南北戦争の時代、深い森の奥にその女子学院はあった。院長以下、教師、生徒たち、料理人にいたるまですべて女性。そこへ、傷ついた北軍の兵士(クリント・イーストウッド)が迷い込む……お好きな方にはたまらないシチュエーション。そして観客が予想するような方向に(なにしろ邦題が邦題ですから)ドラマはすすむ。
女性教師は彼の軽口を信じて愛を育み、女生徒はそれを知りながら若い身体で兵士を挑発する(すぐその挑発にイーストウッドはのっちゃいます)。院長(ジェラルディン・ペイジ)の兄は行方不明になっており、その理由に気づいた兵士は学院に君臨しようとするが……
女性たちがそれぞれにたったひとりの若い男性に心ひかれ、そして嫉妬に狂っていく。こわ。女性たちへの肉体的ハンディとしてイーストウッドは最後まで身体が不自由であり、と同時にそのことで女性たちは彼を“所有”しようとする。それが裏切られたとき、彼女たちがとった行動とは。
監督ドン・シーゲル、主演イーストウッド、撮影ブルース・サーティーズ、音楽ラロ・シフリン。「ダーティハリー」とまったく同じメンツで、ほとんど同時期に製作されたにもかかわらず、この肌合いの違いはなんだ(笑)。セックスがストーリーの核になっているのは確実なのに、そのことを巧妙に隠蔽している。達人の技というべき。
現在は巨匠になっているイーストウッドだけど、心のどこかに女性恐怖があったのは、彼の初監督作が女性ストーカーを描いた「恐怖のメロディ」だったことでもわかる。糟糠の妻と別れてソンドラ・ロックとできてしまい(順序逆だったかな)、彼女と別れるのに苦労したことを考えると、やっぱりイーストウッドは女性が苦手なのかも。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます