事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「八月の魔法使い」 石持浅海著 光文社

2011-07-22 | ミステリ

4334927181


八月の魔法使い
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2010-07-17
「事件は会議室で起こっていた!」

というキャッチコピーは秀逸。そうなの、これは現役のサラリーマンでなければ書けない社内ミステリ。

危険だ。関わりあいになるのはあまりにも危険だ。でも、恋人からのSOSに応えないわけにはいかない。入社7年目の若きサラリーマン、経営陣を揺るがす“あってはいけない文書”の謎に挑む!役員会議室と総務部で同時に提示された“工場事故報告書”が、混乱を引き起こす!これはいったい何だ?たまたま総務部に居合わせた草食系サラリーマンは、役員会議室で事件に巻き込まれた恋人を救えるのか。(BOOKデータベースより)

横軸に能力(無能→有能)、縦軸に性格(陰険→温厚)のグラフ上に点在する上役たちの誰が犯人か。そして無色な平社員がどうやって事件の真相にたどりつくか……山口六平太を思いきりクールにしたような主人公が笑わせてくれます。

こんな主人公がちゃーんと出世できる会社ならこんな事件は起こらなかったろう。でもね、こういう出世レースにしかモチベーションを感じられない人間が多いのも会社ってもの。

そんな会社に、昼行灯な魔法使い(比喩ですよもちろん)が実在していて、彼は草食系男子にある資質を見いだす。こっちは若いサラリーマンにとっての夢。実はたまにいるんだけどね、魔法使い。石持浅海は実際の会社勤めで魔法使いに会えたのかなあ。

コメント (2)
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