事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

刑事コロンボを全部観る~Vol.34「仮面の男」

2011-07-03 | テレビ番組

Identitycrisisimg01 Vol.33「ハッサン・サラーの反逆」はこちら

「追悼ピーター・フォーク」はこちら。気を取り直してがんばります。

いきなり「裸の銃を持つ男」レスリー・ニールセン登場。しかしシリアスな表情を崩さず、「祝砲の挽歌」でおなじみのパトリック・マクグーハンと

「コロラドは河」

「ジェロニモはインディアン」

「ロングビーチのような海岸はない」

なる奇妙なやり取りを。これ、合い言葉であり、要するに今回はスパイ・ストーリーなのだ。

ふたりのかけあいは本当におかしくて、しかも吹替が重厚なる家弓家正と佐野浅夫なので効果倍増。いまどき合い言葉や割り符を使うスパイがいるとも思えないので、60年代にたくさん作られたスパイ映画のパロディみたいになっている。

CIAのエージェントであるふたりが、遊園地の射的に挑戦してそろってパーフェクトを達成し、大きなぬいぐるみをもらってしまうなど、悪のりに近い演出(マクグーハン自身が監督している)。その分、ミステリとしてはもの足りなくてもスパイ映画好きのわたしは満足。

二重スパイである過去をばらすとニールセンに脅迫されたマクグーハンは、追いはぎにやられたように偽装して殺害。エージェントであることを知られたくないため、上着を脱がせてショルダーホルスターごと拳銃を死体からはぎとったことから計画はほころびていく。

社会的地位も高く、資産も膨大。才能豊かな経営コンサルタントであり、スピーチライターとしても一級。すべてを持っている男が、それゆえにスパイというリスキーな仕事に魅力を感じ、ギャンブル好きであるあたりの描写がいい。

そして、そんな男の前にあらわれたのが、風采の上がらない、しかし有能かつ奇妙な刑事だった対比。スパイとは現代の貴族なのだというルールをちゃんと遵守している。

コロンボがマクグーハンのアリバイを崩したきっかけは時事ネタ。有能なスパイなら、うまく言い逃れできそうだったのがちょっと残念。

Patrickmcgoohanimg01 ここでスパイ映画トリビア。

「ジェームズ・ボンド役の第一候補はパトリック・マクグーハンだった」

ああなんてことだ。マクグーハンも一昨年亡くなっていたなんて。

Vol.35「闘牛士の栄光」につづく

コメント
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