事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「白い肌の異常な夜」 The Beguiled (1971 ユニバーサル)

2010-06-26 | 洋画

Beguiled02 南北戦争の時代、深い森の奥にその女子学院はあった。院長以下、教師、生徒たち、料理人にいたるまですべて女性。そこへ、傷ついた北軍の兵士(クリント・イーストウッド)が迷い込む……お好きな方にはたまらないシチュエーション。そして観客が予想するような方向に(なにしろ邦題が邦題ですから)ドラマはすすむ。

女性教師は彼の軽口を信じて愛を育み、女生徒はそれを知りながら若い身体で兵士を挑発する(すぐその挑発にイーストウッドはのっちゃいます)。院長(ジェラルディン・ペイジ)の兄は行方不明になっており、その理由に気づいた兵士は学院に君臨しようとするが……

女性たちがそれぞれにたったひとりの若い男性に心ひかれ、そして嫉妬に狂っていく。こわ。女性たちへの肉体的ハンディとしてイーストウッドは最後まで身体が不自由であり、と同時にそのことで女性たちは彼を“所有”しようとする。それが裏切られたとき、彼女たちがとった行動とは。

監督ドン・シーゲル、主演イーストウッド、撮影ブルース・サーティーズ、音楽ラロ・シフリン。「ダーティハリー」とまったく同じメンツで、ほとんど同時期に製作されたにもかかわらず、この肌合いの違いはなんだ(笑)。セックスがストーリーの核になっているのは確実なのに、そのことを巧妙に隠蔽している。達人の技というべき。

現在は巨匠になっているイーストウッドだけど、心のどこかに女性恐怖があったのは、彼の初監督作が女性ストーカーを描いた「恐怖のメロディ」だったことでもわかる。糟糠の妻と別れてソンドラ・ロックとできてしまい(順序逆だったかな)、彼女と別れるのに苦労したことを考えると、やっぱりイーストウッドは女性が苦手なのかも。

The_beguiled01

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする