コロナ禍ではマスクは絶対の必須アイテムでした。マスクなしで外出するなど、ウイルスに無防備そのものでした。ある中学校2年生の同じクラスの5人を取り上げ、それぞれのコロナでのマスク生活での思いを綴っています。
マスクは自分の弱さを隠すものであったり、変身するためのものだったり、また、マスクではなく、透明のフェイスガードをつけて、自分の顔をみんなに見せることでイメージを良くしたいという付加価値を持ち合わせていました。コロナ禍での複雑な家族の状況や友だち関係、不登校や勉強のおちこぼれなど、中学生みんなの心に大きな影響を及ぼしていました。個々には大切にしたいものは変わりますが、それでも彼らは逆に強く生きていく姿を見せてくれてます。
「世界は変わったんだ!今、チャンスなんだよ。悔しかったらお前らも、変われ!」
チャンスをつかむかどうかは自分次第。
第63回日本児童文学者協会賞を審査員満場一致で受賞した作品です。
『マスク越しのおはよう』(山本悦子著、講談社、本体価格1,600円、税込価格1,760円)