僕らは地表の凸凹(ジグザグ)の中にはいった
麻痺させるほど巨きい垂直が屹立し
岩燕が突きあたっては落ち
耳元で軽銀製(アルミ)のコップが小さい音をたてた
僕らは地表の背に立った
夕雲が足元で斑(ふ)の絨毯をうごかした
ピイクの風が友の裳裾をめくり上げると
彼女は赤くなって
それを抑えるのであった
山岳は僕らを翻弄した
それは抜きがたい力であった
しかし遂に僕らは征服したのだ
僕らを此処までも高く支えたもの
それは何であったか
振りかえると
一人の強力が其処にいた
背中に
僕らの山岳をのせて
□村野四郎「登攀」(『体操詩集』、1939)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【詩歌】村野四郎「暗い雨のなかで」」
「【詩歌】村野四郎「モナリザ」」
「【詩歌】村野四郎「芭蕉のモチーフ」」
「【詩歌】村野四郎「変な界隈」」
「【詩歌】村野四郎「塀のむこう」」
「【詩歌】村野四郎「さんさんたる鮟鱇」」
「【詩歌】村野四郎「無神論」」
「【詩歌】村野四郎「鉄棒(二)」」
「【詩歌】村野四郎「高障害」」
「【詩歌】村野四郎「競争」」
「【詩歌】村野四郎「鉄槌投」」
「【詩歌】村野四郎「拳闘」」
「【詩歌】村野四郎「棒高飛」」
「【詩歌】村野四郎「槍投」」
「【詩歌】村野四郎を読む(4) ~鹿~」
「【詩歌】村野四郎を読む(3) ~さんたんたる鮟鱇~」
「【詩歌】村野四郎を読む(2) ~体操~」
「【詩歌】村野四郎を読む(1) ~飛込(二)~」
麻痺させるほど巨きい垂直が屹立し
岩燕が突きあたっては落ち
耳元で軽銀製(アルミ)のコップが小さい音をたてた
僕らは地表の背に立った
夕雲が足元で斑(ふ)の絨毯をうごかした
ピイクの風が友の裳裾をめくり上げると
彼女は赤くなって
それを抑えるのであった
山岳は僕らを翻弄した
それは抜きがたい力であった
しかし遂に僕らは征服したのだ
僕らを此処までも高く支えたもの
それは何であったか
振りかえると
一人の強力が其処にいた
背中に
僕らの山岳をのせて
□村野四郎「登攀」(『体操詩集』、1939)
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【参考】
「【詩歌】村野四郎「暗い雨のなかで」」
「【詩歌】村野四郎「モナリザ」」
「【詩歌】村野四郎「芭蕉のモチーフ」」
「【詩歌】村野四郎「変な界隈」」
「【詩歌】村野四郎「塀のむこう」」
「【詩歌】村野四郎「さんさんたる鮟鱇」」
「【詩歌】村野四郎「無神論」」
「【詩歌】村野四郎「鉄棒(二)」」
「【詩歌】村野四郎「高障害」」
「【詩歌】村野四郎「競争」」
「【詩歌】村野四郎「鉄槌投」」
「【詩歌】村野四郎「拳闘」」
「【詩歌】村野四郎「棒高飛」」
「【詩歌】村野四郎「槍投」」
「【詩歌】村野四郎を読む(4) ~鹿~」
「【詩歌】村野四郎を読む(3) ~さんたんたる鮟鱇~」
「【詩歌】村野四郎を読む(2) ~体操~」
「【詩歌】村野四郎を読む(1) ~飛込(二)~」