島原半島博物日誌

島原にある某施設のスタッフが綴る非公認・非公式の個人ブログです。

ニワトコ

2008-06-20 14:47:48 | 植物
久しぶりに長文です。
園内の展望台へ行く木道の近くに赤い実がなっていました。
葉や実のつき方はサンショウに似ていますが、サンショウが今の時期に実をつけるはずがありません。(サンショウは夏に花が咲き、秋に実ります。)
今の時期に赤く熟す植物に心当たりがなく、「なんだろう?」と葉を触ったり、実をつまんだりしていました。
そのうちに実が潰れ、中の液が出てきました。
結局何か分からずに液のついた指で顔をポリポリと掻いていました。
暫くすると掻いた顔がヒリヒリとしてきました。
「ヤバイ!」と思い急いで顔を洗い、事無きを得ました。

数日後、植物の正体が判明しました。
名前を「ニワトコ」と言います。
山野に普通に生えるスイカズラ科の落葉低木です。
明るい谷筋や林縁など比較的に水分条件や土壌条件の良好な場所に生育する植物です。
3~5月に葉が開くのと同時に房状の花序を出し、クリーム色の小さな花をたくさん咲かせます。(そう言えば咲いていました。)
6~7月の梅雨の頃に鮮やかな赤い実が熟します。
若芽を山菜として利用しますが、青酸配糖体を含むので、人によっては中毒をおこします。
※青酸配糖体とは・・・糖と結びついた青酸のこと。
青酸は青酸カリなどとして有名な毒です。(ドラマの殺人事件などで刑事が遺体の口臭を嗅いで「アーモンド臭がする、青酸カリか。」っていうアレです。)
糖と結びつくことによって毒性を無くしているものが青酸配糖体です。
身近なものでは「ウメ」にもアミグダリンという青酸配糖体が含まれています。
熟す前のウメを食べるなと言われる理由です。
完熟すると自然とアミグダリンは蒸散して、ほとんど無くなるそうです。

私の顔には何か青酸配糖体を分解して青酸を作り出す酵素があったのかも知れません。
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