです。
『こどもを野に放て! AI時代に活きる知性の育て方』(養老 孟司・中村 桂子・池澤 夏樹・春山 慶彦著、集英社、本体価格1,600円、税込価格1,760円)
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