事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「温かな手」 石持浅海著 創元推理文庫

2010-06-10 | ミステリ

51drzjuzwgl これまた“人を食った”お話。

人間と同居し、そのエネルギー、というかカロリーを温かい手によって“接触”して吸収する知的生命体の兄妹。この連作における名探偵は彼ら「人類の捕食者」たちなのだ。

石持は例によって奇態なルールを設定していて、捕食者である以上、食物である人類よりも数が少なく、そして○○に違いない、というあたりが静かなラストにつながる……でもさあ、これをみごとなSF的設定、と感じる人がどれだけいるだろう。どうしたって例によって無茶な設定をかましやがって、キャラはまったく人間らしくないし(人間じゃないけど)、ストーリーがルールのために奉仕している……ととられるに決まっている。

で、そんなところがやっぱりわたしは大好きなのでした。あー面白かった。

コメント
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