事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

チャーリーとチョコレート工場

2008-01-11 | 洋画

Choco  日本でこれほどのヒットになるとは予想もしなかった。趣味人ティム・バートン監督+天才ジョニー・デップのコンビにこんな興行価値があったなんて。「シザーハンズ」「エドウッド」「スリーピーホロウ」……きつい毒がしこんであるために、このふたりのコラボは、愛されはするもののビッグヒットにはならずじまいだったはず。それに、全世界で1300万部も売れているというロアルド・ダールの原作「チョコレート工場の秘密」にしたって、日本においては女子大生の間でだけのベストセラーではなかったか?(偏見)

 三川の映画館においては、郷土映画「蝉しぐれ」に大スクリーンを占拠された影響もあってか場内満杯。こどもの観客も多いのに吹替版の上映がないのも「蝉しぐれ」の影響。でも、小五の娘にはつらいかも、と思っていた字幕版にして正解。この映画、ほとんどミュージカルなのだ。特に、どう映像化するのかと思っていたこびと=ウンパルンパが歌い踊るシーンは爆笑。MGMミュージカル風あり、ビートルズのパロディあり(ポール役のこびとはちゃんと左利きでベースを弾いてました)。きわめつけ、70年代サウンドをバックにした場面ではひきつるほど笑った。

 チョコレートの滝はもっと派手でもよかったし、全体にもうちょっと短くてもよかったかな、と見終わってもらすと、すっかりこの映画に魅了された妻は「あれでいいのよ!全部すばらしかったわ。ジョニー・デップは天才!」と主張する。息子も娘も満足。ファミリー映画としておみごと。あ、そうか。ティム・バートンの映画でこんなパターンは珍しい。大ヒット納得。

※エキセントリックに見えながら、すねた少年のような、そして小狡い表情を浮かべるデップはやはり天才。個人的には、工場から飛び出した自転車の一群がバージンスノウの上に美しい線を描いていくシーンが好き。

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'07映画ベストテン

2008-01-11 | 映画

Yattenai 恒例、映画雑誌「キネマ旬報」の2007年のベストテンが1月10日に発表された。“世界最古”の映画雑誌のベストテンなので、公的な色彩が強い。2007年のオフィシャルベストは、だから以下のとおり。

 【日本映画】(1)それでもボクはやってない(2)天然コケッコー(3)しゃべれども しゃべれども(4)サッド ヴァケイション(5)河童のクゥと夏休み(6)サイドカーに犬(7)松ケ根乱射事件(8)魂萌え!(9)夕凪の街 桜の国(10)腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

 【外国映画】(1)長江哀歌(2)善き人のためのソナタ(3)今宵、フィッツジェラルド劇場で(4)クィーン(5)バベル(6)やわらかい手(7)ドリームガールズ(8)ボルベール〈帰郷〉(9)ゾディアック(10)パンズ・ラビリンス

なさけない。日本映画は5本。外国映画に至ってはベストテン作品を一本も観ていない(T_T)。でも物理的に地元の三川イオンシネマでは邦画の①⑤、洋画の⑤⑦⑨しか公開してないんだよ。おまけに「河童のクゥと夏休み」は、読者がごり押ししてようやく上映したのだから、いかに上質な作品をチョイスできていないかが実感できる。反省しろイオン。まあ、単館系作品を山形フォーラムに頼らなければならない事情は、イオンが開館する前からなんだけどね。

Poc3  にしても、一本も観ていないってのはひどい。「善き人の~」は再上映してくれたのに、わたしが山形にいた日だけは別番組になっていて、おかげで「PEACE BED」を観ることになったし、「~フィッツジェラルド劇場で」はどうしても時間が合わなくてギブアップ。大好きなアルトマンの遺作だったというのに。「ゾディアック」は楽しみにしていたら、同僚が「んもー眠たくて眠たくて」と話していたので観なくてもいいかなと油断してしまった(笑)。去年のわたしは根性なしだったのである。

でも、興行成績ベストテンも観てほしい。

1 パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド  110億 ディズニースタジオ
2 ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団  93億 ワーナー・ブラザース
3 HERO  81億 東宝
4 スパイダーマン3  70億 ソニー・ピクチャーズ
5 ポケットモンスター・アドバンスジェネレーション  50億 東宝
6 ALWAYS 続・三丁目の夕日  50億(見込み) 東宝
7 西遊記  43億 東宝
8 ダイ・ハード4.0  40億 20世紀フォックス
8 トランスフォーマー  40億 UIP
8 恋空  40億(見込み) 東宝

一本もかぶっていないことにお気づきと思う。こういう年のことを、わたしの常識では「不作」と呼ぶのだ。ハリウッドを中心としたアメリカ映画の質的退潮は、こりゃ本物かも。

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