映画はなるべく早く特集して、と読者からリクエストされながら、結局は(三川イオンシネマでは)公開が終了してからお送りすることになってしまった。すんません。
最終週になぜ見ることになったかというと、それは娘が熱狂的なギリシャ神話オタクだから。どうやら図書館の本でギリシャ神話の世界観にふれてしまい、耽溺しているらしいのだ。
「ギリシャ神話というと……ゼウスとか?」
「そう」
「ポセイドンとかプロメテウスとかのあれか」
「アフロディーテとかナルシスとかのあれ」
行き帰りのクルマの中で延々と有名なエピソードを解説してもらう。というかもう止まらない。
「ちょっと待て。そりゃ不条理じゃないかいくらなんでも。それって誰が悪いんだ?」
神話には日本人にはなじめないような不道徳な話が(日本の神話もたいしたものだが)。
「ヘラ(ゼウスの妻)かなぁ。でもゼウスが浮気するのがよくないのよね」
「その話のオチはないんじゃないか?どうしてそうなったんだ?」
「ヘラが嫉妬したから」
なんでもかんでもヘラかいっ!どんな女房なんだヘラって。ということでこの映画もヘラが激怒しそうなお話。なにしろゼウス(リーアム・ニーソン)は、惚れた既婚女性のベッドにしのびこむために、亭主に化けたりするのである。最低。そりゃ、そのときにできちゃった半神半人であるペルセウス(サム・ワーシントン)は父親を軽蔑するって。
まあストーリーの不条理さはともかく(ラストでペルセウスが、アンドロメダに対して行う選択は納得)、問題は3D。三川がいつまでも3D上映に踏み切ってくれないのでイライラ。でも、最初から新技術を開発して3Dのために撮影された「アバター」と違い、この作品はコンピュータで後処理して3D化したものなので、2Dで見ても十分かも。まあ、シネコンの大画面で見るには最適の映画でした。
「ところで、人間と神のバトルのお話なのに、なんで『タイタンの戦い』なんだ?」
「あ。」
神話オタクにも、この謎は解けないのでした。