事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

上棟式~あるいはなでしこジャパンのこと。

2011-07-18 | まち歩き

Jinjaimg01_2 「ご神体」シリーズはこちら

今日はその、新しい神社の上棟式。

午後4時に神社集合、ってことになってるけど、いったいどんな格好で行けばいいのかさっぱりわからず。

その神社の隣に住んでいる男に携帯できく。

「みんな普通のかっこだぜー」

要するにただの餅まきだと。まあそうは言ってもちょっとはフォーマルに、と白シャツにコッパン(死語)。

神社に行く途中でとなりの奥さんに「こんなかっこでいい?」ときいたら、「……やめでよ。あたしこのまんま行ぐあんよ!」そうか短パンTシャツでもよかったのかー。

でもいざ神社に行ったら男たちはやっぱりちょっとキチンとした服装なのでした。

神社の隣の男はいきなりおじけづき
「着替えでくっがな」今さら遅いだろ。

神主さんの祝詞のあと、大工たちが屋根を叩く儀式。これって民家を建てる時もやってるのかな。そして施主である氏子総代たちがお餅と5円玉をぶんまく。

とりあえずあっつー。しかも強引に日本酒を飲まされたのでなお暑い。ウチに帰ってなでしこジャパンの特集を見てまた熱い。

午前6時ぐらいから見てたけど、まさかオレの目が黒いうちに(死語)サッカーのワールドカップで日本が優勝する瞬間を見ることができようとは。

ところで、なでしこって、どんな花?

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「小さいおうち」 中島京子著 文藝春秋

2011-07-18 | 本と雑誌

Chiisaiouchiimg01


小さいおうち
価格:¥ 1,660(税込)
発売日:2010-05
静かな、とても静かな家庭小説に見せて、これがなかなか一筋縄ではいかない作品なのでした。

山形から女中として上京したタキは、老小説家から「かしこい女中とはどんなものか」を例示される。ご主人様のために、お友達の原稿を暖炉で焼いて差し上げた女中の話。

小さな文化住宅で、美しい奥様に奉公することになったタキは、ある“かしこいこと”をするのだが、その行動が意味するものとは……

戦前と戦後が、実はそう極端に変わっているわけではない、ということをこれでもかとエピソードをつめこんで描いている。戦争に向かうなかで、歴史上は悲惨な事実の集積だけれど、都会に住むお嬢様、奥様たちにとっては、披露宴のごちそうが天ぷらになってしまうことの方が深刻なことだったりする。

そんな無邪気な奥様と旦那様も、人に言えない秘密をかかえていて、タキはそれを若いながらに冷静に見ている。そう、家政婦はやっぱりなんでも見ているものなのであり、女中にかぎらず家庭の中に他人を受け入れる層に求められるのは、見られていることに鈍感、と言って悪ければ“無いことにできる”度量。ウチは絶対無理だな。金銭的にも精神的にも。総中流化した以降の現代では、女中という文化が消えるのも無理はない話。

タキが書いている思い出のノートを、甥の次男坊が盗み読みしている、という設定なんだけど、終章でひっくりかえし、タキが文学用語でいうところの『信用できない語り手』だったことがわかる。このあたりはミステリ的でけっこうでした。

かしこい行動をとったせいで、タキは晩年に悲嘆にくれるのだけれど、なぜタキがその行動をとったか、というあたりは説明過剰じゃなかったか。伏線がバリバリはってあるので多くのミステリ好きは感づいてるんだけどな。

読み終えてから、あらためて表紙をながめるとしみじみできます。

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