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若冲

2020-08-15 11:03:36 | 

 1716年、京都の青物問屋舛源に生まれ、23歳の時に4代目枡屋源左衛門となるも、家業を顧みることなく、趣味の絵に没頭し、40歳に家督を弟に譲り、隠居の身となり、晴れて絵画の人となった伊藤若冲。妻を娶らなかったとされていますが、小説の中では結婚もしていることで展開しています。

 各章ごとに若冲の代表的な絵をモチーフに、「何のために描くのか」という絵師としての根本を問い続けていきます。

 「絵師とは、人の心の影子。そして絵はこの憂き世に暮らす者を励まし、生の喜びを謳うもの。いわば人の世を照らす日月なんやで。」

 「若冲はんの絵は、わしら生きている人の心と同じ(略)」

 若冲は絵に生きる志を込めました。読者も問いかけられています。

『若冲』(澤田瞳子著、文春文庫、本体価格700円)

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