埼玉のおじいちゃん社長不動産コンサル奮闘記

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経済大国なのになぜ貧しいのか?

2012-04-10 09:58:29 | Weblog

先日「経済大国なのになぜ貧しいのか?」と言うフォレスト出版で苫米地英人氏の本を買って読みましたが、新聞・メディアが伝えない「洗脳経済」から救う!という事で、円高・株安・デフレ・増税・税金・年金・デフレギャップ・プライマリーバランス・TPPに隠されたウソを暴くのだとあり、御用学者やマスコミの言うことを鵜呑みにしてはだめだし、世界経済のカースト制度がわかれば資産は守れると書かれている本でした。先ず最初はあらゆる経済主体が経済合理性を元に行動し、完全情報を前提とした、古典派経済学の価格形成理論が通用しなくなった金融資本主義時代が到来し、デリバリティブ全体では4京円の規模で、実体経済の上にそれを遙かに上回る金融資本が乗っかて来ている経済はかっての経済学にとって想定外のものであり、金融資本主義経済は心理で動くようになり、IT技術の発達により景気循環が失われて行くと古典的な経済理論は存在価値を失う。東日本大震災でお金がいるので国債を発行すれば将来子孫に付けを回すことになるので良くないから消費税増税が必要という政府の御用学者のウソには気をつけろ!このようなときにこそ建設国債を発行し、それを日銀が引き受け、民間の設備投資等に回せば民間活力が増え、景気も浮上してくるのに、消費税増税でゆこうとするのは、かえって活力がそがれ、税収も上がらなくなる様なことをしているのだ。

サブプライムローン債権は、ローンを借りた人が借金を返せるかどうか分からない訳ですが、1万件のローン債権を集めて下位の劣後債権を2割くらい捨てると、実際はサブプライムなのにトリプルA債権になるのです。それは、債権を保有する期間に投資家が負う時間リスクを数学上で計算し、金利の形で解決するからです。このとき下位の劣後債権を除外し、債権の回収可能性を計算すれば、利回りを上げることでトリプルA債権が生まれます。面白いことに、このとき捨てた2割の劣後債権を集めてその又下位の2割を捨て、数学上で計算した利回りを付けるとなぜかこれもトリプルA債権になってしまします。これはJPモルガンに入社したMIT修士出の社員が作ったデリバリティブの方程式なのです。当時米国では準備預金の50倍位貸しており、つまり20万の預金で1000万位貸し2~3ヶ月の金利で20万を回収すれば、将来破綻者が出ても米国ではノンリコースローンなので返済できなければ不動産を銀行に渡せば借金はチャラになり、50倍に貸した元を金利でとるだけでなく、元金まで回収できるのです。それでいて帳簿上は不良債権として損金処理ができるのです。CDOの様な不動産や自動車のローン債権や社債を組み合わせた資産担保債権にまでサブプライムが組み入れられたのが分かって、TVをみた投資家がCDO債権を売りに出し銀行経営を圧迫したのです。CDOの取引は非上場だったのでBIS規制を受けず、50倍のレバレジを持つ債権の効果が裏目に出て非上場市場の債券が、上場市場をボロボロにしてしまい、結果として世界最大の保険会社AIGが破綻しました。日本のバブル崩壊は銀行そのものが多額の不良債権をもっていましたが、リーマンショックではアメリカの大手銀行はほとんど無傷というのが違う点です。このように多額のヘッジファンドが投資家により支配され、古典経済学の理論通りにはいかなくなったのが金融資本主義の特徴のようです。最後は金融資本主義の時代では、デフレインフレや戦争までも意のままに導く、世界の経済カーストを見なければならず、世界経済の頂点にいるのは欧米巨大銀行のオーナーである銀行家の存在を忘れてはならない。と結論付けておりますが、なかなか面白い本でした。皆様もご一読あれ!

 

(株)市川不動産